まずは敗者復活戦。まず何より残念なのは、井上マーが落選していたこと。決勝はともかく、敗者復活戦には出てほしかった! ピン芸人の中で一番好きなので。
<敗者復活戦> ※☆印は僕が「面白い」と選んだ二者 ※カッコ内は観客による得点
●ユリオカ超特Q (360/5位)
ハゲに関するネタを連発。なかなか面白かったけど、締めの「発車の時間です」は入れない方が良かったんじゃないかな。「超特Q」という名前であること、あんまり浸透していないだろうし(でもない?)。
●今泉 (170/9位)
「エンタの神様」などでも何度か見た「酒の力を借りて言いたいことを言う」というネタ。小心者っぷりが他人とは思えず、かなり笑えた。
●ナオユキ (130/10位)
昨年に続き、ゆっくりと喋って静かな笑いを引き出す、というパターン。面白かったけど、去る時に観客から「えーっ」という声。「それで終わり?」という気持ちだったんだろうけど、ああやって唐突に終わるのが面白いんだって。というわけで僕にとっては今までの3人の中でトップ。
●ゆってぃ (250/6位)
いつものパターン。典型的な一発屋タイプに見えるけど、意外と息の長い芸人になる気もします。外れたらゴメン。
●中山功太 (180/8位)
ご存じ、昨年のチャンピオン。今回は、カメラマンに扮して被写体に声をかけていく、というパターン。試みは悪くないけど、ひとつひとつのセリフが弱く、ほとんど笑えなかった。残念。
●COWCOW山田與志 ☆ (1110/1位)
「DJボブ」というキャラに扮してのフリップ芸。ネタ自体より、そのフリップの作り込みに感心してしまい、間違えないよう丁寧かつ素早くフリップをめくる姿にも好感を持った。というわけで、ナオユキを抜いて僕の中では暫定1位。
●田上よしえ ☆ (490/3位)
お笑いブーム及び女芸人ブームに取り残された感のある田上よしえには、ぜひともこの場で優勝して決勝に進んでほしかった。その期待に応えるように、ネタはなかなか快調。「レッツ・エデュケーション!」という決め台詞もバッチリ(だよね?)。ただ、前に出たCOWCOW山田の好感度が高すぎたので、それを上回る評価を得るのは難しいか? 僕の中ではナオユキと並んで暫定2位。
●友近 (730/2位)
エアロビのネタ。と思ったら、後半はフットルースで引っ張る。あの部分、一緒に歌いたくなるよねぇ、と大いに共感。
●アナログタロウ (370/4位)
80年代の歌番組のアナウンスを再現する、というネタ。「菊池桃子さん、最近は○○○に夢中だそうです」という感じね。「エンタの神様」でも何度か見ているけど、これが何とも面白い。しかし、まさか斉藤由貴で引っ張るとは。
●もう中学生 (190/7位)
いつも通り、大掛かりな手作りセットを持ち込んでウンチク(なのか?)を披露する、というパターン。手作り感たっぷりなところはCOWCOW山田と共通しているけど、こちらは支離滅裂な部分が多いので、あんまり笑えず。まあ、それが持ち味でもあるんだけどね。
今回の採点方式は、ゲスト芸能人を含む観客が「面白い」と思った者を二人ずつ選ぶ、というもの。僕が選んだのはCOWCOW山田と……うーん、どうしよう。よし、田上よしえ! でもまあ、たぶんCOWCOW山田がトップでしょ。と思ってたら、やっぱりその通り。ただし、2位が友近で、田上よしえは3位。
それはいいけど、ナオユキが最下位ってのは残念。ああいうスローテンポの漫談、僕は好きなので。
さて、いよいよ決勝戦。
<決勝戦> ※先に記した数字は僕が付けた得点及び順位 ※カッコ内は審査員による得点及び順位
●COWCOW山田與志 86/7位 (627/9位)
敗者復活戦のネタに新たな要素をいくつか加味。面白いけど、終盤「ちょっと長い」と思えてしまった(のは僕だけ?)。敗者復活戦で見てなければ、もっと楽しめたはず。ただ、それを置いといても、審査員による点数はちょい低いんじゃないかなぁ。
●バカリズム 94/3位 (630/7位)
「正義感の強い男」ネタ。面白いんだけど、バカリズムへの期待値が異様に高まっている(よね?)ことを考えると、いささか拍子抜け。終盤でフリップを出した時に客が「待ってました」的にどよめいたのが微笑ましかった。
●いとうあさこ 95/2位 (641/5位)
いつものアラフォー浅倉南で新体操。新味はないけど、やっぱり面白いし、好感が持てる。
●G(グラップラーたかし) 80/9位 (639/6位)
フリップ芸+モノマネ。モノマネのネタが猪木、ボビー・オロゴン、高田延彦など格闘技系(=僕があまり興味を持てない分野)であることもあって、あんまり楽しめなかった。そもそも芸としての完成度が低くない?
