人生の階段ー日々の詩に託してー

ある老婆の日々ーー

虎の敷物

2017年03月26日 | 日記

明治生まれの伯父は

昔、満州、熱河という街で

陸軍病院の院長をしていたそうで

敗戦となったときに

引き揚げが始まると

地元の住人たちが大挙してやってきて

どうか帰らないでくれと

懇願したというのです。

これは無口な伯父が語った話の一部。

でも帰らなくてはならない

とわかると

住民たちはなんと「虎の敷皮」を

贈ったのです。

戦後間もない頃、伯父の家に行くと

この虎の敷物が

広い座敷に敷いてありました

これは

日本の陸軍病院が

地元の人たちに

暖かい治療を提供していたことを

物語っています。

あの南京でも

人口が増え、穏やかな表情の

街の人たちの写真が残っているのは

ほんとのことを語って

いるのだと思わずにはいられません

あの虎の鋭い目が

そう語っています・・・

 


「かっこいい」の基準・・・

2017年03月25日 | 日記

すらりと足が長くて

鼻が高くすっきりとした鼻筋

眼はぱっちりと深く澄んでて

背は高く

波打つ金髪

これが

「かっこいい」でなくてなんでしょう。

そして

背が低く色黒で

鼻はぺちゃんこで

眼は細く開いているのかどうかさえわからない

といった若い女性を見て

「かっこいい」とみんなが言うか?

ひとは見かけではありません

「心根」というものが肝心なんですよ

はい、のとおり。

いくら「かっこいい」若者だって

裏を返せば「殺人犯」だったりしかねませんからね。

ここではそういう話ではなくてー

見た目の話なのでございます。

いったいいつどうして

あの「見かけ」の「かっこいい」の

基準は生まれたのでしょうか・・・

鼻筋がすっきり通っていることを

いつなぜ「かっこいい」と

思ってしまうのでしょう・・・

江戸時代にはなかったはずの

この「基準」は謎でございます・・・

 


奪われる・・・

2017年03月24日 | ニュース

みんなみんな同じことやってる・・・

みんなみんなうつむいて

スマホに夢中で

自分の眼の前に

赤ちゃんを抱いたひとが立っても

席を譲らない電車のなかの光景は

よく見るはめになりました。

だって「見えてない」ですから。

日本に来た外国のひとが

老人やそういう人に席を譲らない

日本人のこと

びっくりするみたい。

みんなみんな下を向いて

同じことしてる

この光景を見ていると

とりわけ若者を見ると

彼らの体からどんどん

「思考力」が抜けていくのを

見るような気がします。

スマホは「惜しみなく」思考を「奪う」・・・

これも「時代の流れ」ならば

いつかはまた

これとは違う光景になるのでしょうね。

思考を失い

世間の流行の波に乗るのを楽しみとして

生きる姿・・・

は今と変わらない

のでしょうか。

奪われたものはどうすれば

取り返せるのでしょうか・・・


友を失った話

2017年03月23日 | 日記

はるか昔のこと

高校時代の親友が自分の娘が

年頃になったときのこと

遠方に住む私に手紙を寄越しました、

「娘にいいお婿さんを紹介して」

というような文面。

一本気の私の返事は・・・

自分の子供の結婚について

親が相手を決めるなんておかしい

子供は子供で自分で決めるのではないかしら

それで友を失いました、

それ以来ぴったり手紙も賀状も来なくなりまして

おしまい・・・

になりました。

私、いまでもそう思うのです

「世間」では当然なのかもしれないし

日本では「みんな」そうしているのかも

しれないけれど

私は到底賛成できませんね、

わが子とはいえ

彼らは自分で自分たちの出会いを

大切にし

自分たちの運命は

自分たちで切り拓いていくのが

しごく当然のように思えるのですが。

というわけで

私は私の息子たちの「お相手」なんぞ

考えもしないうちに

彼らはちゃんと出会いを果たしましたね。

それが彼らの責任の重さでも

あるはずで

親はこの字の通り

木の上に立って

見ているしかないのでございますよ。

「親」という漢字はまことに

真理を表しておりますね。


二本足の・・・

2017年03月22日 | 日記

驚きました

昨夜、わが家の庭に突然

二本足の小動物が・・・

リスよりずっと大きくて

こっちをじっと見つめていました。

すばやく逃げていきましたが

オコジョか?

はじめ、オコジョとプレーリードッグを

間違えて

すわ、外来種到来か!

恐怖におびえていましたが

ちと違うような。

二本足の小動物を調べてみました

ミーアキャット、マングース、プレーリードッグ・・・

いずれもちょっと違うような。

とするとオコジョ?

一体全体あんたはだれ?

それにしても

外来小動物種襲来かと怯えた私

ましてや黒船のころ

金髪碧眼の人間を見た日本人の

驚愕やいかばかり・・・

今、老婆は二本足小動物に負けず劣らず

「外人さん」のあまりにひどすぎる

「刺青」です

ひどい、あまりにもひどい異文化・・・

あれ、オコジョから話が逸れましたね。