徒然日記

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[意見]仮想デスクトップのインフラで無線LANはだめである

2016-09-03 08:25:40 | 製品VDI
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仮想デスクトップのインフラで無線LANはだめである
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普通わかると思うが、これだけはやってはいけないと思う。
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  仮想デスクトップを"無線LANだけ"しかないネットワーク上に作る
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これはもちろん、オフィス側のネットワークの話である。データセンター側は有線ネットワークだが、オフィスは無線LANというネットワークインフラはないわけではない。また、タブレットPCやスティックPCは有線LAN IF がそもそもない。

そんな理由により、無線LANで仮想デスクトップをしてしまうことがあるかも知れないが、これはぜんぜんお勧めでない。

なぜなら、
  ・仮想デスクトップは通常PCよりはるかにLAN障害に弱い
  ・無線LANはもともと非常に外乱に弱く品質保証が困難
  ・無線LANを混乱させる外乱は昔よりはるかに多い
  ・無線LANの不具合は可視化できないので切り分け困難
  ・無線LANの混信は無線キーボードやマウスも混信させる


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仮想デスクトップは通常PCよりはるかにLAN障害に弱い
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無線LAN(WiFi)は外乱に弱いので、電波状況が悪い場合、実は普通にPCをWiFiで利用している時にも切断や再接続している場合がある。しかし、普通のPCでそれにユーザが気がつく事は殆どない。 なぜなら、普通のPCの場合、LANが切断してもOS操作上問題はない。切断の瞬間にWebページをリロードでもしない限り気がつかない。

しかし、仮想デスクトップは違う。

たった1秒間、WiFiが切断⇒再接続したとしても、その瞬間、マウスが動かなくなり、入力中の文字列は反映されなくなる。つまり、フリーズする。
さらに、もう少し長く(2秒程度)WiFiが切断すれば、画面転送ソフトウェアがタイムアウトしてセッションそのものが切断(※)され、再度ログインしなおしが発生する。
※:これは利用する仮想デスクトップソフトによっても異なるだろうし
  設定で変えられるかもしれないが、いずれにせよそういう問題がある

普通のPCでWiFiで問題なく使えていても仮想デスクトップではそうではないのである。


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無線LANはもともと非常に外乱に弱く品質保証が困難
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無線は電波を使って通信をする。 同一周波数の電波は混信し、データの読み取りを不可能にする。 TCP/IP ネットワークでは受信したパケットのデータが破壊されていた場合、再送を要求するため再送によるリカバリーは行われるが、混信状態では再送パケットも破損する。 再送は再破損と再再送を促し、ネットワークの環境はさらに悪化する。

無線通信の妨害の常套手段は同一周波数の電波を流す(ジャミング)であることを考えればこれは理解いただけると思う。ジャミングされた場合、周波数を変えるしか策はない。これを自動的に行える無線機器でない限り、混信から抜け出すことは難しい。

有線LANも強い電波には妨害されるが、それは無線とは桁違いの電波である。どうしても電波干渉を防ぎたければ、優先の場合UTP(電波シールドのないツイストペア)ではなくSTP(電波シールドつきUTP)というケーブルもある。


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無線LANを混乱させる外乱は昔よりはるかに多い
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昔(10年以上前)は無線LANの品質を悩ますのは電子レンジは他の無線LAN位だった。 しかし、それだけでも問題の解決は困難だった。
設置当初は何事もなく動作していた無線LAN環境が、知らない間に、壁ひとつ隔てた隣の廊下に別の無線LANが設置され、著しくパフォーマンスが劣化する。こんなことはよくあることだった。 しかしそれでも、警戒する相手は"固定設置された無線AP"程度なので探すこともできた。

いまは状況が違う。
状況を非常に悪くするのが、ポータブルWiFiとスマートフォンのテザリング機能だ。 これらはいずれも、移動するWiFi アクセスポイントであり、常時電波を出すわけでもない。 問題が起きても、調査を始めたころには犯人の WiFi AP は消滅している可能性が高い。

どれだけ身の回りに WiFi があるか? ラッシュアワーの電車の中で AP のリストを表示させてみればいい。 下手をすると数十がリストされる。 混信しないほうがおかしい。
たとえ周波数を変えてもまわりに沢山のAPがある以上、変えた先の周波数も混信する可能性が高い。

また、最近のUSB 3.0 で接続される周辺機器は無線LANを混信させるのに十分なノイズを出す。


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無線LANの不具合は可視化できないので切り分け困難
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すでに述べたように、無線は可視化が困難なので、電波品質が低下した場合の発見も困難だし、犯人探しはなお困難である。

通常のクライアントソフトでは電波品質まで表示するものは少ないし、品質が表示され、混信と思われる劣化があっても、どの電波によって妨害されているか、調査するのは利用者レベルではまずできない。

有線LANのように、スイッチまでのケーブルを代えたり、スイッチのポートを変えてみるなどのわかりやすい切り分け方法は無線にはない。

無線AP1台に何人のユーザが接続しているかなどということは、APのCPU負荷の調査には役立つが、ここで述べている混信問題の解決には何も役立たない。



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無線LANの混信は無線キーボードやマウスも混信させる
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WiFiが混信するような状況では、無線マウスや無線キーボードも混信する。 結果として、マウスが動かない、キーボードの入力ができないという問題が起きる。 なぜなら、無線マウス/キーボード、Bluetooth、WiFiはみな 2.4GHz帯の電波を発するためだ。

これは、仮想デスクトップの問題ではない。しかし、利用者は仮想デスクトップが動かなくなったと誤解して、管理者に問い合わせるだろう。


上記のように、LAN障害は仮想デスクトップにとって普通のPCよりはるかに致命的だ。
さらに、無線LANは安定とは程遠い。 この抱き合わせで、無線LAN上の仮想デスクトップは非常に不安定になりやすい。


結論
   仮想デスクトップのLANインフラは有線を原則とし、無線は常用しない
   仮想デスクトップ環境ではマウス/キーボードは有線を使う
   仮想デスクトップ環境ではポータブルWiFiやテザリングを禁止する
   無線LANは 2.4GHz帯ではなく、5GHz帯(まだ混信する対象が少ない)を使う
   USB3.0の周辺機器など電波放射が強い機器を使わせない



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