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トルコ、タイ、マレーシア・・・次はどこに行こうかな?

女子フィギュア全員入賞:ニュース「大技決めても完敗・・・吉岡監督、採点に苦言」ほか

2010-02-28 03:46:39 | 海外ニュース、ドキュメンタリー他
こんにちは。相変わらずバンクーバーに脳内旅行中のおかぴです
28日のフィギュアスケートのエキシビションが終わったら帰国予定です(笑)

さて、今回のフィギュアスケートは、男女ともに全員入賞と、素晴らしい結果となりました。
皆さん、それにふさわしい素晴らしい滑りでした。
本当に、おめでとうございます
心からの拍手を送りたいと思います  
そして、外国人選手の皆さんも、男女ともに、いつになくレベルの高い戦いを見せてくださったと思います。
本当に見ごたえのある試合でした


ただ・・・、とてもとても残念ですが、私の中にはわだかまりも残ってしまいました
それについて、ここで書くかどうか、なかなか気持ちの整理がつかなかったので、24日のショートの後も、昨日(2/26)のフリーの後も、感想を書くことができませんでした。
男子の試合の後のブログで、私は子供の頃、フィギュアスケート選手になりたかったと書きましたが、3歳のときに父に初めてアイススケートリンクに連れていってもらって以来、スケートが大好きになり、小学校高学年の頃は、冬になると毎週のようにスケートリンクに通いつめていました。そのため、オリンピックの試合を見るのが毎回本当に楽しみで、たぶん、フィギュアファン暦はウン十年になると思います。それほどフィギュアスケートが好きだからこそ、やっぱり少しだけ、ここでそのわだかまりの理由について触れたいと思います。

が、その前に。
まずは今回、素晴らしい滑りを見せてくれた選手たちについて、日本人選手を中心に触れたいと思います。

■抜群の表現力で観客を魅了した鈴木明子選手

まず、8位に入賞した鈴木明子選手。私は、鈴木選手の表現力は、女子ではダントツだと思います  というか、私好みです。ショート、フリーともいくつかミスはありましたが、それで崩れることなく、終始笑顔を浮かべて、躍動感あふれる演技で最後まで自分らしく滑りきった姿は、国境を越えて多くの人に感動を与えたのではないでしょうか。ショートプログラムは浅田真央選手、キム・ヨナ選手という金メダル候補のスター選手が滑った直後、会場が異様な熱気に包まれる中という非常に不利な滑走順でしたが、プレッシャーに屈せず自分の世界を表現した姿に、会場からも大きな拍手が送られていました。普通、あれだけの選手が滑った後だと、直後の選手が色あせて見えてしまい、拍手もおざなりだったりするのですが、鈴木選手は間違いなく観客を惹きつけていましたし、送られた拍手は心からのものだったと思います。
特に、フリーのストレートラインステップでは、オリンピックという大舞台を心から楽しんでいるという気持ちがあふれていて、とても胸を打たれました。

■メンタルの弱さを乗り越えた安藤美姫選手

安藤選手は唯一、2回目のオリンピックでしたが、ずっと言われていたメンタル面の弱さを、今回のオリンピックでは見事に乗り越えていましたね  金メダルを目指してショートプログラムでは3回転の連続ジャンプに果敢に挑戦し、残念ながら2回目のジャンプが乱れて結果的に2回転の認定になってしまいましたが、その後は冷静に他の要素を滑りきりました。安藤選手自身が「苦手」と言っていた表現面については、以前は腕をぶんぶん振り回して、やや雑な印象がありましたが、今回は練習の成果が見事に現れていて、指先まで神経が行き届いていたように思いました。
フリーでは、今季、確か5着目(今季は一度として同じ衣装を着てないですよね、たぶん)の衣装に身を包み、クレオパトラの気高さをよく表現していたと思います。安藤選手の衣装はいつもすごく凝っていて、毎回とても楽しみにしているのですが、今回もとても素敵でした(個人的には3着くらい前の、ベースが青の衣装が一番好きです )。ジャンプなどに少しミスは見られましたが、全体的には、ショート、フリーともに今季一番の滑りだったと思います。それをオリンピックに持ってこられたといのは、やはりすごいことだと思います。

