少年トッパ

『偽善エコロジー』の感想を少しだけ

 話題になっている『偽善エコロジー』(武田邦彦著)を読んだ。書かれていることのすべてを鵜呑みにすべきじゃないかもしれないけど、日頃から「リサイクル」とか「エコ」とかに胡散臭さを感じている身としては、かなり納得できる部分が多かった。レジ袋にせよ割り箸にせよ、むしろ「資源の有効活用」であることは前々から聞いていたし。
 ただ、ゴミの分別が無駄だと分かっても、やらなきゃ収集してもらえないわけだから、これからも分別することになるんだろうけどね。虚しさを感じつつ。

 激しく同意したのは、下記の箇所。

 私はリデュース、リユース、リサイクル、いわゆる「3R」と呼ばれるものが嫌いです。なぜかというと、まず英語を使っているからです。日本語で呼ばずに英語で呼んでいるものに、ろくなものはありません。<中略> 日本人は、日本語で言ってもらうと正確に言葉を理解することができるのですが、英語で言われると本来の目的や意味があいまいになります。そのわずかな隙を狙って、相手をだまそうとしている人がウソをつくのに英語を使うことが多いからです。
                         (222pより)

 わはは。エコロジー云々とはあんまり関係ない気もするけど、そういう気持ちはよーく分かる! まあ、音楽用語みたいなものは仕方ないとしても、カタカナ言葉を使うことで本質をごまかしてやがる、と思うことは多々あるもんね。典型例が「ハローワーク」かな。

 そんなわけで勉強になる本なんだけど、欠点もある。この武田先生、はっきり言って文章が上手くないのだ。なんてことを大学の学者先生に言うのは畏れ多いけどさ、もうちょっと推敲しないと。言い回しが稚拙なところが多いし、日本語として成立していない文章もあるもん。もしかしたら口述筆記なのかな? だとしたら、編集者か校正担当者が、もっとしっかりと文章を直すべき。
 特に「これはダメじゃない?」と思えたのはアルミに関する章(163〜169p)。最初のあたりで「日本の土の中にはアルミが豊富にありますから」と書いておきながら、最後の方で「日本には原料となるボーキサイトがないので」と記されているのよ。理数系方面に弱い僕なんかは「どっち?」と途方に暮れるしかありまへん。というか、僕に知識がなさすぎ?
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「<本> 本の感想など」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事