【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

免税事業者がすべきこと

2022-07-15 19:30:00 | 消費税
令和5年10月1日から始まるインボイス制度の影響を最も受けるのは免税事業者です。免税事業者は消費税を受け取れなくなるからです。たとえば、年間の売上が550万円で、その内消費税額が50万円の免税事業者の場合、売上が550万円から500万円に減ります。50万円の売上減は生活を直撃します!

◆得意先の大部分が一般個人(事業をしていない人)である場合

インボイス(適格請求書)は事業者間の販売取引(いわゆるBtoB)に際して、販売した事業者が販売先に対して発行します。インボイスは販売先が「仕入税額控除」を正確に行うための証拠書類なのです。

一般個人(事業をしていない人)は消費税の申告納税をしませんので、仕入税額控除をするためのインボイスは不要です。したがって、得意先の大部分が一般個人(事業をしていない人)である免税事業者は、インボイス制度が始まってもインボイスを発行する必要がありません。当然、適格請求書発行事業者の登録も不要です。課税事業者になって消費税を納税する必要がないということです。

◆適格請求書発行事業者の登録をして課税事業者になる

免税事業者は、得意先の大部分が一般個人(事業をしていない人)である場合を除いて、「令和5年3月31日までに」適格請求書発行事業者の登録をする必要があります。そうでなければ令和5年10月1日以降、インボイスを発行することができないので、販売に際して消費税を相手先に請求することができなくなります。

ここで気をつけなければならないのは、適格請求書発行事業者になれば同時に消費税の課税事業者にもなるということです。課税事業者は税務署に消費税の納税が必要となります。

◆課税事業者(適格請求書発行事業者)になった後の収入

消費税の課税事業者は「受け取った消費税」から「支払った消費税」を差し引いた額を税務署に納税しなければなりません。免税事業者のように「受け取った消費税の全額」が収入にはなりません。

免税事業者のままで550万円(内消費税50万円)の売上が500万円になるよりも、売上は550万円(内消費税50万円)のままで消費税50万円の一部を税務署に納税するほ
うが得であることは明らかです。

今すぐ、適格請求書発行事業者の登録をしてください!

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インボイスさえあれば仕入税額控除ができる

2022-06-25 11:00:00 | 消費税
「領収書さえあればなんでも経費になる」が間違いであるのと同じで、「インボイスがあればなんでも仕入税額控除ができる」というのも間違いです。

◆「適格請求書発行事業者でない」事業者が発行した「インボイスと同じ様式」の請求書

適格請求書発行事業者でない事業者がインボイスと同じ様式の請求書、つまり「架空の登録番号」や「実在する他の事業者に付与されている登録番号」を記載した請求書を発行したとしてもそれはインボイスではありません。

登録番号は国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」でその実在性と付与されている事業者を調べることができますので、このような請求書はインボイスではないことが簡単にばれてしまいます。

◆実在しない取引に関して発行されたインボイス

たとえ適格請求書発行事業者が発行していたとしても、前提となる取引が事実無根であれば、当然ながらそのインボイスでは仕入税額控除をすることはできません。

◆取引を仮装して発行したインボイス

取引を仮装するということは虚偽の記載がされているというわけですから、そのインボイスでは仕入税額控除をすることはできません。

消費税の「非課税取引を課税取引のように装う」、インボイス制度導入後、税務調査では入念にチェックされます。

◆事業とは無関係な取引(代表者の私的費用)に関して発行されたインボイス

インボイス制度導入後の税務調査においてはこれが一番問題になります。代表者の私的費用(事業とは無関係)に関して入手したインボイスがこれです。

インボイスを発行する事業者は相手先から要求されればインボイスを発行します。「事業をしているのでインボイスを発行してほしい!」と告げれば簡単にインボイスを発行してもらえます。インボイスを発行する事業者は、相手先の支払いが事業に関してかを確認する義務はないのです。

事業とは無関係な取引(代表者の私的費用)に関して発行されたインボイスは、記載内容が実在する取引に基づいており、インボイスとしての要件を満たす様式であったとしても仕入税額控除をすることはできません。これは法人税の損金、所得税の必要経費としての可否の判断に伴わせて調べられることになります。出費の内容や出費があった際の状況などから判断されるのです。

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簡易課税とインボイス(次は簡易課税が廃止?)