■大きな成長を遂げた長洲未来選手

実は私、安藤選手の演技と得点を見て、4位は安藤選手だと思っていました。ですが、後で結果を見たら、4位に長洲未来選手が入っていてビックリ  長洲選手の試合は、今季はまだ一度も見ておらず、試合当日はビデオでとりあえず日本選手3人とキム・ヨナ選手、ジョアニー・ロシェット選手しかチェックしていなかったので、長洲選手がどんな滑りだったのか、まったく知らなかったのです(ちなみに、長洲選手はアメリカ育ちの日本人で、日本とアメリカの両方の国籍を持ち、アメリカ代表としてオリンピックに出ています)。
ですが、去年までの長洲選手は、とても将来有望な選手という印象はありましたが、演技がまだまだ荒削りで、シニアの大会ではジャンプにもミスが多く、いまはまだオリンピックのメダル争いに絡んでくるレベルではないと思っていました。むしろ、今回のオリンピックには出られませんでしたが、実力では長洲選手のライバルである、パールスピンでおなじみのキャロライン・ジャン選手の方が上なのではないかと思っていたのです。
しかし、今回の試合を見て、長洲選手の4位という順位にとても納得しました。むしろ、3位でも不思議ではないくらい。これからますます大きくなるであろうプレッシャーに打ち勝って、あのあっけらかんとした明るい性格のままでいられれば、今後は確実に上位争いに絡んでくるでしょうから、ますます試合が面白くなりそうです。

■母の死を乗り越えて滑りきったジョアニー・ロシェット選手

ジョアニー・ロシェット選手は、お母様を試合直前に亡くされ、本当にお気の毒でした。心よりご冥福をお祈りいたします。そして、特にショートプログラムでは、計り知れない苦しみを乗り越え、よくぞノーミスで滑りきったと思います。やっぱり、世界で活躍する選手というのは、なんというか、いろんな意味で強いですね。スケート選手としては、私はまったく好きなタイプではないのですが、人間としては尊敬に値する選手だと思いました。ただ、むしろ試合が終わった後が心配。張りつめていた糸が切れてしまったら、心が折れてしまわないでしょうか? ぜひ、これからも選手として活躍を続けていただきたいと思います。

■3回のトリプルアクセルを決め、歴史的快挙を成し遂げた浅田真央選手

浅田真央選手は、私にとっては、今大会の女子で一番です。誰が何と言おうと、全選手の中で一番素晴らしかったです。確かに、完璧だったショートに対し、フリーではジャンプで2つ、ミスをしてしまいました。後のほうのミスは不運でもありました。ですが、これまで女子では誰も成し得なかった、ショートとフリーでトリプルアクセルを3回決めるという偉業を達成し、何より、その困難に挑戦しようという気持ちこそが、アスリートとして本当に立派です(トリプルアクセルがどれほど難しいかというと、4回転を跳べる男子でも、苦手とする選手が多いしミスも多いジャンプです。伊藤みどりさんがオリンピックで成功させて以来18年間、女子では誰も成功させていなかったジャンプです)。

オリンピック前のインタビューで、浅田選手は「毎年少しでも難しい技に挑戦していかなければ、アスリートとして意味がないと思う」というようなことを話ていました。そして実際に、これまで毎年、必ず前の年よりも難易度の高いプログラムに挑戦し、最終的にはいつもそれを自分のものにしてきました。プログラムの内容が難しい分、ステップやジャンプに荒さが出ることもあり、今季に至っては、シーズン前半はことごとくジャンプが決まらず、グランプリファイナルに出場すらできませんでした。確か、グランプリシリーズのロシア大会だったと思いますが、5位という、考えられない成績に終わり、泣きはらしたうつろな目でインタビューに答えている姿を見たとき、正直言うと私は、オリンピックどころか、真央ちゃんは今シーズンはもうダメかもしれないと思っていたほどです。

もちろん、これまでの実績はダントツですから、もしあのままスランプだったとしても、オリンピック出場枠3枠のうちのスケート連盟の推薦枠で、オリンピックには当然出場していたはずです。しかし、12月に行われた全日本選手権では、まだ危うい面はあったものの、見事にプログラムを自分のものにして優勝し、自分自身の力でオリンピックへの切符を手に入れました。この芯の強さ、絶対に諦めない気持ち、自分を信じる強い心、どんな言葉で表現したらいいかわかりませんが、超一流のアスリートであることは間違いありません。

