少年トッパ

『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』の感想。

※ ※ ※ ※ ※ ちょっとネタバレあり ※ ※ ※ ※ ※

 あちゃちゃちゃ、勘弁して〜〜〜っ。

 何度、そう叫びそうになったことか。なにしろ、刃物で首を斬るでシーンがやたらめったら繰り返され、そのたびに血飛沫が飛び散ったり大量の血液が滴り落ちたりするのである。いやはや、正視に堪えない。
 いや、そういう映画であることは、ポスターやチラシの雰囲気から想像できた。ジョニー・デップ作品に関してはいつも事前情報を一切仕入れずに観るようにしているのだが、『スウィーニー・トッド』が「復讐」を描いた作品であり「血の惨劇」であることは、そりゃイヤでも分かる。でもさ、もうちょっとソフトというかお茶目というか、適度に笑えるタイプの作品だと思ってたのよ。血なまぐささも『スリーピー・ホロウ』程度じゃないか、と。
 しかし、そんなもんじゃなかった。やりすぎ。しかも、中盤以降は主人公たちに同情も共感もできないので面白くも何ともない。ただただ「痛たたたたっ」と喉元を手で押さえながらスクリーンを見つめるのみだった。もはや我慢比べである。ほとんど目を閉じなかったので、この勝負、僕の勝ち……なのか?

 そんなこんなでさっぱり楽しめなかったわけだが、不思議と終盤では爽快ささえ感じられるようになった。なにしろ、『パイレーツ・オブ・カリビアン』で得た好感度を思いっきり落としてしまうような役を、ジョニー・デップが溌剌と演じているのだ。手に入れたポジションに安住したりせず、かつてのようにヘンテコリンな映画で身も蓋もない役柄を演じ、観る者を呆れさせているのだ。そう、これこそがジョニー・デップだ。健全な市民の眉をひそめさせ、良識派からヒンシュクを買い、キワモノ好きの映画ファンから支持される。そっちの方がジョニー・デップらしいじゃん。頼もしいぜ。
 とは言いつつも、この映画はやっぱり好きになれないけどね。さっさと忘れよっと。

 あ、そうだ。若い船乗り君がスィーニーを訪ねてくる場面、ちょっと不自然じゃない? なんで居場所を知ってたの?

コメント一覧

トッパ
いやぁ、かなり衝撃を受けられたご様子ですね。ま
あ、早く記憶から消して、次のジョニデ作品に期待
しましょう(笑)。
SKD
ひゃ~!あそこまですごいとは。。。(>_<)

昨日はお天気良かったので、そのまま車の運転したら“昨年の二の舞”になりかねない!
鑑賞中にいただいたメールに返信し、続いて感想を誰かに吐き、気持ちを整えてから岐路についたのでした。
やってなかったけど~(笑)

トッパ
●ケイケイさん

ああ、なるほど。僕の場合、どうしても「ジョニデ
=実は良いヤツ」と思ってしまうので、その辺の
ギャップを最後まで拭いきれなかったのかも。別の
役者が演じていたら、また印象が違ったでしょうが
……それだったらそもそも観ないか(笑)。

『アデルの恋の物語』は未見なんですよ。そういう
映画史に残る作品をあんまり観ていないことが、実
はコンプレックスだったりもしてます(笑)。

●海くんママ

くれぐれも、僕の感想だけを参考にしないように!
(笑)

>わたしにはジャニーズで一番、カッコいいわ。

そういえば、今週の週刊文春に「ジャニーズで誰が
好きかアンケート」の結果が載っていたんですよ。
ベストもワーストもキムタクが1位だったんですが、
確かベストの2位が岡田准一だったと思います。
海くんママ
スウィーニー・トッドって、苦手なタイプの映画。
これで観るのを止めます。(笑)

わたしも岡田くんを観に行こう。
わたしにはジャニーズで一番、カッコいいわ。
ケイケイ
そうそう、解釈次第ですよね。
私は復讐にとり付かれた狂人だと感じたんで、
違和感はなかったです。

トッパさん、トリュフォーの「アデルの恋の物語」は、ご覧になってますか?
私はあのラストがすごく重なってね。
どこまでも救いがないトリュフォーに対して、
やっぱりバートンは、
どこかしら切ないなぁと感じたのも、
高ポイントでした。
トッパ
ケイケイさん、ご意見どうも~。気に入られたよう
で何よりです。

うーん、無常感ですか。それを際立たせるなら、や
はりトッドが一線を越える(=無関係な人たちまで
殺すようになる)時の葛藤とかを、しっかり描いて
くれないと。そうしなきゃ、善良そうな爺さんまで
躊躇せず殺すようになるという展開に説得力が感じ
られないので。

考えてみると、そもそもトッドのキャラクター性が
確立されていなかったことに問題があるような気も
します。街に帰ってきた時点ですでに平気で人を殺
せる冷血鬼だったのか、それとも判事を殺し損ねた
時に変貌したのか、その辺りが上手く伝わってこな
いですからね。まあ、観る側の解釈次第と言えば、
それまでですが(笑)。

>私はミセス・ラベットのいじらしさにほだされま
したが、

ホント、いじらしいという表現がピッタリでしたよ
ね。
私生活でのヘレナも、いじらしい女性みたいで
す。っつーか、2人も子どもがいるのにまだ結婚して
なかったなんて(笑)。

http://www.walkerplus.com/movie/news/
news3816.html
トッパ
いやいやいやっ、できればご自分の目で確かめてく
ださいませ。僕の意見でジョニデ作品の興行収入が
ダウンするのは心苦しいし(笑)。

『陰日向に咲く』は原作も好きだしキャストも豪華
なので、僕も楽しみにしています。
SKD
今年の1本目にしようと思ってたのですが、、、や~めた!
岡田クンにしよっと♪
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