老化研究の栞

最新の老化研究でわかってきたことをわかりやすく解説し、老化を防止するための方法を考えるヒントを与えられるようなブログ

父親が高齢で生まれた子供には遺伝子の変異が多い

2017-10-02 17:11:44 | Weblog
 昨年の6月に、このブログで「精子や卵子も老化する? 体外受精による出産の課題」について書きましたが、今年の9月に科学雑誌 Nature に、これに関連する大変興味深い記事が掲載されましたので、補足させていただきます。

 かいつまんでいえば、「父親が高齢になるほど、生まれた子供に遺伝子変異が多くなる可能性が高まる」ということです。日本語の要約は Nature Japan のホームページ(http://www.natureasia.com/ja-jp/nature/highlights/89252)をご覧ください。

 母親の高齢出産(特に高齢での初産)でダウン症などの先天異常の発症率が高まることが知られていましたが、これまで父親の年齢が子供の遺伝子変異にどれほど影響するのかはよくわかっていませんでした。

 今回の調査結果が正しいなら、父親が50歳台の場合、20歳台に比べ子供の遺伝子変異が約2倍に増加する可能性があることになります。

 遺伝子の変異が直ちに病気の発症に結びつくわけではありませんが、父親についてもできるだけ若いうちに子供を産んでおいた方がベターであることはまちがいありません。

 今回の調査結果で驚いたことは、意外にも父親由来の遺伝子に変異が多く、いずれの年齢でも母親由来の遺伝子の変異数の2倍以上であったことです。これは女性の方が長寿であることと関係するのかもしれません。

(挿入図はNatureより一部改変して引用)

長生きしたければコーヒーを飲もう?!

2017-07-30 16:43:40 | Weblog
 9年ほど前に、このブログで「珈琲を多く飲む人ほど子宮体がんになりにくいとの厚労省研究班報告」という記事を取り上げましたが、最近になって新たに2つの論文が2017年7月11日の米国内科学会誌に報告されました。

 一つ目は、ハワイ大学がんセンターのパク・ソンイ博士らによる論文です。パク博士らは、日系アメリカ人、ラテン系アメリカ人、アフリカ系アメリカ人、ハワイ先住民、白人を対象にした研究により、コーヒーの摂取と、全死因死亡率や特定の疾患による死亡率の関連性を調べました。その結果、1日1杯のコーヒーを飲んだ人は、飲まなかった人に比べて死亡率が12%低くなりました。さらに、1日に2~3杯コーヒーを飲んだ人は死亡率が18%減少しました。またコーヒーの摂取が増えると、心臓病、がん、呼吸器疾患、脳卒中、糖尿病、および腎臓病による死亡率が減りました。
 今回の研究ではメカニズムは不明ですが、研究者らは、コーヒーには酸化防止作用や抗炎症作用のあるフェノール化合物など多くの物質が含まれ、それらががんや慢性疾患などの予防に重要な役割を果たす可能性を考えています。

 二つ目の報告は、インペリアル・カレッジ・ロンドンのマーク・ガンター博士らによる調査です。10カ国(デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、ノルウェー、スペイン、スウェーデン、英国)に住む52万1330人が対象です。その結果、1日にコーヒーを3杯以上飲んだ男性は、コーヒーを飲まない男性と比較して、死亡のリスクが12%低下しました。女性では死亡のリスクが7%低下しました。また、コーヒーを多く飲む参加者は、消化器疾患や循環器疾患で死亡するリスクが低いことが示されました。

 このように、コーヒーには長生きの効果がある可能性が示されましたが、いずれの報告でも、カフェイン入りとカフェイン抜きのどちらも死亡率は低くなりました。カフェインは摂りすぎるとよくないのでコーヒーを多く飲む場合にはカフェイン抜きの方が良いのかもしれません。
 (出典:毎日新聞ニュース 2017/7/30(日) 10:00配信)

ミトコンドリアのオートファジーが細胞の老化を防止する?