だから、ショートプログラムを滑り終えて、嬉しそうにピョンピョンと飛び跳ねる姿を見たときは、私も嬉しくて涙が出ましたし、フリーを滑り終えて打ちひしがれた顔や直後のインタビューを見たときは、かわいそうで涙が出ました。できることなら、順位はともかく、ショートのときのような納得と満足の笑顔で終わらせてあげたかった。真央ちゃんにはやっぱり、笑顔が一番似合いますからね。

でも、浅田選手は本当に強いです。“浅田「ソチ五輪目指す」=銀メダルは「すごく嬉しい」”という記事にコメントが出ていますが、すでに気持ちを切り替え、次のオリンピックを目指すと明言しています。浅田選手は、まだまだ発展途上。今回は力を出し切れませんでしたが、いままで重ねてきた努力は、すべて糧になっているはずです。これまで、やると言ったことはすべて成し遂げてきたその強い気持ちで、今度こそ、金メダルをつかみ取ってほしいと思います。

■ショート、フリーともにノーミスで金メダルをつかんだキム・ヨナ選手

今回、上位選手では、ショート、フリーともにノーミスだったのは、キム・ヨナ選手だけかもしれませんね。国を挙げての注目度は日本の比ではないでしょうし、ものすごいプレッシャーだったと思いますが、よくあれだけ精神状態を保てたものだと思います。そして、あの3回転の連続ジャンプの高さと回転スピードは、間違いなくピカイチでしょう。演技構成も、とてもよく練りこまれていたと思います。金メダルというのも納得です。
ですが、本当に残念なことに、心の底から「すごかった 感動した」とは言えないのです。私は別に、日本人選手かどうかに関係なく、好きな選手は好きなのです。例えば、今回出場していませんが、トリノの銀メダリストであるアメリカのサーシャ・コーエン選手の表現力は、いまの全女子選手の中でダントツだと思っていますし、ロシアのスルツカヤ選手も可愛くて大好きだったのです。それだけに、素直に喜べないのは本当に残念なことです。

なぜなら、キム・ヨナ選手にフリーで「150点」という点数が出たから。

150点というのは、男子の上位選手並みの点です。つまり、男子並みのプログラムを組まなければ、出せない点なのです。いくら技や演技の完成度が高いと言っても、キム・ヨナ選手のプログラムや演技内容からいって、ちょっと考えられないほどの高得点なのです。実際、キム・ヨナ選手自身が「(自分の点は)130点か140点だと思った」とコメントしています。これは、謙遜ではなく、恐らく本音でしょう。だって、同じ選手が、数か月前に自己最高のトータル210点を出したばかりなのに、なぜ今回、それを18点近くも上回れたのでしょうか? 自己最高を出したときの試合も見ましたが、そのときと比べて目を見張るほど今回のオリンピックがすごかったわけではないのに。それに、すでにかなり技や演技の完成度の高い選手が、そんなに簡単に自己ベストを18点も上回れるものなのでしょうか? 伸びしろのものすごく大きな下位選手ならともかく。

もちろん、私は、キム・ヨナ選手が悪いと言っているわけではないのです。でも、ここ最近のフィギュアの採点方式にどうしても納得がいかないため、素直に“おめでとう”という気持ちになれないのです。

■高難度な技が評価されない現行の採点方式

私があれこれ言っても、所詮素人ですから説得力はないと思います。ですから、なぜ納得できないのか、それについて、かつて男子でミスター4回転と言われた元フィギュア選手のエルヴィス・ストイコ氏が、男子フィギュアの結果についてコメントしたものを日本語に翻訳されて掲載されている方のブログがありますので、そのストイコ氏のコメントをお読みいただくのが一番かと思います(女子にもまったく同じことがあてはまるので)。なんと言っても、一番フィギュアを分かっている方ですから。

それから、「大技決めても完敗・・・吉岡監督、採点に苦言」、「高難度な技を決めても勝てない採点システム」という記事もあります。

また、確か、今日(もうとっくに昨日か・・・)の朝日新聞に、プロスケーターの八木沼純子さんが「浅田選手があんまり簡単にトリプルアクセルを跳ぶから、どれだけすごいことかみんな気づいていないのかもしれませんね」というようなコメントをしていました。

