●土屋公平『GET STONED』
甲斐よしひろ作詞・作曲の『立川ドライブ』が入っているので購入。他にも仲井戸麗市、Chara、清春、Leyonaなど、多彩なゲストが参加している。曲ごとにボーカルが違うのでオムニバス盤を聴いているような感じ。
『立川ドライブ』は、いかにも甲斐よしひろ、という歌詞と曲調とアレンジ。なので、当然すぐに気に入った。それ以外の曲は……すんません、あんまりしっかり聴いてないや。ファンの方々、失敬。
しかし、このジャケットはいいっすね。ジャケ買いしちゃう人もいるんじゃない？
●大野真澄『VOCAL’S VOCALS』
ガロのボーカルだった大野真澄によるカバーアルバム。甲斐バンドの『裏切りの街角』がカバーされているので買ってみた。曲目は下記の通り。
学生街の喫茶店／裏切りの街角／時の過ぎゆくままに／フィーリング／悲しい色やね／あの頃のまま／スローバラード／時間よ止まれ／サルビアの花／空に星があるように／さらば青春／「いちご白書」をもう一度／青春の影／あゝ青春／地球はメリー・ゴーランド
『学生街の喫茶店』が大ヒットした頃は「渋い声」という印象だったけど、年齢を重ねてさらに渋くなったかといえば、逆に甘くなったような気がする。声も歌い方も、とても優しくて穏やか。これはこれで悪くない。でも、いかにもBGM、って感じなので少々物足りなくも感じてしまうなぁ。ファンの方々、すんません。
●西寺実『ふぞろいのロックたち 其之壱』
アースシェイカーの西田昌史、SHOW-YAの寺田恵子、ラウドネスの二井原実によるユニットのカバーアルバム。これまた、甲斐バンドの『裏切りの街角』がカバーされているので買ってみた。曲目は下記の通り。
あゝ無情／気絶するほど悩ましい／ボヘミアン／私は泣いています／キャンディー／フレンズ／月のあかり／裏切りの街角／たどりついたらいつも雨ふり／スローバラード／私は風
いわゆる熱唱系の人たちばかりなので、どの曲にも気合いが感じられて楽しい。ただ、『裏切りの街角』での英語のコーラスは、ちょっと笑える。なんか、カラオケスナックでの無理矢理な合いの手みたいな感じだもん。ほら、たとえば『星降る街角』で「あ～～、恋の夜～～♪」と歌うと、その後みんなで「夜、夜、夜、夜、どんな夜？」と合唱するじゃん（名古屋だけ？）。そういうノリを思い出しちゃったのよ。あ、西寺実ファンの方々、怒らないで。基本的には気に入ってます。
●阿部真央『ふりぃ』
19歳の女性シンガーソングライターのデビューアルバム（リリース当時は18歳）。これがビックリするほど素晴らしい。久々に心を鷲掴みにされちまった。ここ2ヶ月、このアルバムに夢中になっていたので、実を言うと上に紹介した3枚はあんまりしっかり聴いてなかったのよ。
とにかくもう、声も歌いっぷりも歌詞もメロディもアレンジも完璧に僕好みのカッコよさ。1曲目のタイトルチューン『ふりぃ』で気分が高揚し、2曲目の『人見知りの唄』に思いっきり共感し、3曲目の『MY BABY』で胸がドキドキし、4曲目の『キレイな唄』に心を洗われ、5曲目の『デッドライン』で往復ビンタを食らった気分になる……という具合だ。全10曲で、1曲もハズレなし。これほどのアルバムを作っちゃって次は大丈夫なんだろうか、と心配になるぐらい。周囲の期待も相当大きいだろうから、プレッシャーに負けず頑張ってほしいもんだ。ま、余計なお世話だろうけど。
ちなみに『キレイな唄』はベッキーが出てるCMに使われてます。チェケナウ！
で、いっぺんナマで聴きたいと思ってFM-AICHIの無料イベントに応募したけど、どうやら落選しちゃったみたい。残念！
●クノシンジ『光のアルバム』『影のアルバム』
ポップという言葉が、ものすごく似合うシンガーソングライター。それがクノシンジ。いわゆる渋谷系がもてはやされていた時代なら、その中心的存在になったんじゃないだろうか。
クノシンジの場合、オシャレだったりフェミニンだったりするだけではなく、かなり骨太な部分も感じられる。細部にまでこだわり抜く職人気質が随所に顔を覗かせるのよ。特にそれを感じさせるのは、タワーレコード限定の特典CD『影のアルバム』だ。これはカバーソングばかり集めた6曲入りCDで、こういう曲目。
ボヘミアン・ラプソディー／崖の上のポニョ／涙くんさよなら／初恋クレイジー／にんげんっていいな／speed racer
1曲目の『ボヘミアン・ラプソディー』がスゴい。なんと、あの名曲中の名曲をアカペラの多重録音でカバーしているのよ。しかも、完成度が高すぎ。他の曲もすべて丁寧かつ勢いのあるアレンジで、オリジナルを凌駕するカバーになっている。やたらとカバーソングが連発される昨今だけど、これほど上質なものは稀じゃないだろうか。もっと世間で騒がれるべき。
しかし、なんでこれ、アルバムのオマケにしたんだろ。普通にリリースすればいいのに。
そのクノシンジ、4月には東京から名古屋まで自転車で来るらしい。すごい。聴きに行こうかな。