●川島明 90/6位 (645/4位)
しょーもないこと、他愛ないこと、身もふたもないことを「いい声」で言ってみる、というネタ。意外性はないけど面白い。さすがの安定感。
●我人祥太 96/1位 (628/8位)
陽気な状況を演じ、その直後にネガティブなオチで観客を重い気分にさせる、というパターンを連発。ネタ番組で何度か見たことがあったけど、今回が一番面白かった。特に「わー、流れ星→北からの発射物であった(だったっけ?)」には大笑い。去り際にはもう少し余韻を残してほしかったけど、僕の中では今回のナンバーワン。ただ、万人ウケは難しいかな?
●なだぎ武 83/8位 (661/1位)
ミッキーマウスの耳当てをしてディズニーランドへ向かうヤンキーを演じるネタ。すんません、どうもあんまりなだぎのギャグは面白く思えません。声を加工したり衣装や小道具に凝ったりと、どうも「話芸」以外の部分に重きを置いているように見えちゃうので、余計に良くない印象。
●エハラマサヒロ 93/4位 (655/3位)
ウザい教師を演じるネタ。と思ったら終盤はマイケル・ジャクソン! 踊りも達者なところを見せて楽しませてくれた。
●あべこうじ 92/5位 (658/2位)
何らかのキャラクターを演じるのではなく、あくまでも「あべこうじ」としての喋り芸で笑わせる。その心意気が頼もしい。今回も好調で、昼ドラの話題を絶妙に繰り返すウザさが愉快。ただ、前に出たエハラも「ウザさ」が売りなので、その次ってのは、やる側にも見る側にも何となく居心地の悪さを感じさせる……ような気がする。
というわけで、僕にとってのトップ3は、我人祥太、いとうあさこ、バカリズム。しかし、審査員によるトップ3は、なだぎ武、あべこうじ、エハラマサヒロ。あべとエハラマに関してはまったく文句ないけど、なだぎが1位ってのは、どうも納得できないなぁ。というか、今年から「上位三者による最終決戦」が行われるわけだけど、それがなかったとしたらなだぎが優勝、ってことだもんね。うーん、やっぱり納得できん。あ、なだぎファンの方々、気を悪くしないでくださいね。あくまで僕の好みの問題ですので。
<最終決戦>
●エハラマサヒロ ※審査員7名のうち1名(板尾創路)のみ選出
生後4ヶ月の赤ちゃんを演じるネタ。前にも見たことがあったので新鮮味には欠けたけど、MCハマーをバックに踊り始めたところで拍手喝采(自分が)。お見事でした。
●あべこうじ ☆ ※審査員7名のうち6名が選出!
またもやエハラの次。その重圧があるのかないのかは分からないけど、あくまでも喋りで勝負。「ドレミの歌」へのツッコミという試み自体は珍しくないが(「ソは青い空」が変、とかは誰もが一度は思うよね?)、その修正案を矢継ぎ早に提示していくテンポが楽しい。これまたお見事。
●なだぎ武
ドラえもんのバッタもんを売りつけられた、というネタ。これ、少し前にエンタ(だったっけ?)で見たじゃん。それはともかく、ネタとしての完成度も高いと思えないし、ほとんど笑えなかった。
エハラの身体のキレも見事だったけど、純粋に「しゃべり」だけで勝負したあべこうじが僅差で勝ち! と思っていたら、審査員は板尾以外の全員があべこうじを選ぶという圧勝ぶり。優勝が決まった途端にあべこうじが泣いたのが、なんとも微笑ましかった。
僕の採点では我人祥太がトップだったわけだけど、あべこうじの優勝に文句はない。小道具やキャラづくりやフリップやモノマネや効果音に頼らず(もちろん、頼るのが必ずしも悪いわけじゃないけど)喋りだけで勝負した姿勢は実に潔いし、アッパレだと思う。おめでとう!
* * * * *
以下、オマケ。
「R-1グランプリ2005」の感想
http://gold.ap.teacup.com/toppa/2.html
●僕の採点での優勝……井上マー ●実際の優勝……ほっしゃん。
「R-1グランプリ2006」の感想
http://gold.ap.teacup.com/toppa/317.html
●僕の採点での優勝……博多華丸 ●実際の優勝……博多華丸
「R-1グランプリ2007」の感想
http://gold.ap.teacup.com/toppa/617.html
●僕の採点での優勝……バカリズム ●実際の優勝……なだぎ武
「R-1グランプリ2008」の感想
http://gold.ap.teacup.com/toppa/896.html
●僕の採点での優勝……鳥居みゆき ●実際の優勝……なだぎ武
「R-1グランプリ2009」の感想
http://gold.ap.teacup.com/toppa/1320.html
●僕の採点での優勝……バカリズム ●実際の優勝……中山功太
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