このほか、Nereide Design Blogという、タイムリーな話題について考えることをテーマとした一般の方のブログもご紹介します(この問題に関する記事へのアクセス数がすごいらしく、つながりにくいので、もしつながらない場合は画面の更新をしてみてください)。今回の女子SPの結果に対する多くの元選手たちのコメントが載せられています(ニュースソースも示されています)。写真や点数などを詳細に提示されており、なぜ、私が150点という点数に納得できないかということが、明確に示されています。

さらに、ちょっと前の話になりますが、一般のフィギュアファンの方が、キム・ヨナ選手が昨年、210点という世界最高得点を出したときに、その得点について考察している「キムヨナ選手の世界最高得点の意味を考える」というブログがあります。こちらには、現在の採点方式への疑問が非常に分かりやすく書かれています。

ところで、フリースケーティングで150点というのがどれほどすごい点かというと、

・男子で8位に入賞した小塚選手とほぼ同じ点数
 *男子は女子よりも、フリーの時間が30秒長く、ジャンプ要素が1つ多い。そして、小塚選手は4回転ジャンプを成功させている。にもかかわらず、ジャンプの要素が1つ少なく、4回転もトリプルアクセルも決めていないキム・ヨナ選手に150点が出た。ちなみに、銅メダルの高橋大輔選手のフリーの得点は156点台。4回転-3回転の連続ジャンプとトリプルアクセルを2回決めた銀メダルのプルシエンコ選手が確か165点台。キム・ヨナ選手のフリーとの点差はわずか15点程度。自己最高記録を18点も上回れるというのがいかにすごいことか、この点差を見ても分かる。

・キム・ヨナ選手の一番の大技3回転の連続ジャンプは跳ばなくても優勝できる
*キム・ヨナ選手の一番の大技である3回転の連続ジャンプは、基礎点10点、加点2点がついても合計12点。浅田選手との点差は約23点。ショートの点差5点を差し引いても点差は18点。3回転の連続ジャンプのほかに、もう1つ何かの要素を抜いても優勝できたということ。最も大技を跳ばなくても勝てるなんてことがありうるのか? 逆に、もし浅田選手が完璧に滑っても、恐らくキム・ヨナ選手が3~4回くらい転ばないと勝てなかったと思われる。果たして、それほどの差が二人の間にあったのか?

こういう不審を招く最大の原因は、「加点」にあると思います。明確な加点基準というものはなく(減点には基準がある)、審判の裁量ひとつで決まってしまうことが、疑問だらけの採点につながってしまう理由だと思います。しかも、採点基準はしょっちゅう変わるし、そもそも現行の採点基準には以前から疑問の声が多かったのも事実です。もちろん、現行の採点基準で戦わなければならないわけですから、負けは負けで仕方ありません。ライサチェク選手やキム・ヨナ選手のように、高難度な技を避けるというのも、それはそれで一つの選択肢だと思います。ですが、審判が匿名だったり、難しいリスクのある技に挑戦することがばかばかしくなってしまうような今の採点基準に問題があるのは明らかで、選手のためにも、誰かが声を上げていかなければならないと思いました。

・・・ということで、思わず気合が入ってしまい、気づけばもうすぐ午前4時。これまでにない長さになってしまいました。最後までお付き合いいただいた方がもしいらしたら、ありがとうございます

高橋らメダリストたちが「守った」もの

2010-02-21 00:22:24 | 海外ニュース、ドキュメンタリー他
2月19日(金)、バンクーバーオリンピックで男子フィギュアスケートのフリースケーティングが行われ、高橋大輔選手が見事銅メダルを獲得しました~ 男子ではオリンピック初のメダルで、まさに快挙です
また、織田信成選手も7位、小塚崇彦選手も8位に入賞し、日本人選手は全員入賞を果たしました  
それにしても、10年前にはフィギュアスケートで、特に男子で、日本がこんなに強い時代が来るなんて誰が予想したでしょうか? 昔の男子は王子様みたいな衣装を着ている人が多く、当然ながら日本人にはまったく似合わないので、技術云々以前に外見からして無理があるし、日本が強くなることはないんだろうなぁなどと思ったりもしましたが、いまや日本は、世界随一のフィギュア大国になったと言っても過言ではないと思います(フィギュア人口はそれほど多くないと思いますが・・・)。

