もしこれが、あの40年もファンの間に夢を抱かせ続けた、音楽史上、もっとも有名な未発表作である「スマイル」の完成品とするならば、それは、あんまりな話である。
正直、こんな作品は、世の中に出てはいけなかったのではないか、とすら思う。
「スマイル」は、あの歴史的名盤「ペット・サウンズ」に続いて、ブライアン・ウィルソンが制作を開始したアルバムである。しかし、レコード会社からのプレッシャーやドラッグによる不安定な精神状態など、いろいろとあって、最終的にそのアルバムの完成を放棄されたわけであるが、そのアルバムのなかのマテリアルのひとつである「グッド・バイブレーション」がシングルとして大ヒットを記録し、その完成度の高さからビーチ・ボーイズの代表作になったり、また前作の「ペット・サウンズ」の評価が徐々に高まるなどの影響もあって、放棄された「スマイル」への評価が高まった。
まさに、亡くなった子供の年齢を数えるようなものであるが、「スマイル」へのファンの気持ちは、放棄されたはずのマテリアルの残片の流出による数多くの海賊版の出現という形となり、その残片をヒントに、ファンはその空白部分をそれぞれの想像力で補い、結果、長くにわたり、「スマイル」は、発表されない永遠の名盤としての評価を不動のものにしていたわけであるが、数年前に、その当のブライアン・ウィルソンによる「スマイル」が発表され、さらに、今回は、このビーチ・ボーイズによる「スマイル」の発表である。
ここまでのファンに期待され続けたアルバムとして、今回のこの「スマイル」の出来は、けっして満足のいくものではないであろう。もし、これが「スマイル」の完成形とするならば、高い金をだして海賊版を買い漁り、その空白部分を想像力を駆使して埋め続けたファンは、絶対に報われないのではないか。
正直、こんな作品は、世の中に出てはいけなかったのではないか、とすら思う。
「スマイル」は、あの歴史的名盤「ペット・サウンズ」に続いて、ブライアン・ウィルソンが制作を開始したアルバムである。しかし、レコード会社からのプレッシャーやドラッグによる不安定な精神状態など、いろいろとあって、最終的にそのアルバムの完成を放棄されたわけであるが、そのアルバムのなかのマテリアルのひとつである「グッド・バイブレーション」がシングルとして大ヒットを記録し、その完成度の高さからビーチ・ボーイズの代表作になったり、また前作の「ペット・サウンズ」の評価が徐々に高まるなどの影響もあって、放棄された「スマイル」への評価が高まった。
まさに、亡くなった子供の年齢を数えるようなものであるが、「スマイル」へのファンの気持ちは、放棄されたはずのマテリアルの残片の流出による数多くの海賊版の出現という形となり、その残片をヒントに、ファンはその空白部分をそれぞれの想像力で補い、結果、長くにわたり、「スマイル」は、発表されない永遠の名盤としての評価を不動のものにしていたわけであるが、数年前に、その当のブライアン・ウィルソンによる「スマイル」が発表され、さらに、今回は、このビーチ・ボーイズによる「スマイル」の発表である。
ここまでのファンに期待され続けたアルバムとして、今回のこの「スマイル」の出来は、けっして満足のいくものではないであろう。もし、これが「スマイル」の完成形とするならば、高い金をだして海賊版を買い漁り、その空白部分を想像力を駆使して埋め続けたファンは、絶対に報われないのではないか。