ばあちゃんのこと。 ものわすれ

先日、みんみとママと、

普段ぼんやりしていることの多いばあちゃんを連れて、

「道の駅どまんなかたぬま」というところへ行って来たんですよ。

このややこしい名前は、日本列島の真ん中という意味だそうで、

「ほんまかいな？」という気はしたんですけど、

車椅子が借りられたので、脚の悪いばあちゃんも楽ちんで、

いろいろ食べられたし、お土産も買えたし、意外に楽しく過ごせましたね。

父ちゃんとしては、けっこう頑張った家族サービスのつもりでしたし、

「いい思い出を作れたかな」みたいな、満足感もありました。

……が、

その日の夜、家族連れでやって来た弟に、

「今日はどこへ行って来た？」と聞かれたばあちゃんが、

「んー、　　ドコへも行かねんさぁ……」　　と、一言。

「えー？！」

家族全員、「みちのえき……、ど、どま、……」くらいまでは言えるんじゃないか

と期待してたと思うんですけどねぇ、

まるで、一日中寝てましたーみたいな顔で、　どこへもいかねー　って。　

いきなりすべて忘れちゃうんですよ、　　意表を突かれましたね……。

疲れがどっと出ました。

追記

左下のボタンを、押し忘れる事の御座いませぬ様、よろしくお願いいたします。

ばあちゃんのこと。 辞世の句

今朝、いつの間にか起き出した、糖尿病のばあちゃんが、

昨夜しまい忘れたこたつの上のぼたもちを食べようとしていました。

朝食前には、薬や注射や血圧測定と、

やらなきゃならない事がいろいろあるのです。

そもそもまだ入れ歯が入ってないので

ものを食べるのは無理だと思って油断してたら、

「ぼたもちは、いればがないほうがたべやすい」

という名言を吐いて、がぶり。

おいおい、あんた命知らずかよ。

ばあちゃんのこと。 薄味のおかず

ばあちゃんは糖尿病で、脚が悪いのに加え、

腎臓の機能も低下してるそうで、お医者さんから

「しょっぱいものも食べてはいけない」と言われています。

父ちゃんの駄目っぷりは町内にとどろきわたってますので、

ばあちゃんのことを心配した近所のおばさんが、

昨日、わざわざ薄味に作ったおかずを届けてくれました。

これがあれば週末は台所に立たなくて済みそうだ。

楽ちん楽ちん、うっしっし。

と、思っている隙に、

ばあちゃんがおかずをもしゃもしゃもしゃと、

ほとんど全部食べてしまいました。

カロリー半分なら二倍食べちゃうデブといっしょです。

ばあちゃんのこと。 フルーチェ

父ちゃんの母親（みんみのばあちゃん）は、甘いものが大好きで糖尿病です。

ほぼ毎日のようにデイサービスに通っていますが、

脚も悪いので、出歩きたがらず、帰って来ると寝てばかり。

ボケちゃうんじゃないかと心配なので、起きている時間を少しでも

長くするために、ついお菓子なんか食べさせてしまいます。

お医者さんには叱られますけど、「生きる意欲」みたいなものを

微かにでも感じさせるのが、おやつの時だけなので、まあ、

仕方ないかって感じなんです。

昨夜は、フルーチェ作ってあげたんですよ。

子供の時ばあちゃんに作ってもらったことがあったんで、

懐かしい話でもできるかな、とか考えて。

どんぶりにいっぱい作って、小さいお皿にわけっこして、

テレビ観ながらふたりで食べて、まだ半分どんぶりに残ってたんですね。

嬉しそうに食べるから、もうちょっとならいいかなあって思って、

ばあちゃんのお皿に取ってあげようとしたら、

手で、「もういいよ」みたいな合図をされたんです。

じゃあ、お茶でも煎れようと思い、

台所まで急須洗いに行ってもどってきたら

どんぶりかかえて全部食べちゃってました。

「生きる意欲」だらけで参りました。