それにしても、今回の男子フィギュアのメダリストほど、それぞれのカラーがはっきりと分かれたオリンピックはかつてなかったのではないでしょうか。詳しくは「高橋らメダリストたちが“守った”もの」という記事をお読みになればお分かりいただけるかと思いますが、それぞれにまったく違う方向性を追究し、そして、そのすべてをオリンピックで出し切ったのです。

安全策をとったライサチェク選手

まず、金メダルを取ったエバン・ライサチェクは、より正確で確実な演技を目指しました。4回転ジャンプを封印し、長い手足を効果的に見せる振り付けをし、かつ、「慎重に、慎重に」という心の声が聞こえるほどの慎重な演技で、プログラムを完璧に滑りきりました。その代わり、演技に勢いがなかったように思いましたが、あのプレッシャーの中で完璧に滑りきれたというのは素晴らしいことだと思います。

4回転ジャンプにこだわったプルシエンコ選手

対照的に、銀メダルのプルシエンコ選手は、何よりも4回転にこだわりました。ライサチェク選手が早くから4回転を跳ばないと宣言していたため、記者会見では「4回転を跳ばないなんて男じゃない」というようなことを言ってけん制したり。スポーツは常に進化し続けるべきで、4回転というのが男子フィギュアスケートで最高の技であるなら、それに挑戦しなければ進化が止まってしまうという考えがあったようです。そのため、試合でも4回転-3回転の連続ジャンプを決めていましたが、それ以外のエレメンツでは、技の切れがいまいちで、細かいミスも目立ちました。にもかかわらず、銀メダルというのはさすがです。

 自分の最高の滑りを目指した高橋選手

銅メダルの高橋選手が目指したのは、いま自分ができる最高の滑りで金メダルを取ること。そして、お客さんの印象に残る演技をすること。当然、最高の滑りの中には4回転が含まれます。そして、オリンピックでは、果敢に4回転に挑戦し、転倒してしまったものの、一番生き生きと、のびのびと、高橋選手の持ち味である素晴らしい表現力を存分に発揮してくれました。トリノでは、最初の4回転ジャンプに失敗してから、あとのジャンプをことごとく失敗し、メンタルの弱さをさらけ出しましたが、今回は決して引きずることなく、精神面でも大きく成長したことを証明したのです。同じ日本人としての贔屓目はもちろんあるでしょうが、私は、全選手の中で、自分をすべて出し切った高橋選手が一番素晴らしかったと思います。目指した金メダルには届きませんでしたが、ここに至る道のりそのものが金メダル級の素晴らしさでしたし、色は何色でも関係ないと心から思いました。

高橋選手が怪我から復帰して、スケートリンクでの練習を開始したのが確か昨年5月。そのときの映像には、リンクに恐る恐る足を踏み入れる高橋選手の姿が映し出され、正直、とてもショックでした  かつては公式試合で世界最高得点をたたき出し、1つのプログラムで2回も4回転ジャンプを決め、また、ステップと表現力は世界一と評価され、この分ならオリンピックでの金メダルもまったく夢ではないと本当に楽しみにしていた矢先の大怪我。もうオリンピックに出ることすら無理かもしれないという状態からつかみ取った銅メダルは、高橋選手にとっても金メダル以上の価値のあるものに違いありません。


ハイレベルな男子フィギュアの今後は・・・

いずれにしても、今回のオリンピックは、かつてないほどのハイレベルな戦いでした。4位のランビエール選手、5位のジョニー・ウィア選手も素晴らしい滑りで、上位5人については、誰が金メダルを取ってもまったくおかしくない実力の持ち主です。また、今回は大きなミスを犯し、12位に甘んじてしまったフランスのブライアン・ジュベール選手も、本来なら金メダル争いに絡んでくるはずでした。そのほかにも、カナダのパトリック・チャン選手、アメリカのジェレミー・アボット選手、日本の織田選手、小塚選手も、確実に力をつけています。一度引退して復帰したプルシエンコ選手やランビエール選手がこのまま現役を続行するのかどうかはわかりませんが、男子フィギュアからはこれからも目が離せません