2016-10-23 18:44:51 | Weblog
 2016年のノーベル医学生理学賞が、オートファジーの仕組みを発見した東京工業大学の大隅良典栄誉教授に授与されましたが、オートファジーは老化防止やパーキンソン病の発症予防にも深く関わっていることがわかってきました。
 
 そもそもオートファジー(自食作用)は、酵母(最も単純な真核生物)が飢餓状態(栄養不足)に陥った時に、細胞の一部(特にタンパク質成分)を消化して、栄養素として再利用する仕組みとして発見されましたが、その後、多くの真核生物において細胞内小器官(核や小胞体、ミトコンドリアなど)を選択的に分解する仕組みでもあることが少しずつ明らかになってきました。

 そのうち、特に老化防止やパーキンソン病の発症予防に重要なのが、ミトファジー(損傷を受けて、膜電位が低下したミトコンドリアを選択的に分解する仕組み)です。

 ミトコンドリアは、ATP(細胞が活動するために必要なエネルギー分子)を産生する重要な器官ですが、ATPを産生する過程で活性酸素を発生する危険を伴っており、老化に伴うタンパク質の酸化に深く関わっていると考えられています。

老化に伴い酸化されたタンパク質が増え機能が低下したミトコンドリアをそのまま放置すると、活性酸素の発生が加速度的に増加し、最終的には細胞死に到る恐れがありますが、オートファジーは傷ついて機能が低下したミトコンドリアを分解除去する働きを持っており、老化の防止に役立っていると見られています。

精子や卵子も老化する? 体外受精による出産の課題。

2016-09-20 13:45:00 | Weblog
 2016年9月17日に配信された読売新聞電子版の中で、「諏訪マタニティークリニック(⻑野県下諏訪町、根津⼋紘(やひろ)院⻑)で、今年7⽉末までの約20年間に夫の実⽗から精⼦提供を受けた夫婦114組から、体外受精で計173⼈の⼦どもが誕⽣していたことが分かった。(⻑野県松本市で開かれる信州産婦⼈科連合会学術講演会で発表される)」ことが報じられました。その記事によりますと「夫に精⼦がない160組が、夫の実⽗(50歳代〜70歳代)の精⼦と妻の卵⼦で体外受精を⾏い、妻の⼦宮に移植。142組が妊娠し、114組が実際に出産した」とのことです。
 私は生殖医療の専門家ではありませんが、高齢の実父から提供された精子を使用することに一抹の不安が残りますので、気になったことを書かせて頂きます。
 そもそもヒトは年を取ると全身の細胞で老化が起きてきます。細胞の老化がなぜ起きるかについてはまだ完全には解明されていませんが、生きるために必要な酸素の一部が体内で活性酸素に変わり、遺伝子(DNA)やタンパク質を酸化変性させることがわかっています。精子や卵子などの生殖細胞も例外ではありません。
 精子は精母細胞から、卵子は卵母細胞からそれぞれ細胞分裂によって作られますが、元になる精母細胞や欄簿細胞自身も老化を起こすと考えられています。(女性の「閉経」は卵母細胞の老化によるものです)そのため、高齢出産ではダウン症などの先天異常の発症率が高まります。
 一般に精子の方が卵子に比べ老化の影響が少ないと考えられており、先の体外受精の例でも「夫の実⽗(50歳代〜70歳代)の精⼦」が使われたのはこのためですが、現実には精母細胞も老化を起こしており、高齢者では精子の数の減少や鞭毛の運動性の低下などが見られます。通常の自然な受精の場合には非常に多くの精子の中から運動性に優れた精子が競争に打ち勝って受精が成立しますので、異常な遺伝子を持つ精子は排除される確率が高いのですが、体外で人工的に受精を行う場合には比較的少数の精子が使用されますので、異常な遺伝子を持つ精子であっても受精が成立してしまうリスクが高まります。

食品中の不飽和脂肪酸と過酸化脂質の話

2015-02-15 14:38:45 | Weblog
 老化を促進する要因の一つとして酸化ストレスが考えられていますが、今回は食品中の不飽和脂肪酸過酸化脂質の話をしたいと思います。

