財務管理の基本知識について、体系的に記述していきます。
内容が古いなと感じたら、現在の財務管理の内容と照らし合わせながら見ていただくと、より理解いただけるかと思います。
予算管理:予算の種類と体系
予算は企業のすべての職能部門の活動計画を対象としており、各部門の予算を相互に関連づけて体系化しなければ、システムとして全体を構成することはできない。
総合予算とは、各部門予算を総合した全体計画を意味し、具体的には見積損益計算書と見積貸借対照表などのその内容が表示される。
総合予算は1年単位で設定される経常予算と、長期計画あるいはプロジェクト計画としての資本予算から構成される。
経常予算はさらに損益予算と資金予算から構成される。損益予算は見積損益計算書に統合集約され、資金予算と資本予算は見積貸借対照表に統合集約される。
留意すべき予算概念
①長期予算:予算期間が1年を超え、3年ないし5年あるいはそれ以上の期間にわたる予算を指す。
予算期間が2年のそれを中期予算と称する場合もある。
②短期予算:予算期間が最長1年であるそれをいい、通常、予算といえばこの短期予算を指す。
なお、予算期間を1年とするものをとくに年次予算といい、これをさらに半年度予算、四半期予算および月次予算に細分化して利用する。
③固定予算:単一の操業度に基づいて編成され、活動目標および予算業績の評価基準として機能する予算をいい、計画設定予算とも呼ばれる。総合予算および部門予算は、一般に固定予算であるが、固定予算といえども予算編成の基礎的前提が大きく変化した場合には、修正・改定を免れるものっではない。
④変動予算:複数の操業度もしくは連続した操業度の変化に合わせて予算額が知れるようになっている予算で、費用ないし原価の動的な統制に有用な予算とされている。
⑤割当予算:操業度、とく売上高との相関が明らかではない費用などについて、予算額の限度をトップが割り当てることによって編成される予算をいう。広告宣伝費や研究開発費予算は、割当予算とされる場合が多い。
つづく