ベースとヴォーカル担当のロジャー・ウォータースは、よくフロイドの頭脳と言われていた。
つまりは、一時期、ピンク・フロイドというバンドは、ロジャーの立てたコンセプトそのままに活動をしていたわけである。
ちなみに、頭脳がロジャーならば、肉体は誰なんだという話になるが、個人的には、それはギターのデイヴ・ギルモアだと思っている。
さて、この「アニマルズ」は、「狂気」や「ザ・ウォール」という大ヒットしたアルバムの狭間に発表された、今となっては、あまり顧みられることも少ないアルバムではあるのだが、そんな頭脳であるロジャー・ウォーターズの個性が最も発揮されたアルバムではないか、と思っている。
で、このアルバムで発揮されている彼の個性とは、つまりは共産主義者であるということである。
この「アニマルズ」というアルバムは、資本家=豚、官僚=犬、労働者および一般市民=羊という動物に例えて、演奏が展開される。
その例え方は、あまりに安直すぎる気がするし、そのあまりの工夫のなさが、世間一般のこのアルバムの評価をイマイチなものにしてしまっていることの一因であるような気はする。
音楽的には、非常に直接的で攻撃的な音で、それまでのフロイドの音楽に見られた幻想的や宇宙的な印象を持つような音は、微塵も感じられない。
それだけに、それまで幻想的なものや宇宙的なものを演出するために重要だったキーボードのリック・ライトが活躍しているような場面は、すっかりなくなってしまっている。
このあたりが、のちにバンドへの貢献度が低いとクビになってしまうリック・ライトの運命を暗示しているようで面白い。
リック・ライトの代わりに大活躍しているのは、ギルモアのギターである。
彼のギターは、いささかアコースティックな感じを与える部分もあるが、いつになく激しく攻撃的な演奏を繰り広げていて、聴きごたえがある。
楽曲一曲一曲の演奏時間は長いとはいえ、全体的に、よく言えば素直な、悪く言えば安直で単純な楽曲が並び、プログレという音楽ジャンルを代表するバンドのアルバムとしては、プログレらしさを感じさせる要素が少ないアルバムになってしまっているが、それだけに一般的には聴きやすいアルバムになっているのではないだろうか。
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つまりは、一時期、ピンク・フロイドというバンドは、ロジャーの立てたコンセプトそのままに活動をしていたわけである。
ちなみに、頭脳がロジャーならば、肉体は誰なんだという話になるが、個人的には、それはギターのデイヴ・ギルモアだと思っている。
さて、この「アニマルズ」は、「狂気」や「ザ・ウォール」という大ヒットしたアルバムの狭間に発表された、今となっては、あまり顧みられることも少ないアルバムではあるのだが、そんな頭脳であるロジャー・ウォーターズの個性が最も発揮されたアルバムではないか、と思っている。
で、このアルバムで発揮されている彼の個性とは、つまりは共産主義者であるということである。
この「アニマルズ」というアルバムは、資本家=豚、官僚=犬、労働者および一般市民=羊という動物に例えて、演奏が展開される。
その例え方は、あまりに安直すぎる気がするし、そのあまりの工夫のなさが、世間一般のこのアルバムの評価をイマイチなものにしてしまっていることの一因であるような気はする。
音楽的には、非常に直接的で攻撃的な音で、それまでのフロイドの音楽に見られた幻想的や宇宙的な印象を持つような音は、微塵も感じられない。
それだけに、それまで幻想的なものや宇宙的なものを演出するために重要だったキーボードのリック・ライトが活躍しているような場面は、すっかりなくなってしまっている。
このあたりが、のちにバンドへの貢献度が低いとクビになってしまうリック・ライトの運命を暗示しているようで面白い。
リック・ライトの代わりに大活躍しているのは、ギルモアのギターである。
彼のギターは、いささかアコースティックな感じを与える部分もあるが、いつになく激しく攻撃的な演奏を繰り広げていて、聴きごたえがある。
楽曲一曲一曲の演奏時間は長いとはいえ、全体的に、よく言えば素直な、悪く言えば安直で単純な楽曲が並び、プログレという音楽ジャンルを代表するバンドのアルバムとしては、プログレらしさを感じさせる要素が少ないアルバムになってしまっているが、それだけに一般的には聴きやすいアルバムになっているのではないだろうか。
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