老化研究の栞

最新の老化研究でわかってきたことをわかりやすく解説し、老化を防止するための方法を考えるヒントを与えられるようなブログ

ブドウ糖の酸化によって生まれるエネルギー

2007-05-06 13:43:55 | Weblog
次回の続きで、老化と酸化の関係について話しをしていきたいと思います。

詳しいことは後ほどじっくり述べたいと思いますが、最近の研究で得られた成果は「生体物質の酸化が老化の根本原因である」ことを強く示唆しています。
平易な言い方をすれば、「老化とは体の部品(生体物質)が錆びつく(酸化する)ことで起こる」と言ってほぼ間違いありません。
したがって老化を防ぐためには、酸化を防ぐか錆びついたものを取り除き新しいものと取り変える(組織や機能性細胞を再生する)ことです。

このような話しをすると「酸化」が全て悪いことの様に思われるかも知れませんが、実は「酸化がなけれなば私たちは生きていけない」ということも認識をしておかなければなりません。
すなわち、私たちが活きていくためのエネルギーは物質(特に血糖の主成分であるブドウ糖)の酸化によって得ているのです。
この時の酸素は呼吸によって肺から取り入れ、血中のヘモグロビンという赤色のタンパク質によって全身に運ばれてブドウ糖の酸化に使われているのですが、呼吸が停止すると生きていられなくなる最大の理由は「酸素不足」でエネルギーが作れなくなるからです。
なのに、他の重要な部品が酸化によって錆びつくと老化するというのは、皮肉な話しですね。

続きはまた。

老化と酸化の関係

2007-05-05 19:02:05 | Weblog
 最初の投稿から、ずいぶん時間が経ってしまいましたが、そろそろ本題の老化の話を始めたいと思います。
 そもそも、私たちはなぜ老化するのか、老化を食い止めることはできないのか、だれしもが疑問に思っていることであると思います。
 昔の中国には不老不死の仙人思想というのがあって、霞を食べていると長生きができるという考えがありましたが、そもそもそんなことが可能なのでしょうか。少しずつひも解いていきたいと思います。
 最初に、「なぜ老化するのか、老化を食い止めることはできないのか」の疑問について、その逆に「老化を完全に食い止めることができ、いつまでも生き続けることができる」世の中になったことを想像してみて下さい。
 あなたは百歳かも知れませんし二百歳かも知れません。あるいはもっと長生きしているでしょうが、周りの人も二百歳や三百歳の人たちばかりで若い人は見かけません。
 私たち自身は老化しないかも知れませんが、社会全体が老化していってしまいます。
 すなわち、体の老化と、その結果としての寿命は「社会を老化させない」もっと言えば「自然環境全体を老化させない」ための仕組みなのです。
 では「自然」の中において「老化」は生き物だけのものでしょうか。
あなたの乗っている車や、住んでいる建物などにも老化(老朽化)はあり、寿命もあります。一方、ダイヤモンドや金の指輪などは一見老化をしないように見えます(実際に老朽化しません)。どこが違うのでしょうか。
 一般に老化や老朽化する物には、「酸化」という現象が見られますが、酸化を全くしないステンレスなどには老化はありません。
 続きは、次回また。