24日はいよいよ注目の女子フィギュアショートプログラム

さて、いよいよ24日は女子ショートプログラムが行われます。注目はもちろん浅田真央選手ですが、現在、金メダル候補と言われているのは

・韓国のキム・ヨナ選手
・カナダのジョアニー・ロシェット選手
安藤美姫選手

の3人がいます。いまのところ筆頭は、3回転の連続ジャンプと技の完成度の高さが武器のキム・ヨナ選手ですが、浅田選手は3回転半が決まれば、金メダルは決して夢ではありません。
また、イタリアのカロリーナ・コストナー選手も、ジャンプが決まれば上に挙げた4選手を十分に脅かす存在ですし、さらに、鈴木明子選手も、実力を出し切れればメダルは夢ではありません。すごいのは、実は日本人選手は、これまでの実績から言っても3人全員が金銀銅を独占できる実力があるということです。本当に楽しみです。

それにしてもこのブログ、旅行ブログという本来の趣旨からずいぶん外れていますが、現在オリンピック会場に脳内旅行中ということでご容赦くださいませ

高橋大輔「今季、一番の演技」でSP3位

2010-02-18 12:24:30 | 海外ニュース、ドキュメンタリー他
フィギュアスケート好きの皆さん、昨日(2/17)の男子ショートプログラムはすごかったですね

Yahoo!の「高橋大輔“今季、一番の演技”でSP3位」という記事の中でも、高橋選手の晴れ晴れとした表情の写真が出ていましたが、仕事から帰ってビデオで改めて高橋選手の演技を見て、胸が熱くなりました(夜10時半過ぎだったのに、ニュースと併せて繰り返し3回も見ちゃいました)。
2008年に、前十字靭帯断裂と半月板損傷というニュースを聞いたときには、こんなタイミングじゃオリンピックに間に合わないんじゃないか と本当に心配しましたし、今シーズンが始まった最初の頃は、フィランディア杯で優勝したものの、さすがにジャンプも危なっかしく、演技も一つひとつ確認しながら丁寧に滑ることだけを心がけているような感じで、かつての躍動感は見られず、オリンピックでベストの状態で滑るのは無理なのかと思っていましたが、よくぞあそこまで調整できたものだと、ただただ感心しました

上位3人については、ショートプログラムの点差はほとんどないようなものなので、最もプレッシャーのかかる1位でフリーに進むよりは、3位というのはすごく良い位置につけていると思います(この流れ、トリノの荒川静香選手の試合を思い出しますね~)。

正直言って、語りたいことは山ほどあり、たぶん1日中でも男子フィギュアについて語れそうな気はしますが  ほとんどの人がそこまで関心もないかと思いますので、ほどほどにします

ですが、今回のショートプログラムの結果を受けて、明日のフリーは俄然面白くなってきました。

■SP1位はロシアのプルシエンコ選手

まず、ロシアのプルシエンコ選手ですが、2年ほど前にアイスショーを観に行ったときにはお腹がぽっこりしてだいぶ太ってしまい、すっかり“おじさん”ぽくなっていて、スポーツ選手って現役を辞めるとこんな風になっちゃうんだ  と驚きましたが、現役復帰にあたり、80kgあった体重を10kgほど絞ってきたそうです。プルシエンコ選手は、奥様のすすめで現役に復帰したそうですが、もしかしたら奥様は細身の人の方が好きなのかも。
まあ、そんなことはどうでもいいですが、でも現役を3年間も離れていたのに、昨年のグランプリシリーズのロシア杯ではいきなりものすごい高得点をはじき出し(たしか240点くらいだったような?)、存在感を見せつけたのはさすがです。

ただ、昨日のショートを見た限りでは、確かに4回転は決めましたが、トリノで金を取ったときの迫力や技の切れがなかったような気がしたんですけどね・・・。個人的には、プルシエンコ選手は技の精度の高さで得点を稼ぐタイプで、すごいけど、面白味に欠けるというか、あまり好きなタイプの選手ではないので、プルシエンコ選手が優勝したら、ちょっとつまらんな~と思っています。