 食事によって摂取された脂質中の脂肪酸の一部は、私たちの体の細胞の膜(細胞膜)を構成するリン脂質の中に取り込まれます。このとき、細胞膜のリン脂質に含まれる不飽和脂肪酸が酸化されると、細胞機能が低下します。

 リノール酸などの不飽和脂肪酸は飽和脂肪酸に比べ反応性が高く、空気中の酸素により自動酸化されて過酸化脂質(脂質ヒドロペルオキシド)を生じやすいという性質があります。体内では、リノール酸が最も酸化され易く、次いで、リノレン酸、アラキドン酸などであり、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)は比較的酸化されにくいといわれています。

 過酸化脂質は生体内で比較的長寿命であることから、DNAが活性酸素で切断される発癌機構への関与も示唆されています。また、血液中では、酸化された不飽和脂肪酸を含む酸化LDLは、動脈硬化の原因となったり、血管内皮細胞に作用して血栓形成を促したりすると考えられています。

 これに対し抗酸化物質の一つであるビタミンEは、脂質過酸化反応によって生じたフリーラジカルを消失させることにより自らがビタミンEラジカルとなり、フリーラジカルによる脂質の連鎖的酸化を阻止する働きをすると考えられています。ただし血漿を用いた実験では、ビタミンEではなく、水溶性のビタミンCが、過酸化脂質の生成を抑制したという報告もあります。

 食品中の過酸化脂質は、小腸で99.5%が安全な形に変わってから吸収されると考えられていますが、できるだけ摂取しないに越した事はありません。リノール酸やリノレン酸などの不飽和脂肪酸を多く含む食用油は光(特に、波長が短い紫外線)が当たることでも、自動酸化を受けますので、できるだけ空気との接触を避けて冷暗所に保存するようにし、一度揚げものに使用したあと長期間放置されたものは使用しないようにした方が良いと思われます。

老化と加齢黄斑変性の関係 - iPS細胞を用いた移植治療の課題。

2014-09-30 17:31:34 | Weblog
 滲出型加齢黄斑変性は老化に伴い発症する疾患のひとつで、網膜の裏側の血管の異常が直接の原因であるとされています。決定的な治療法はまだ確立されていませんが、理化学研究所では患者自身の体細胞から得られたiPS細胞で網膜色素上皮(RPE)シートを作製し、先端医療センター病院において兵庫県在住の70歳代女性患者に移植する臨床試験が行われました。
 多くの患者にとって光明となるなる成果が期待されていますが、これまでに指摘されていた癌化のリスクに加え、そもそも網膜の裏側の血管の異常がなぜ起きるのか、老化に伴って発症する理由はなぜかわかっていませんので、移植によって一時的に視力が回復しても再び黄斑変性が起きる可能性があります。
 
 先端医療センター病院で平成26年9月12日に実施された移植手術の経過については、理化学研究所のサイト(http://www.riken.jp/pr/topics/2014/20140918_1/)をご覧下さい。


糖尿病は老化を促進する?

2009-02-15 21:51:25 | Weblog
活性酸素が老化を促進し、老年病を引き起こす原因物質の一つであることは疑う余地もありませんが、その他にも老化や老年病の発症を早めている可能性の高い身体要因はたくさんあります。
高血糖もその一つです。

糖尿病になり、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高い状態が続くと、体内の様々なタンパク質に糖が結合し、異常なタンパク質(糖化タンパク質)がつくられます。

糖尿病患者では、赤血球の中で酸素を運ぶ役割を果たしているヘモグロビンが糖化されていることが知られていますが、これはヘモグロビンA1cとして糖尿病の検査にも用いられています。実際には、他にも様々なタンパク質が糖化します。
例えば、目のレンズのクリスタリンというタンパク質が糖化を起こすと白い濁りを形成し、糖尿病性の白内障を引き起こします。

