雑記-白堂別館-

雑記なう
無職止めました。
出来ることからやってみよう

第六節

2010-04-27 03:35:06 | Dear to me
保健室に入ると、奥の事務机に座っている先生がこちらを見ていた。
香奈穂が雄二の事を伝えると、背負ってる男子越しに雄二の顔色を確かめた。
そのまま男子にベットを指差してそこまで運んで寝かせるように言った。

香奈穂達の見ている前で手際よく雄二の脈や熱などを診た先生は、
「疲れが溜まって気を失ってるだけのようね。起きたらすぐに教室に戻れるから。
また頻繁に倒れたりするみたいなら、病院に行かせるようにこの子の担任の先生に伝えておくわ。」
そう香奈穂達に言うと雄二に布団を掛けて、先生はまた事務机に戻って作業の続きを始めた。

ホッと一安心した香奈穂達は、もう自分達がここに居ても出来る事は無いだろうと部屋を出ていくことにした。
そこで香奈穂は先生に呼び止められた。
「今ちょうど昼休みよね・・・悪いけど、私は職員室まで少し用があって行かないといけないの。
私が帰ってくるまでいいから留守番をお願い。」
それだけ言うと、有無を言わせず先生はすぐに部屋を出ていってしまった。
一緒に来ていた男子は、当然のように既に居なくなっていた。
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