今、古い我が家は改築をしています。家族が決めたことです。
その件で、哀しいような、ちゃぶ台返しのようなことを思いました。
それは、改築をしなくてもよかった みたいなことです。
大切に思っているものを、変える必要はなかったと。私はひっそり思います。
色んな物を新しく変えたからと、今までよりも幸福で満足かというと
今までの家も大切に思っていて愛しているからわからないと思いました。
木、土、縄で編んだ竹、漆喰などの自然建材で建てられたこの家は、古くても歴史を刻み、
すすけても味わいとなり、それはけっして劣ったものではない。
ガラス戸も60年以上使えているし、ドアも重厚でしっかりしています。
そして新たに施されるものが、それらよりも優れたものかというと劣っていると感じました。
それは、愛情と誇りの織り込まれた真摯な職人仕事は現代版とは比にならないというのと
歴史と愛着を刻んだものたちは、例え素材が特に上等でなくても何にも代えられない価値がある
ということです。
だから、改築をする必要はなかったと思っています。
そして、これは哀しい発見ではありますが
こう思えることは、よかったのではないかとも思っています。