この呪いを解くには、誰かがペネロピを心から愛さなければならない。両親はペネロピの結婚相手を見つけようと、良家の青年を次々と家に呼ぶ。格式ある名家の令嬢との縁談に胸をときめかせて馳せ参じた若者たちは、しかしペネロピの顔を見た途端、一目散に逃げ出すのだった。
一方、名家に異形の娘が生まれ育っていることを嗅ぎ付けた新聞記者は、その姿を撮影しようと策略を練る。そして、落ちぶれた良家の青年を雇い、ペネロピが住む家へと送り込む。
と、ここまで書けばお分かりの通り、その青年とペネロピとの間に恋愛感情が芽生えるわけである。しかし、すぐに恋が成就するわけでなく、もちろん紆余曲折が生じる。ほら、面白そうな話でしょ? 実際、面白いです。これはオススメ。
ただ、あえて難点を挙げるなら、ペネロピ演じるクリスティーナ・リッチが可愛らしすぎ。あんなに可愛かったらブタ鼻でも構わない、と多くの男子は思うんじゃない?
それにしても、昨年公開された『ブラック・スネーク・モーン』との落差には驚く。『ブラック〜』でリッチが演じていたのは、幼い頃に受けた性的虐待の影響でセックス依存症になった女であり、ものすごく野性的で妖艶で凶暴な魅力に満ちていた。しかも、かなり多くの場面で半裸。そりゃあもう、思春期の若者ならずとも心拍数が普段の倍以上になっちまうってもんだ。
そんなリッチが、『ペネロピ』では何とも可憐でお転婆な上流階級の令嬢。しっかりと品位も感じられる。正反対の役柄を演じて、しかもどちらでも嘘くささが微塵も感じられないのは素晴らしい。嘘くさいと言えば、そもそも『ペネロピ』はおとぎ話や童話のような物語である。それに説得力を持たせたのは、やはりクリスティーナ・リッチの存在感だろう。この映画、製作陣にはリース・ウィザースプーンが加わっているんだけど、もしかしたら「この役には私よりもリッチの方が絶対に向いている」と思ったのだろうか。それで助演に回ったのだろうか。だとしたら、大した見識である。
惜しいのは、序盤の軽快なテンポに比べて中盤以降どうも話の流れがモタモタしているように感じられること。特にペネロピの鼻が無事に治ってからの展開には、散漫な印象を受けた。あと、鼻だけじゃなく耳もブタのはずなのに、そっちの設定は全然活かされていないのには疑問が残る。だったら最初から「鼻だけブタ」ってことで良かったんじゃない?
ま、そうした不満は幾つかあるものの、ひたすら魅力的なクリスティーナ・リッチを眺められたので満足。これからも彼女の出演作は出来る限り観なきゃ。
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