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財務コンサルタント・1級販売士のブログ

小売店経営者を応援しています。
財務管理の基礎知識について、シリーズにて体系的に記述していきます。

ロッテを創った男

2020年12月23日 | 日記

ロッテを創った男  重光武雄論

鬼才マーケターの一代記

「謙虚になれよ」

 

今年1月に死去したロッテ創業者の重光武雄(辛格浩=シン・ギョクホ)。

晩年は息子同士の後継者争いで経営が混乱したり、自身もグループの不正事件に絡んで背任の罪に問われたりしたが、日本と韓国で大きな功績を残しながら実像はよく知られていない。

日本でガムなどの菓子事業で成功し、その利益を韓国に投資。

日韓の経済力のギャップを利用した「タイムマシン経営」で韓国有数の財閥に押し上げた。

重光流経営とは何だったのか。

著者は「マーケティングの鬼才」と指摘する。

重光氏は化学の技術者だったが、早くから顧客重視を鮮明にしていた。

チューインガムを手掛けてからは試食はもちろんネーミング、パッケージ、プロモーションには必ず参加した。

ベストセラー「クールミントガム」のパッケージではペンギンと三日月のデザイン案を書いた。

後発のチョコレートでは「ガーナミルクチョコレート」のパッケージに鮮烈な赤を採用し話題を呼んだ。

現在にもつながるテレビCMの大量投下のほか、コピーの選び方でも「お口の恋人」は創業から70年を経た今も使われている。

重光氏のOKが出ず、発売が遅れた商品も少なくない。

日韓で成功した経営者の一代記だけでなく、マーケティング戦略を重視して成長した企業物語としても楽しめる。

 

ロッテを創った男  重光武雄論

ダイヤモンド社 税別1800円