2022-06-18 18:00:00 | 消費税
簡易課税は、免税事業者と並んでわが国消費税の制度上の欠陥であるといわれています。インボイス制度導入により免税事業者問題は解決されましたが、簡易課税については先送りとなってしまいました。

◆仕入税額控除にはインボイスが必要

事業者が税務署に納める消費税は、販売の際に「受け取った消費税」から仕入などで「支払った消費税」を差し引いた額です。この支払った消費税を「差し引く」ことを仕入税額控除といいます。「仕入税額」といいますが商品や材料の仕入だけでなく、外注、諸経費(家賃、交通費、水道光熱費、交際費など)、設備投資に関して支払った消費税も含まれます。

インボイス制度導入後(令和5年10月1日以降)、仕入税額控除はインボイス(適格請求書)がなければできません。インボイスは税務署に届けをした消費税の課税事業者である「適格請求書発行事業者」のみが発行できます。

◆簡易課税とは

簡易課税とは、上記の仕入税額控除の計算を「受け取った消費税」に対して「みなし仕入率」を乗じることによって行うという方法です。みなし仕入率は、卸売業は90%、小売業は80%、製造業は70%といったように業種ごとに法律で定められています。

なお、簡易課税が認められるのは、基準期間(2年前)における売上が5000万円以下の事業者です。

◆簡易課税であればインボイスを入手する必要がない

インボイスは仕入税額控除を正確に行うための、いわば消費税の領収書です。支払ってもいない消費税を仕入税額控除できないようにするための証拠書類です。この重要なインボイスが、簡易課税を適用している事業者では不要です。仕入税額控除をみなし仕入率で計算するからインボイスは不要なのです。

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★事業者は消費税を一切負担しなくてよい(簡易課税は消費税の趣旨に反する)

事業者が税務署に納める消費税は、「受け取った消費税-支払った消費税」です。

受け取った消費税=支払った消費税+税務署に納める消費税

ということです。つまり、消費税は事業者を通過するだけです。しかし、簡易課税は「この等式」を歪めています。

簡易課税で計算した仕入税額控除>実際に支払った消費税

この場合、上記の等式は下記のようになります。

受け取った消費税=支払った消費税+税務署に納める消費税+事業者の手元に残る消費税
(支払った消費税+事業者の手元に残る消費税=みなし仕入率で計算した仕入税額控除)

「事業者の手元に残る消費税」、これが問題なのです。ちなみに、「簡易課税で計算した仕入税額控除<実際に支払った消費税」であれば簡易課税は選択しません。

★次は簡易課税が廃止?

「インボイスを渡さなければならない」
「インボイスを入手しなければならない」

インボイス制度導入を前にして各事業者は大変なプレッシャーを感じていることでしょう。

「インボイスを渡す必要がない得意先」
「インボイスを入手する必要のない事業者」

しかし、簡易課税においてはこのようなことが起こります。相当数の課税事業者が簡易課税の適用を受けています。インボイス制度導入後に発行される相当数のインボイスが「無駄!」になるということです。また、簡易課税には上記のとおり「事業者の手元に消費税が残る」という問題があります。

次はこの簡易課税が廃止されると考えておかなければなりません。そうでなければインボイス制度を導入する意味がありません。

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課税事業者、免税事業者、適格請求書発行事業者

2022-06-11 11:01:00 | 消費税
令和5年10月1日からのインボイス制度の導入が近づき、消費税に関する質問を受けることが増えてきました。その中でよくある質問のひとつが、「課税事業者」「免税事業者」「適格請求書発行事業者」です。

◆免税事業者(消費税を納める必要がない)

免税事業者とは、基準期間(2年前)の売上が1000万円以下であることから消費税の納税を「免除」された事業者をいいます。免除ですので、販売の際に「受け取った消費税」を税務署に納める必要がありません。

「消費税を受け取りながら納税しないのはけしからん!」
「零細企業は十分な消費税をもらえていない!(しかし、消費税は支払っている!)」

いわゆる「益税」です。平成元年に消費税が創設されて以降30数年、延々と議論され、しばしば政争の具にもなってきましたがインボイス制度の導入でようやく決着がつきました。

◆課税事業者(消費税を納めなければならない)

上記の免税事業者以外は、税務署に消費税を納めなければなりません。納める金額は、年間(会社は事業年度、個人事業者は暦年)に「受け取った消費税」の合計額から仕入などの際に「支払った消費税」の合計額を差し引いた額です。

免税事業者も課税事業者になることができます。「なぜ課税事業者に?」と思われることでしょう。それは、課税事業者になれば還付を受けられることがあるからです。「受け取った消費税<支払った消費税」となる場合です。例えば、多額の設備投資をすればこのようなことになります。

