久々にマンガの単行本を買った。小林まことの『青春少年マガジン1978〜1983』。週刊誌のマンガ評で紹介されていたのを読んで、すごく興味が湧いたのだ。
描かれているのは、デビュー前後から大人気作『1・2の三四郎』終了までの華々しくも過酷な日々。当時、熱烈なマンガ好きだった僕は、小林まことのデビュー作『格闘三兄弟』もリアルタイムで読んでいる。新人とは思えない完成度に驚き、ほどなくして始まった『1・2の三四郎』も大いに楽しんだものだ。
しかし、当の小林まこと本人は、まさに綱渡り状態で作品を描き続けていたようだ。締め切りに追われてほとんど眠らず、神経をすり減らし、肉体的にも精神的にも追い詰められながら、読者を笑わせようと懸命になっていたわけである。無論、それは小林まことだけでなく、他のマンガ家たちも同様だ。この作品には、心の底から共鳴し合える同志たちとの濃密な日々も描かれている。その絆の固さを羨ましいと思うのは僕だけじゃないだろう。
この本の結末は苦く悲しい(ネタバレになるので詳しいことは書きません)。しかし、それでも小林まことと熱い日々を共有した彼らは幸福だったろうと思う。そして、彼らの存在を今一度世に知らしめようとした小林まことの義侠心は、敬服に値する。まさに後世に残すべき作品。
他に最近買った本は、町山智浩の『アメリカは今日もステロイドを打つ』。『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』『キャプテン・アメリカはなぜ死んだか』に続き、アメリカ社会の闇とトホホな部分を紹介してくれるコラム集だ。面白い。でも、花粉症で目がシンドいので、今はお休み中。
船戸与一先生の『満州国演義5』も半分弱まで進んだとこで中断している。まあ、6巻目が出るのは今年の冬らしいので、のんびり読むつもり。
あと、久々にビッグイシューを買った。伏見で売らなくなったのでご無沙汰していたけど、今回はブラッド・ピットが表紙だったので。って、買ったのは少し前なので、今はすでにオバマが表紙の最新号が出てるけど。
ついでに、もうひとつ本の話題。ダイアモンド☆ユカイの『成りさがり』を立ち読みしてきた。まあ、さすがに本屋で全部読むのはシンドいので斜め読みだけど。
内容は面白い。ギャラをめぐるトラブル、女遊びのアレコレなどは、「へーっ」の連続だ。しかし、この本、やたらと注釈が多いのが笑える。もちろん、ビートルズとかキャロルとかの固有名詞に関して説明を入れるのは親切で結構なのだが、たとえば「ハモリ」なんて言葉もわざわざ意味を教えてくれるのだ。それだけならともかく、「童貞」とか「マスターベーション」も説明してござるのよ。読者の年齢層、何歳だと思ってんだろ。みんな知ってるって!
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