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50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

そういうことならよかったが、・・・

2015-08-12 21:30:48 | 小説
そういうことならよかったが、彼の話が妻子や家庭のことに移ると独身男のことだから、幸男は何となく嫌な気がした。ところでと言って正面向いた彼に、理恵に話が飛ぶかと思ったのだ。有名人を伝言板が放っておくはずがなく、話さないわけがなかった。

(つづく)

「都会化したから、ずいぶん。・・・

2015-08-11 20:19:44 | 小説
「都会化したから、ずいぶん。無理はない。けど望月、やはり同窓会というのは五十歳を過ぎた、おっさん連中が感激するものなのかも知れないな。乗ってるときにわざわざ、同窓生の顔を見にくるヤツはいないだろう。女の方も子育てや、夫のご機嫌取りに忙しいか。ところで」
「え」とためらいがちに見やった幸男だったが、
「最近得意先の方もやりにくくなった」

(つづく)

宇礼市に住む幸男たちには、・・・

2015-08-10 19:35:23 | 小説
宇礼市に住む幸男たちには、そう言われてみれば三十歳を過ぎたこともあろうが、人のつながりが淡白になっている。今日も変わらないものは彼の多弁癖かと思うと、ほとんど残しているコーヒーを見つめながら幸男は笑みをこらえる。

(つづく)

それで調子に乗りだすだろう・・・

2015-08-09 15:43:43 | 小説
それで調子に乗りだすだろうと悔いた通りに、伝言板が言葉をすらすら吐きだしている。幸男は感心を示し始めている自分を知る。
「そう言われてみれば・・・・・・」
彼に言われて呟いた。

(つづく)