■SP2位はアメリカのエヴァン・ライサチェク選手

実を言うと、ライサチェク選手のプログラムを見るのは、昨日のショートが今季初めてだったので、結果だけを見ていたときは、ライサチェク選手が2位というのは正直結構驚きました。4回転は跳べるけど、演技が全体に大味で、長い手足を持てあましているような印象だったのですが、今回のプログラムはその長い手足をうまく生かした演技になっていたように思いました。
そしておそらく、今回の成功のポイントは、“4回転の封印”というのが大きかったように思います。

昨日の、フランスのブライアン・ジュベール選手を見てもわかるとおり、4回転は選手にとって、精神的にも肉体的にも負担が大きく、万が一失敗すると演技全体に大きく響いてしまうという非常に大きなリスクがあります。ですが、最近では4回転を跳べる選手がとても多くて、しかもプルシエンコ選手が戻ってきたので、“4回転を跳ばなければ優勝はあり得ない”ぐらいな雰囲気がありました。

そんな中で、ライサチェク選手は思い切って4回転を封印し、代わりに他の演技の内容を高め、しかも、精神的に“4回転を跳ばなくていい”という余裕を持って試合に臨んだのは、まさに作戦成功  ということだったんだと思います。

■その他のオススメ選手たち(私の独断と偏見です)

さて、上位3選手の争いがフリーのみどころであるのは当然なのですが、この3人を含む最終組6人については、まだ全員にメダルの可能性が残されていると思います。
ちなみに、私は4回転を跳べるとかそういうことよりも、“踊る心”を持った選手が好きなので、上位3人の中では、というより男子選手の中ではダントツで高橋選手が好きなのですが、そのほかで楽しみなのは、

・スイスのステファン・ランビエール選手
・アメリカのジョニー・ウィア選手

ランビエール選手は“世界最高のスピン”を誇る選手ですが、それだけではなく、あの端正なたたずまいとすばらしい表現力は必見。ただ、プログラムによって、良さがすごく引き出されているときとそうでないときと、ややムラがあるんですが・・・。実は今季のフリーのプログラムはまだ見たことがないので、明日、どんな演技が見られるのか、本当に楽しみです。

ジョニー・ウィア選手は、黒にショッキングピンクをポイントに効かせたショートの衣装が本当にかわいくて、とってもよく似合ってましたし、今季のプログラムもすばらしく、女子選手以上に“女の子の色気”を感じさせる選手です。フリーはメイクと衣装がこれまた素敵なので、楽しみです

ちなみに、織田選手も、今季のフリープログラムは、これまでの織田選手のすべてのプログラムの中で一番織田選手らしさのある良いプログラムだと思うので、十分にメダルを狙えると思います。小塚選手も8位と大健闘なので、一つでも順位を上げるよう、頑張ってほしいです。

★17日のショートプログラムの結果は コチラ

★19日のフリープログラムの滑走順は コチラ


オリンピック開幕 女子モーグル上村愛子さんは4位

2010-02-14 17:14:52 | 海外ニュース、ドキュメンタリー他
バンクーバーオリンピックがついに開幕しました
事前情報では、雪がとても少ないということだったので、本当に開催できるのか? と心配していましたが、無事に始まってよかったです。子供のころの夢が“フィギュアスケートの選手になること”だったフィギュア好きの私としては、17日から始まる男子シングルと24日から始まる女子シングルが本当に楽しみ  でも、残念ながら平日なんですよね~ ソワソワして仕事が手につかなそうな予感・・・。


ちなみに、日本時間の今日(14日)未明には、スキージャンプ個人のノーマルヒルが行われ、伊東大貴選手が15位、葛西紀明選手が17位との結果となりました。まだラージヒルも残っているので、がんばってほしいです。

また、今朝9時半~予選が、12時半~決勝が行われ、メダルが期待された女子モーグルの上村愛子選手は、残念ながらメダルを逃し4位でした。
私自身は正直言うと、モーグルという競技そのものにはあまり興味がなかったので、過去3大会の上村選手の試合はすべて見ていたものの、なぜ彼女がメダルを取れないのか理由がよく分からなかったのですが、今回のオリンピック前にモーグルの点数配分や、競技のポイントをチェックしてから試合を見たところ、なんとなく理由が分かりました。

