講演には、子供からご高齢の方まで幅広い年齢の方が聴講された。競争率が4倍だったとのことで、この席にいられるのはラッキーなことであると思いました。
さて、内容は新海監督が「君の名は。」の映像を使って解説された。まだ、映画を見ていない人には種ばらしになってしまったかも。(∩´∀`∩)
物語のコンセプトともいえる「ログライン」、つまりは話の内容を数行の文章でまとめたもの。・・・これがどのように構成されているかということである。
「君の名は。」では、二つのログラインにより構成されているということであった。
① 夢の中で入れ替わって出会った二人の少年少女が、現実に出会う話。
② 夢のお告げを受けた少女が、人々を災難から救う話。
<あの隕石が落ちてくる瞬間は、確かこんなような感じでは?>
<そして輝く隕石はこんな感じ?>
「主人公たちは行って帰ることを反復して少しずつ成長していく。」という話と、「結び」により、人々はつながり、そして過去からも生命がつなっがているということである。
おお!これどっかで習ったような話じゃん?
ここで、ウーン感じたのは「そうだ!あれだ。」ということでヘーゲルの弁証法の「螺旋的発展」の法則を連想した。実は、新海監督はこれを認識していたのではないかということでした。
簡単にいうと、世の中のすべてのものごとの進歩や発展は、右肩上がりに一直線に進歩・発展していくものではない。
あたかも螺旋階段を登るように、ジグザグに進歩・発展していく。螺旋階段を上がる人を横から見ると、下から上に登っていきます。この螺旋階段を上から見ると、一回りするともとの位置にもどったかのように見える。しかし、もとの位置にもどったわけではありません。一段と高い位置に登っている。・・・というようなことです。哲学的な話はこのくらいにしないと。かた苦しくなったので終わります。
<螺旋階段のように発展する。>
<螺旋階段を上から見ると、垂直位置は下の階段と重なりながら、水平位置は繰り返しながら、上部に達する。>
<片方に振れすぎたものは、振り子のように必ず反対側に振れかえす。>
右に振れれば左に、上がれば下がる。・・・こんな社会現象はありませんですかね?
どうでしょう話の運び方が、昔話の形を持ちながら、現在への再現というか再興させるような発展がみられたように、感じてお話を聴いていました。
また、この作品が特に女性に人気があるのは、作品の感性もですが、新海監督の清潔なイメージもその一因なんでしょうね。