雑記-白堂別館-

雑記なう
無職止めました。
出来ることからやってみよう

第十節

2010-04-30 06:27:24 | Dear to me
帰る準備が終わった私は、委員長と一緒に雄二君の家に向かった。
私と・・・多分委員長も、雄二君の家に行ったことが無い。
だけど二人とも住んでいる地区が近いから、行き方を聞けば大体の道は分かった。
それに先生の話によると、雄二君の家は目立っていて見つけやすいらしい。


私達は雄二君の家に行く道すがら、沈黙を紛らわせるためいろいろと話しをした。
日頃話したことがなかったので、初めはもうすぐあるテストの話題だけだったけど、段々とお互いの趣味や最近あったことで盛り上がった。
意外にも同じ小説にはまっている事が分かった。今まで周りにこの話題で喋れる人がいなかったから、これは思わぬ収穫だ。

先生から教えられていた目印を曲がると、一軒の家が目についた。
周りの今風な家の中に建つその家は、私の目にはとても浮いて見えた。
古そうな一階建ての慎ましやかお家で、『目立つ』と言っていた言葉から、恐らくここがそうなのだろう。
家の前まで行くと雄二君の名前が入った表札が取り付けてある。
インターホン押してみると奥から反応があった。
近づいて来る足音が聞こえ、玄関のドアが開く。

中から出て来たのは、見た事のない若い女の人だった。
コメント
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