古い書院造りの我が家の天井は、棹が走っていてその上に木の板や突板を張った棹縁天井が多いです。
台風の為、雨戸を閉めていて暗いけど。見えますでしょうか?こげ茶色の縦線が棹で、それに支えられるように横向きに杢板が張られています。
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〈2020.10.23挿入〉
←雨戸を開けたお座敷
縁側
棹は古いままで新しい杢板を張った
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私の部屋は棹を撤去して、フラットなクロス天井にしようと思っていました。
でも先日、英国庭園造りの業者で見たコテージで、棹縁天井=日本家屋という先入観が崩れました。
そこの船底天井も、棹縁でした。棹はこげ茶色にたっぷりと塗られていて、天井板は白に塗られていました。船底の中央(頂点)部分にも、太目の棹が通っていました。欧米の建築では、木でできた廻り縁(molding)や窓枠や棚板、壁板などには、木目を活かさずに塗料がたっぷり塗ってあるのをよく見ます。私はそれも好きです。日本式では、塗料でべた塗りせずに木目を活かすやり方が主流のように見えます。
棹縁天井=和風 という先入観がなくなり、私の部屋も棹を活かして、真白く塗った杢を張るのはどうかと思っています。木目を塗り潰すのを無粋だと言われそうだけど… 歴史を刻んできた棹は、色を塗らなくとも濃いこげ茶色になっています。あのコテージの天井は英国やドイツのような感じがして可愛かったです。
照明は、棹から電気を配線して複数点在させます。
お納戸。木目と節(ふし)を活かした杢天井。棹や柱は自然と濃い茶色になっていて塗る必要はない。柱は艶を帯び天然のニスをなしている。
こっちの方がクロス貼りよりもいいかも知れない。
クロスはどうしても経年で剥がれてくるし。90cm程の幅だから上手な人が貼らないと継ぎ目が見える。うちの音楽ルームのクロスを貼った職人さんはすごい技術の持ち主で、繋ぎ目をいくら探してもわからないんです。電気工事のお兄さんも言ってました。「滅茶苦茶上手い」って。助手の少年と2人でしていたからというのもあるかもしれません。貼り終えて私に「どうですか?」と訊かれた時、「はい、いいですね」と何気なく答えてしまったけれど、あの仕上がりは神業だと後から知った次第です。もっと感動するとこだったのでした。
クロスを選ぶ時、下地の凹凸が目立たないものや貼るのが難しくないものがいいですよね…と言うと彼は「なんでもいいですよ」と軽く言いました。余計な配慮は要らんようでした。じゃあモリスとかの輸入壁紙もいけるのか。PVCではなく本物の紙に多色刷りされた輸入壁紙は、施工が非常に難しいのです。幅も68.6cmとかで、通常のクロスより狭いです。
どうでもいいですが、私はあの職人さんに親近感を抱いていました。スマホの待ち受けが、坊主頭で汗だくで歌っているブルーハーツのヒロトだったので…*^^*