じゃ、まずは日本映画から。
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【作品賞】(3本以上10本まで)
「魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語」 10点
「魔法少女まどか☆マギカ 後編 永遠の物語」 10点
「るろうに剣心」 2点
「SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者」 2点
「桐島、部活やめるってよ」 1点
「外事警察 その男に騙されるな」 1点
「おおかみこどもの雨と雪」 1点
「かぞくのくに」 1点
「ヘルタースケルター」 1点
「海燕ホテル・ブルー」 1点
【コメント】
2012年の日本映画は、とにかく『魔法少女まどか☆マギカ』に尽きる。テレビ版のオンエア時から評判になっていたのは知っていたが、僕がそれをDVDで見たのは2012年になってから。壮大すぎる世界観、少女たちの健気さ、そして何より「異世界」のビジュアルに圧倒され、夢中で全12話を堪能した。映画版は内容こそテレビ版とほぼ同じであるものの、さらに完成度を高め、濃密さを増していたように思えた。文句なしに今年のベスト作品。
とはいえ、後編の最後に告知された続編に関しては「もう、このまま終わらせればいいじゃん」と思えてしまった。もちろん、作り手側に「まだ描き足りなかった」という気持ちがあれば全然問題ないのだが、「こんなに大ヒットしたんだから続編を作らなきゃ損」という動機ならば、これまでの作品を汚すことになってしまわないだろうか。この考えが杞憂となることを願うのみ。
『るろうに剣心』も見事な作品。ご多分に漏れず僕も『龍馬伝』で大友啓史監督の作風にハマったクチだが、今回もメリハリのある演出で大いに楽しませてもらった。佐藤健の身のこなしも素晴らしい。
『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』は、シリーズの最後を飾るに相応しい力作。前2作は良い意味で脱力感に満ちていたが、今回は殺伐とした描写が多くて少々面食らった、というのが正直なところ。しかし、クライマックスでのラップには、やはり感動。泣けました。
『桐島、部活やめるってよ』には「ルックスもスポーツも勉強もダメ」という負け組男子の切なさ、いじましさが描かれているわけだが、ラストで露呈されるのは「ルックスもスポーツも勉強もできるけど熱中できるものがない」という男子が抱える空虚さだ。その描き方が鮮やか。
『外事警察 その男に騙されるな』は見応えある作品ではあったものの、テレビ版に比べると劣る。まあ、テレビの方は石田ゆり子が素晴らしすぎたわけなので、それは仕方ないか。いや、映画版の真木よう子も良かったんだけどね。
『おおかみこどもの雨と雪』は、子どもを育てること、そして子どもを巣立たせることの楽しさや苦労ややりがいや悲しさを丁寧に綴った作品。家族三人が雪の中で大はしゃぎする場面では、こっちも幸せな気持ちになった。
『かぞくのくに』で描かれるのは、「帰国事業」で北朝鮮へと渡ってしまった兄と日本に残っている妹との再会。どんな時にも感情を露わにしない兄の姿が悲しい。
あとから原作を読んだら、予想以上に笑えるエピソードや描写が多いことに驚いた。映画ではそのあたりをバッサリ切り捨ててしまったようで、それが少々残念に思えなくもない。まあ、ないものねだりかな。
沢尻エリカ復帰作である『ヘルタースケルター』は、見応えある場面と散漫な場面の落差が激しすぎ。きっと監督はエリカが登場する場面以外では、あまりやる気が起こらなかったのだろう。説明台詞ばかり押し付けられた大森南朋が、ちょっと気の毒。とはいえ、やはりエリカは大したもんだ、と再認識させられる作品ではあった。
船戸与一の小説を若松孝二監督が映画化した『海燕ホテル・ブルー』は、いかにも低予算のアングラ映画、という味わい。決して出来は良くないものの、禍々しくて不可解な魅力が感じられた。しかし、これを観た半年後に若松監督の訃報を聞くことになるとは。改めて、ご冥福を祈ります。
次点は三池崇史監督の『愛と誠』かな。武井咲が歌うシーンが最高に愉快だった。
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【監督賞】 作品名
[新房昭之] (「魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語」「魔法少女まどか☆マギカ 後編 永遠の物語」)
【コメント】
毎年同じことを書いてる気がするけど、「ベスト作品の監督=ベスト監督」というのが僕の自論。
【主演男優賞】
[佐藤健] (「るろうに剣心」)
【コメント】
素晴らしき身体能力に一票。朴訥とした喋り方も微笑ましい。次点は『外事警察』の渡部篤郎。
【主演女優賞】
[沢尻エリカ] (「ヘルタースケルター」)
【コメント】
エリカの復帰に心からの拍手を。しかし、またしばらく出演予定はナシ? さっさと海外に出て活躍すべし!
【助演男優賞】
[ヤン・イクチュン] (「かぞくのくに」)
【コメント】
ホテルで○○ビデオを見ているシーンに微笑ましさを感じたのは僕だけじゃないはず。
【助演女優賞】
[田畑智子] (「ふがいない僕は空を見た」)
【コメント】
脱ぎ惜しみしないところが立派。もちろん、演技力も相当のものだと思います。
【ニューフェイスブレイク賞】
[東出昌大] (「桐島、部活やめるってよ」)
【コメント】
途方に暮れた時の表情が素晴らしくリアル。もしかしたら「素」なのかも。だとしたら、それを引き出した作り手も立派。
【音楽賞】
「SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者」
【コメント】
どうもラップは苦手なんだけど、このシリーズでは毎回、心を揺さぶられています。
【ブーイングムービー賞】
「レンタネコ」
【コメント】
荻上直子監督、どうしちゃったんだろ。あまりにも面白くなさすぎて途方に暮れました。
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【私が選ぶ○×賞】
[今からでも遅くないので、映画館で上映すべきで賞]
「名古屋空襲を語る 今を生きる人へ」
【コメント】
太平洋戦争末期の名古屋空襲についてのドキュメンタリー。終戦記念日に図書館のホールで観ました。空襲に遭った方々の悲痛な想い、それでも復興を成し遂げようとした強靭な意志が伝わってくる作品です。若い世代こそ観るべき作品なので、今年の8月にでも映画館で上映していただきたいと思っています。
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トッパ
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