素人目には派手なエア(ジャンプをして空中で回転するなどのパフォーマンス)に目がいってしまい、そのため特に前回大会では、女子では誰も挑まなかった大技を見事に成功させた上村さんの5位という結果は不思議に思えたのですが、実はモーグルの点数配分は、以下のようになっているのです。

・ターン点  満点15点(全体の50%)
・エア点   満点7.5点(全体の25%)
・スピード点 満点7.5点(全体の25%) *Wikipediaより

つまり、あの大きなコブの間をいかにまっすぐ滑るか、きちんとしたターンを行っているか、いかに上体が乱れずに膝でコブを吸収しているか、といった部分が最も重要で、ここにスピードを加えると、キレイに速く滑り降りるということが全体の75%を占めているんですね  そうなると、エアはリスクが高いわりにあまり点に結びつかないということで、大技に挑むメリットは、それほど感じられません。

そのため今回は、上村選手もターンに力を入れて練習に取り組み、大会でも美しくかつ無難な滑りを見せていました。

・・・そうなのです。上位3選手と比べると、あくまでも無難な滑りという印象で、圧倒的なスピードも、人一倍切れの良いターンも、他の人ができないエアも、何より金メダルに向かっていくぞ という迫力もなくて、4位という順位がとても順当なものに思えました(あくまでも素人の私の印象ですけど)。
それに比べると、長野で金メダル、ソルトレークシティで銅メダルの里谷多英選手は、決勝では途中で転倒して19位との結果にはなりましたが、ターンのスピードと迫力は“さすが”と思わせるものがありました。予選通過は13位でしたが、あの目つきと迫力は、金メダルを狙ってのものだったように思います。

それにしても、4大会連続で出場し、7位、6位、5位、4位と、入賞を続けている上村選手は本当にすごいと思います。次回大会の時にはおそらく34、35歳くらいになっているんだと思いますが、今日の大会を見ていたら、外国人の選手には30代の人もたくさんいたし、ぜひ次も金メダルを目指して挑戦して欲しいです。

ノロウイルス!?

2010-02-14 15:24:31 | 国内、出張、グルメ他
こんにちは。ひさびさの更新です。
実は先週の水曜日(2/10)から体調を崩していました
しかも、その2日前に一緒に取材に行ったTM氏もほぼ同じ症状だったそうなので、おそらくウイルス性の急性胃腸炎、ノロウイルスとか、そんなやつをどこかでもらってきちゃったのでしょうね~。実際には、病院に行っても検便や血液検査をするわけでもなかったので、何のウイルスかは分からなかったのですが・・・。
冬場は感染しやすいそうなので、皆さんも十分に気をつけてくださいね  
と言っても、食べ物が汚染されてたら防ぎようがないんですけど  予防対策は、十分な手洗いくらいでしょうか?

今回、症状が出てきたときには気分が悪すぎてとても病院に行ける状態ではなかったのですが、症状の激しさから、恐らく風邪からくるものではないな、という印象がありました。そこで真っ先に思いついたのが先ほど挙げたノロウイルス。たまたま昨年、弟一家がノロウイルスに感染し、大変だったという話を聞いていて、その症状に似ていたので、病院に行くかわりにインターネットで対処法を調べてみました。
一番驚いたのは 「下痢止めを飲んではいけない」 ということ。
お腹の中にウイルスを溜め込んでしまうと、病状が悪化して、ひどい場合は死にいたることもあるというではないですか  ノロウイルスは症状がひどい割にはたいした病気ではないと思っていたのですが、対応を一歩間違えれば命にかかわることもあるんですね

ただ、逆に言えば、どうにかして病院に行ったとしても薬はもらえず(ビオフェルミンなどの整腸剤は飲んだ方がいいそうです)、水分と栄養補給のための点滴くらいしかすることがないということだったので、がんばって水だけは飲み、後はお腹の痛みと気分の悪さにひたすら耐えていました(私の場合は、何とか自力で歩けるようになった発症2日後に病院で点滴を受けてきました)。

まあ、入院するような事態にならず、よかったです。

ちなみに、対処法については国立感染症研究所のホームページを参考にしました。
もちろん、病院に行けるなら病院に行くのが先決ですけどね、あくまでも。