タンパク質の糖化と脳の老化の関係についてはまだよくわかっていませんが、2009年2月14日の朝日新聞夕刊で紹介された、『50歳以上の糖尿病患者では、半数以上でアルツハイマー病の初期状態が見られた』とする広島大名誉教授鬼頭昭三博士らの研究結果は、糖化タンパク質が脳の神経細胞を障害している可能性を示唆しており、大変興味深い知見です。

いずれにせよ、歳をとっても認知症になりたくないと思っている人は、糖尿病のもとになるメタボリックシンドロームにならないように、まずは日ごろの食生活や運動不足に注意を払うことが大切です。

この他にも糖尿病は、脳梗塞や心筋梗塞のリスクも高めていることがわかっています。この辺のことは「日野原先生の健康ダイヤル アンチ・エイジング」に詳しく紹介されていますので、そちらをご覧下さい。


活性酸素って何?

2009-02-11 12:11:37 | Weblog
活性酸素って何?

前回、『脳の老化を遅らせるには、脳の中で発生する活性酸素の量をできるだけ少なくすることが重要である』と書きましたが、今回は、『そもそも活性酸素とは何か』、『どうしたら活性酸素の量を減らすことができるのか』、『どのくらい減らしたら老化は防げるのか』といったことについて触れてみたいと思います。

酸素は私たちが生きていく上でなくてはならない物質ですが、『活性』酸素になると、どうして病気や老化を引き起こす原因物質になってしまうのでしょうか。

以前このブログ(2007年5月)でも書きましたが、そもそも酸素は、私たちの体の中でブドウ糖などを水と二酸化炭素に『酸化』する過程で『ATPという生体エネルギー』を生み出しており、その酸化作用こそが酸素の働きなのですが、さらに『活性化』された形に変化すると、体にとって大事なタンパク質や遺伝子まで酸化する性質を持ってしまい、細胞に『ダメージ』を与えてしまいます。(それような変化が積もりつもって病気や老化が引き起こされてくるのです)

ちょっと専門的な話しになりますが、『酸化とは酸素と結びつく化学反応』であると共に、実は『分子から電子を奪う反応』でもあるのです。
上の図は、通常の酸素分子(O2)と代表的な活性酸素の一つである『スーパーオキシドラジカル』の化学構造を示しています。
実は『活性酸素』は一種類の物質ではなく、同じような性質を持った一群の仲間(活性酸素種)のことをいいますが、その共通の性質とは、『他の分子から電子を奪う性質が強い』ことです。
上の図を見ておわかりのように、酸素分子の場合には、それぞれの酸素原子は8個(2個X4対)の電子に囲まれていて『安定化』されています(安定化とは、分子にとって落ち着きがいい状態になること)。
これに対しスーパーオキシドラジカルには1個電子が足りませんので、常にまわりの分子から電子を奪い取ってやろうと狙っています。これが『活性』酸素が悪者たるゆえんであり、細胞に『ダメージ』を与える原因になっているのです。

実は、活性酸素は、都合の悪いことばかりでなく、我々が生きて行く上で重要な役割も果たしてくれているのですが、話しが長くなりますので、続きはまたあらためて・・・・。
(活性酸素やフリーラジカルについてもっと詳しいことを知りたい方は、老人研News No.212をご覧下さい。)

加齢に伴う認知症の発症を予防するためのポイント(1)

2009-01-11 15:04:11 | Weblog
 前回は「老化に伴うタンパク質の酸化」の話しをしましたが、今回は「脳の老化と認知症の関係」について、これまでの研究の中でわかってきたことを、話してみたいと思います。

 若くして発症する家族性のアルツハイマー病では、生まれつき遺伝子に原因があることがわかっており、このような場合には発症の予防はとても困難なのですが、高齢者に多く発症するアルツハイマー型老年期認知症(Senile Dementia of Alzheimer's Type)の大部分は、生理的な脳の老化が主な原因である、発症の予防も不可能ではないと考えられています。(両者は症状は似ていますが、分けて考える必要があります)

