老化研究の栞

最新の老化研究でわかってきたことをわかりやすく解説し、老化を防止するための方法を考えるヒントを与えられるようなブログ

老化にともなうタンパク質の変化 --- タンパク質も錆びる(酸化する)? ---

2008-09-21 00:27:20 | Weblog
 前々回(8月27日)の記事で、「タンパク質の異常が老化や病気を引き起こしている?」ということを書きましたが、タンパク質の異常を引き起こす原因としては、(1)生まれつき遺伝子に異常がある場合と、(2)活性酸素などの影響によって錆びる(酸化される)場合とがあることがわかっています。

 そもそも細胞の部品であるタンパク質が錆びる(酸化される)と、細胞の働きが低下することがわかっていますが、その細胞が集まって作られている組織や器官にも機能の衰えが見られるようになり、結果的に体全体の機能が低下するのが老化であると考えられています。

http://proteome.tmig.or.jp/pjtdb/Kenkyu/Proteomics/index.html

老化の話題からそれますが、珈琲を多く飲む人ほど子宮体がんになりにくいとの厚労省研究班報告

2008-09-02 00:42:53 | Weblog
9月1日の朝日新聞夕刊の記事から。
厚労省の研究班(班長:津金昌一郎・国立がんセンター部長)の報告によると、珈琲を毎日3杯以上飲む人(日本人女性)はあまり珈琲を飲まない人より子宮体がんになるリスクが大幅に下るという調査結果(疫学的調査)が出たそうです。

疫学的調査結果は、「なぜ?」という疑問には答えてくれませんが、珈琲の中の何らかの成分が、子宮体がんの発症に関わる遺伝子の制御や女性ホルモンの働きに影響を与えている可能性があります。

ちなみに子宮がんの中で最も多く、比較的若齢で発症する子宮頸がんは、パピローマウイルスの感染が主な原因とされていますので、珈琲による抑制効果が出なかったものと思われます。

さらに面白いことに、同研究班の調査結果によると、珈琲は肝臓がんの発生リスクも下げるそうですが、肝臓がんで最も多いC型肝炎ウイルスによる発がんも抑えるのか興味あるところです。もしそうであるのなら、そのメカニズムを是非知りたいものです。
(これは先も述べたように、残念ながら疫学的調査では明らかにできませんが)