人生の階段ー日々の詩に託してー

ある老婆の日々ーー

石舞台の記憶

2016年10月07日 | 日記

思い出は尽きませぬ・・・

はるかな昔

飛鳥路は石舞台を目指して

とぼとぼと歩いて行きました、

行き着いてみれば゛

田んぼの中にぽつんと

いや

どっしりと

夕日の中に

ありました。

だぁれもいない田んぼです

私ら二人

田んぼのあぜ道を歩いて

たどり着き

石舞台のてっぺんに登って

葛城山に落ちる入日を眺めていました

けれど

帰りの道は桜井までが

遠くて・・・

たまたまやってきた軽トラを

運転していたご老人に

頼み込んで

乗せてもらいました

ご老人はよしよしという感じで

桜井の駅前まで乗せてくれたのでした。

しーんとしたあの

田んぼの中の石舞台は

いまはもう

入場料を払って

コンクリートできちんと整備された

真ん中にあるのです・・・

そしてしんと静まり返っていた

あの周りには

何台もの観光バスが

ひしめいております。

私はいまは「浦島太郎」

遠い記憶の持ち主はこうして

消え去ってゆくのでしょう。