◆適格請求書発行事業者(インボイスを発行できる事業者)

インボイス制度により適格請求書発行事業者と呼ばれる事業者が登場します。適格請求書発行事業者とはインボイス(適格請求書)が発行できる事業者のことです。適格請求書発行事業者になるには税務署に届けが必要です。この届けは課税事業者だけでなく免税事業者もできますが、免税事業者は適格請求書発行事業者になると同時に課税事業者になります。

「本来の課税事業者」で適格請求書発行事業者の届けをした事業者
「免税事業者」から適格請求書発行事業者の届けをして「課税事業者になった」事業者

適格請求書発行事業者はこの2つということです。

ごく少数でしょうが、本来の課税事業者でありながら適格請求書発行事業者にならない事業者もいると思います。得意先が個人消費者のみでインボイスを発行する必要がない事業者です。ただし、このような事業者も、もしものときに備えて適格請求書発行事業者の登録はすると思います。

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消費税の申告

2022-06-11 11:00:00 | 消費税
令和5年10月1日から始まるインボイス制度に向けて、免税事業者から課税事業者になることを「決断!」し、すでに適格請求書発行事業者の登録を済ませた会社や個人事業者は多いと思います。しかしその一方で、消費税を「いつ」「どれだけ」納めなければならないのか?その「計算」はどのようにするのか?について新たな悩みを抱えていることでしょう。

◆申告納税は税務署でする

消費税の申告と納税は税務署でします。会社であれば法人税、個人事業者であれば所得税の申告納税を税務署でしますが、消費税もこれと同じ税務署で申告納税をします。

消費税率10%は「国税部分7.8%」と「地方税部分2.2%」に分かれますが、共に国税の役所である税務署で申告と納税をします。

◆申告は基本的には年度ごとにする

消費税の申告は年度ごとに行います。この年度は、会社(法人)は事業年度、個人事業者は暦年です。

事業者が税務署に納める消費税は、販売の際に「受け取った消費税」から仕入などで「支払った消費税」を差し引いた額です。この計算も年度トータルで行うということです。

◆課税期間

消費税の申告における年度のことを課税期間といいます。会社も個人事業者も課税期間は通常は1年間です。

◆申告納税の期限

会社は課税期間(事業年度)終了の翌月から2か月以内、個人事業者は課税期間(暦年)終了の翌年3月31日までに申告と納税をしなければなりません。個人事業者は所得税確定申告の期限より半月遅れだということです。

◆年度途中での申告(中間申告)が必要な場合

直前の課税期間(1年)の消費税額(国税部分7.8%)が48万円を超える場合には、その超える税額に応じて、半年(年1回)、3か月ごと(年3回)、1か月ごと(年11回)に中間申告をしなければなりません(この課税期間も1年として)。

中間申告でも課税期間(1年)と同じように、対象期間中に「受け取った消費税」から「支払った消費税」を差し引くという計算をしなければなりません。しかし、直前課税期間(1年)の消費税額の2分の1(中間申告期間半年)、4分の1(同3か月ごと)、12分の1(同1か月ごと)として計算することもできます。

◆年度を区切って申告することも可能(課税期間の短縮)

消費税の課税期間は1年間ですが、これを「3か月ごと」あるいは「1か月ごと」に短縮することもできます。

◆消費税の集計方法

損益計算書の収益と費用をベースに計算します。収益も費用も「消費税込み」で計算しているとして、消費税の対象となる勘定科目の金額に「1分の11」を乗ずれば「受け取った消費税」あるいは「支払った消費税」が計算されます。

会計ソフトには消費税の集計機能が付いていますので、それを利用すれば集計作業と申告書作成は会計ソフトがしてくれます。また、簡易課税を選択すれば、「支払った消費税」は「受け取った消費税」の一定割合で計算できますので非常に計算が楽です。

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★免税事業者の「最初の」申告納税(インボイス制度導入と同時に課税事業者になる場合)

令和5年3月31日までに、免税事業者が適格請求書発行事業者の登録をした場合には、令和5年10月1日から課税事業者となりますので、最初の申告の課税期間は次のようになります。

◇個人事業者→令和5年10月1日から12月31日まで

◇会社→令和5年10月1日から事業年度末まで
事業年度が4月1日から翌年3月31日の場合には、令和5年10月1日から令和6年3月31日まで

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