週末の大雨でどうやら熱海で土石流があったようです。わたしの実家は平野なので土石流こそないでしょうが、この時期は十分気を付けないといけませんね。
大雨というとやはり東海豪雨を思い出します。当時ロードスターに乗っていたので幌の接合部から漏れて運転席が水浸しになったぐらいで済みました。
被害にあわれた方、心よりお見舞い申し上げます。連絡の取れない方もいらっしゃるようなので早く行き先がわかるといいですね。
上に書いたとおり、大雨の時は東海豪雨を連想してしまうので少しばかり不安になる@なかのひとですがいかがお過ごしでしょうか。
さて、話を変えて。
先回
よりずいぶん経ってしまいました。主な理由は車の不調で出かけられない・緊急事態で県外も自粛中なので青箱探索もできなかったわけです。
で、ようやく目的のものを探し当てたので今回の紹介に至ります。今回のネタはタイトルにもある通り「京セラ」。
京セラ自身は言わずと知れたほぼ何でも屋さんのメーカー。近年だと京都ラボのいる方がノーベル賞を受賞したことでも有名になりました。
この京セラでも過去にカメラを作っていたのでエンスーには知られるところです。歴史等は
Wikiをに目を通していただくとして、個人的に一時期CONTAXブランドのコンデジにどっぷりはまって収集していました。
京セラ独自でも出していましたが、高級路線のTシリーズは今でも高額で取引されています。(T2とか信じられないお値段。捨て値だったG・G2ですら7,8万ついていることも…
わたしもひょんなことからT vsを手に入れましたが、パナライカに乗り換えるために手放してしまいました。
でも、思ったほどよくはなく、数年来T vsを探していて数年前に松本で発掘。もうそれから数年が経っているために付属の電池は妊娠状態で使用がほぼできません。
(幸運なことに前のオーナーが新品の電池パックを予備で買っていて、それも付属だったので保存はしているため、使えないことはないのですが。
これらは高級コンデジからのデジタル化。一眼レフもリリースしているので今回はそちらのお話。
と、前置きが長くなりましたが、3月の能登遠征で小松の青箱から270AFというボディを拾ってきました。
このボディ、見た目がフィルム時代のEOS5や55にそっくりなので「なんだよまたEOSボディかよ」と表にひっくり返すと”270AF ”の文字。
「なんじゃこりゃー!京セラは210,230があるのは知ってるけど、270なんて初めて見たぞ!」
ボディがあれば高確率でレンズもあるはず…と、青箱の中を捌くりまわしましたが、結局見つからずにボディだけ身請けしてきました。
その後家で調べてもマウントがどんなものなのかはっきりとわからず、”京セラAFレンズ”というのが出ていたことだけ突き止めました。
http://www.hi-ho.ne.jp/sbko-hq/KyoceraAF/index.html
個人の方が調べておられてすごく詳しいサイトです。ぐーぐるせんせーに聞いてもほぼTOPに出てくるくらい。
いやぁ、見れば見るほど珍妙(笑)なボディ。ボディを身請けした小松にキャップもあったので数か月そのままにしていましたが、仕事で小牧に行ったときに名古屋空港店の青箱の中に35‐70㎜があったので思わず速攻で買ってきました。(思わず「やった!大勝利だ!」と声が出てしまいましたw
電池は現代に近いものなので2CR5。ボディ、レンズがそれぞれ¥1000。電池¥1025(ジョーシン)。なんか納得いきませんw
さて、改めてシステムを見ていきましょう。
思いっきりキャノンのデザインをパクってる気がしますw 重さは600gだそうで、レンズを付けるとずっしり来ます。樹脂ボディでこれだけの重さはなかなかいませんね。
シャッターボタンの上に回転ダイヤル…と思われるでしょうが(普通はそう)、回転しません! スライドスイッチです。
210,230もスライドだったのでそのままのシステムなのでしょう。
特筆すべきはレンズを付けたときに正面向かって左に約10度ぐらい距離計窓がオフセットになることw(京セラの印刷が真上に来る
整備が終わってレンズを付けるときにかなり悩みました。KマウントやFDのようにボッチや印刷が付いているわけでもなく、Fマウントのようにカニ爪の指標があるわけでもありません。
ガチャガチャやっているうちについてしまったので「なんじゃそりゃ」と突っ込んでしまいましたw
…まあ、確かに液晶を見てそのまま目線を上にあげれば距離窓…ではあるので慣れれば画期的…?なのかもしれませんが。
マウントは”京セラAFマウント”。どうやらそれが正式名称のようです。
5点の接点、マウント接合部にあるAF駆動用接点。この形で最初は「もしやミノルタのAマウントが付く…?」と思ってしまいました。
実際はAマウントの方が若干ですが径が小さく、AF駆動接点も左下にあります。なんてめんどくさいマウントなんでしょう…
230AFについていたはめるタイプのストロボは廃止され、ペンタ部に埋め込まれました。
マウント横のボタンでポップアップ、なのかと思いきや、なんと指で持ち上げないとストロボが出てきませんw (いやもうどんだけ突っ込ませる気だwww
…さて、気をとりなおして軍艦部を見ていきましょう。
右側には液晶。
下のボタンは露出補正というのは直感でわかりました。押しながらスライドスイッチで+/-を操作。
が、「F.RANGE」というのはいまだにわかりません。押すと液晶内の山と花が付いたり消えたりします。35‐70㎜くらいのレンズだと意味がないのですが、もしや焦点距離の長いレンズではフォーカスリミッターの役割、なんでしょうか…?
