カサブランカからマラケシュまでは1等車で行きました

冷房も入るし、値段は2等車と数百円しかかわらないので、日本人の皆さんには1等車がオススメです。
チケットはこんな感じ。
140dhということは、1700円くらいですね。
行きのチケットは捨ててしまったようで見当たらないため

写真は帰りのですが、左のほうにPlace:83(座席番号)、Compart:8(コンパートメント8)、Voiture:1(1等車)と書いてあります。
ところで、1等車って、何両目にあるんでしょう?
駅員さんに聞きたかったのですが、ホームには一人もいなかったので、「まあ、乗ってから車内を移動すればいっか」と軽く考えて、適当なところで待っていました。
ガイドブックなどには、“時間にはわりと正確”と書かれていたモロッコ国鉄ですが、この日は何かあったのか、結局30分以上遅れて15時30分過ぎに到着。
なんとなく、日本の新幹線に乗るときのような気分でいたのですが、列車が到着すると、人が降りるのと入れ替わりにホームの人がドアのところにワーッと押し寄せました。ちょっと焦りつつも、私たちはスーツケースがあるし、他の人の邪魔になるからと思って最後に乗り込んだのですが、ホームから列車までの高さがとっても高く、しかも入り口が狭いのでスーツケースがどこかに引っかかってうまく乗せられません

やばい

と思いながら必死に押し上げていると、車両の中で座席に座り窓から私の姿を見ていたモロッコ人らしいスカーフをかぶった若い女の人が、パッと立ち上がって入り口のところに来て、中から私のスーツケースを引き上げてくれました。
ああ、助かった~
気持ちがいっぱいいっぱいだったので、その女性がどんな顔だったかまったく覚えていないのですが、本当に感謝です。
■車両を間違えさあ大変
その後、すぐに列車は走り出したのですが、1つ問題が。
あの~、列車のドア、閉まってませんけど・・・。
しかも、スピードがどんどん上がり、窓の外の景色が飛ぶように流れていきます。
周りにはモロッコ人らしき人もいましたが、みんなあまり気にしていない様子。
ってことは、これが普通の状態なのでしょうか?
でも、列車がガタンってなったら、スーツケースごと外に放りだされちゃいそうじゃん。
いやだよ~、こわいよ~
自分のコンパートメントに移動したくても、車両の中は人がぎっしりで、スーツケースを押して移動するのはおろか、デッキ部分から車両の中にすら入れそうにありません。
そこで、かろうじて車両の中に身体が入れている、私たちと同じようにスーツケースを抱えた日本人の女性の旅行者が2人いたので、「1等車ですか?」と聞いてみると、「1等車のチケットは、満席で買えなかったんです」とのこと
(*)。
う~ん、残念。この人たちと力を合わせて何とかしようと思っていたのですが、結局、自分たちだけでどうにかするしかないってことですね。だって、これからマラケシュまで、3時間半もこんなところに立っていたくないもん。
ない知恵を絞り、まずは先に、私が一人で自分たちのコンパートメントの場所を確認しに行くことにしました。列車内はぎゅうぎゅうでしたが、私だけなら、なんとか移動できます。
1等車はきっと先頭に違いない、と根拠もなくあたりをつけ、人をかきわけながら、まずは先頭に向かって歩き始めました。
車内はまったく冷房が入っていないのに、窓が開けれらないのかどの車両も閉めたままで、猛烈な暑さ

外は間違いなく30℃を超えていたので、この分だと、列車の中は40℃、もしかしたら50℃くらいだったかもしれません。
みんな、よく熱射病にならないな。。。。
4~5両行くと、何とか先頭車両に到着。
ちょうど車掌さんが検札をしていたので、チケットを見せると、すぐにコンパートメントに案内してくれました。そこで、車掌さんになんとか移動する手助けをしてもらおうと、自分たちは3人なのだが、後ろのほうに乗ってしまい、スーツケースがあってここまで移動できないということを身振り手振りを交えて説明すると、「残念だね」というような言葉と微妙な笑顔を残して行ってしまいました。
・・・自分でどうにかしろってことね

わかりましたよ、自力でどうにかしますよ
そう心に決め、また人をかき分けながら相棒たちのいる場所に戻っていきました。
■ご迷惑をおかけしました
やっとの思いで元の場所にたどりつくと、相棒2人はなぜか、4~5両を往復した私よりもグッタリしています。開いたドアから外に放りだされないよう、神経を張りつめていたので疲れてしまったようです。
そこで、3人で相談し、次の駅で一度列車を降りて、1両前に移動することにしました。
ところが、いざ降りようとすると、どう考えてもスーツケースを持って素早く動けそうにありません。少しためらっていると、そこのドアからは他に降りる人がいなかったため、男性が2人乗り込んできてしまい、結局、列車が走り出してしまいました。
その後、ドアが開いたまま2~3分は走っていましたが、身の危険を感じたのか、男性の1人が手でドアを閉めました。
・・・手動だったのね。
どうも最後に乗った人(つまり、カサ・ヴォワジャー駅では私)が閉めないといけなかったみたいです。
とりあえずは助かった、と思ったのもつかの間、
は、はんぱじゃなく暑い
風がまったく入らなくなって、地獄のような暑さです。
これじゃあ、ドアが開いてたほうがましだったかも。
こうなったら、何が何でも自分のコンパートメントに行かなければ、体力がもちそうにありません。次に駅に止まったときが勝負か? そんなことを相談していたら、さっき乗ってきた男性2人が、何か困っているのかと思ったらしく話しかけてきました。そこで事情を説明すると、男性の1人が「そこの通路を通って行っちゃいなよ」と言うではないですか。
そうだよね。行っちゃうか
幸い、さっきの駅である程度人が降りたようで、列車に乗ったばかりのときよりも、すこ~しばかり隙間ができています。男性2人の「Go!」という声に押され、いざ、障害物競走に出発です(この場合は私たちが障害物。乗客の皆さんが選手です)。
通路の幅は、人が壁に張り付いた状態で、スーツケースがかろうじて通れる程度。当然、通路にいる人たちに嫌な顔をされるだろうと覚悟して移動を始めましたが、あれ? なんか、みんなぜんぜん嫌な顔しない。それどころか、車両からデッキに出るドアを押さえておいてくれたり、こちらに向かって歩いてきた人が、わざわざ引き返してドアを開けて待っててくれたり、進んで手を貸してくれます。
皆さん、ありがとー
Thank youとI'm sorryを呪文のように唱えながら、約10分後には、無事、自分のコンパートメントに到着したのでした。
ああヨカッタ~
・・・つづく。
*別の日にマラケシュで会った旅行者の方も言っていました。1等のチケットは、当日入手は困難なようです。日本で旅行会社などを通じて手配しておくことをオススメします