 老化の原因については、前回述べたように、タンパク質の酸化が考えられていますが、この他にも遺伝子の本体であるDNAの酸化や細胞膜を構成する脂質の過酸化なども関わっているものと考えられています。

 従って、根本的に脳の老化を遅らせるためには、脳の中で発生する活性酸素の量をできるだけ少なくするすることが重要です。

 全身的には、摂取するカロリーを減らす(食事をコントロールする)ことが寿命の延長に効果的であることが動物実験で明らかになっていますが、人間ではまだ十分な検証が済んでおりませんので、現状では「カロリーは取り過ぎないように注意する」という言い方が正しいと思います。(極端にカロリー制限をし過ぎると、必要な栄養素まで十分に採れなくなることによって、逆に寿命を縮める恐れがあります。何事もほどほどが大事です)

 活性酸素の影響を抑えるという意味では、十分な量のビタミンCやビタミンEを摂取することも、ある程度効果が期待されますが、これも、「活性酸素を除去するために必要最小限の量」があれば十分なわけで、それ以上に多量に摂取しても寿命を延長する効果はありません。(一部のサプリメントには効果があるように書いているものもありますが、いっさい証明はされておりません)

 老化に伴う変化の中には、分子や細胞のレベルで不可逆的な変化(後戻りできない変化)と、可逆的な変化(生活習慣や生活環境によって、ある程度改善できる変化)があります。

 病気としてのアルツハイマー型の老年期認知症は基本的に不可逆的な変化によるもので、一旦発症すると完治は不可能です。
 それに対し、50代の後半辺りから徐々に増えてくる「軽い認知機能の衰え(Mild Cognitive Impairement)」は。可逆的な変化と不可逆的な変化が平行して進行しているものと考えられています。従って、何も対策を講じないと、次第に不可逆的な変化が進行して、最終的にアルツハイマー型の老年期認知症に移行することになるものと見られていますが、脳の神経細胞にはある程度の「復元力」がありますので、それを活性化することによって、「可逆的な変化による認知機能の衰え」の部分については進行を遅らせたり、症状を改善することも可能であると考えられています。

 それでは、実際にはどうすればよいのでしょうか。

 そのヒントになる記事が、朝日新聞2009年1月11日(日曜朝刊)に載った「東京都老人総合研究所と世田谷区共同研究」の報告として紹介されています。
 それによると、「軽い認知機能の衰えがある「認知症予備群」の高齢者でも知的な趣味と運動を定期的に長く続けると、記憶力や注意力などを改善することができる」ということです。
 これは、逆に言うと、定年退職などで急に脳を使うことが少なくなると認知症が発症しやすくなることを示唆しています。

 要するに、年を取っても色々なことに興味を失わず、知的な活動を続けることが重要であり、家族の側からは、高齢であるからと言ってあまり年寄扱いすることはせず、サークル活動などで頻繁に外出をするなど活発な老後生活が送れるよう、協力をしてあげることが、認知症の予防にはとても重要です。

(関連記事リンク:東京都老人総合研究所トピックス『どうすれば防げるか、痴呆(痴呆介入研究グループ 矢冨直美)』


 

老化にともなうタンパク質の変化 --- タンパク質も錆びる(酸化する)? ---

2008-09-21 00:27:20 | Weblog
 前々回(8月27日)の記事で、「タンパク質の異常が老化や病気を引き起こしている?」ということを書きましたが、タンパク質の異常を引き起こす原因としては、(1)生まれつき遺伝子に異常がある場合と、(2)活性酸素などの影響によって錆びる(酸化される)場合とがあることがわかっています。

 そもそも細胞の部品であるタンパク質が錆びる(酸化される)と、細胞の働きが低下することがわかっていますが、その細胞が集まって作られている組織や器官にも機能の衰えが見られるようになり、結果的に体全体の機能が低下するのが老化であると考えられています。

http://proteome.tmig.or.jp/pjtdb/Kenkyu/Proteomics/index.html