続いて軍艦部左側。
(ちょっと撮った角度が悪いのですが)ペンタ部横はスライド式の電源ボタン。
上のドライブはシングル/連写/タイマーの切り替え。
モードはプログラム/Tv/Av/Mの切り替えができます。地味に現代のカメラっぽいつくり。
モード横にある”P”の小さなボタンは「どのモードからも一瞬でプログラムになる」ボタンwww えぇー、そんなボタンいらなくね?w
個人さんの上に書いたまとめサイトに寄れば「270はシリーズで最も完成されてる機種」とのこと。
この後にリリースされた300AFはコストカットによりかなり廉価版になってしまっているようで、全く売れなかった由。
わたしから見てもこの機種は変な方向に尖っていて変わった個体だなーと思わざるを得ません。果たしてどの層がターゲットだったのか。まったくもって不思議ではあります。
裏面はデータパックが標準装備、のようです。(というのは、パーツとして裏ブタが存在しないため。
右上ボタンはどうやらAF/AEロック、のようですが、いまいちわかりませんでしたw
左上のスライドボタンはストロボの通常と後幕シンクロの選択のようです。(ようです、というのは、選択するとシャッター音の後に光るので”たぶん”そうではないかと…
ボディ下部の穴はねじ込みレリーズの穴のようです。
いやぁ、これだけざっと見てもなかなかに興味深く、面白いボディでした。ほかのメーカーにはない、いろんなところに特長のある切り口ですね。
こうなると超レアボディである300AFも欲しくなってしまいますw(210,230はまれではありますが、中古カメラ市でジャンクで出たりします。
ボディは突っ込みどころを書いた方が面白い(笑)ので、その部分を書きましたが、肝心のAF性能についてはこれがなかなかに侮れません。
正直言うと同時期のニコンやペンタよりも速くて正確ではないかと思えるくらい。意外や意外。
古谷一行がCMをしていた230はAFがのろくて使い物にならなかったので、そこから比べてもかなりの正統進化をしたのでしょう。
ボディが重いのもボディ側にレンズ駆動用のモーターを持っているためで、キャノンのようにレンズ内モーターが高価であり、組み込みにも難しかったためではないかと推測できます。
正直、今回の京セラは調べれば調べるほど面白いところが出てくるので、大変楽しい沼となりました。
□きょうの京セラ
突っ込みどころ満載なシステムではありますが、T vsに関してはいまだに通用する画質だと信じています。
動きものも(速度が遅ければ)この通りばっちり。(だいぶ前の試写ですが…
画質はいうことなしですね。コンデジですらにじみのないバッチリ感。この青の色は大手メーカーですらそうそう出せる色ではありません。(オートで撮ったスナップです
GRⅡ(旧型)で撮った時にこんな色が出ましたが、その時以来の驚きでもありました。何の気なしに手放してしまいましたが、これもあって2台目を探したのです。
京セラレンズはマウントが特殊なのでアダプターもなく、試写することができませんが、どうやら富岡光学そのものが京セラオプティックの前会社のようなので、写りは悪くないのではないでしょうか。
このAFシステムもリーマンショックがなければそのまま一眼側のCONTAXに採用される予定だったとありますので、世の中の流れというのはいろんなことがありますわね。
(この後京セラは光学事業そのものを止めてしまうわけですが、技術の人たちはキャノンに行き、コンパクト系などを開発したとか何とか…。
図らずとたまたま身請けしてきたヤシカボディのM42から続くシリーズになりましたが、自分で書いていて調べ物をしていてもとても面白いものでした。