静かな生活  微睡の 私記

 
さりげなく 簡素に生きたい。傍らに コーヒーがあって
とっておきの本たちがあれば それだけでいい
 

 静かな森、 枯葉の薫り

2012-11-30 17:28:49 | 散歩






   森へたどりつく。いきなり、得も言えぬ薫が

  わたしをまぶす。森へのいつものお散歩は、

  この秋の薫りを求めて、惹きつけられて、

  吸い寄せられて、来るのでしょう。 薫りを


  かいだ途端、初めて気づくのです。


   故郷へ帰ってきたように、精神は安定します。

 
    もう、午前九時過ぎ。森の道の、真ん中です。

  思い出したように、カラスが一羽だけ、好ましい

 いい声で、鳴きます。 番いを見失ったのかしら…

 しばらく歩いていると、・・・ピース・・・ピース・・・


 か細い小鳥の囀りは、二羽か三羽です。晩秋は

 
  群れをなさないのかもしれない。数日すれば、

  彼たちも、森のどこかへ巣籠りするのかしらん。


ずいぶん以前から この樹に オオタカが巣をこさえた。

  三月中旬あたりから、バードウォッチングする皆さんは、

  愛用のカメラと 遠眼鏡を覗いて ”おお! 卵が三個だ!”


  また、日が経って 五月ごろ、”もう巣立ったネ。ええ、そそ、

    隣の森に引っ越して、今は子育て中ネ。ほら 若鳥たちの

   声が 聴こえるでしょ”なあんて 通 たちの会話を 聞いている

   だけで、こちら 初心者たちは 疑似ウオッチングで満足します。

    

 




  今朝、早いころ、小雨は降った様子です。

  寒さは日に日に増します。 昨日は、霜が降りて

  わがR2を湿らせていたのに、今朝は、水だけ。

   こうして季節は寒さを増します。去った夏の

  日々は、良い思い出だけを思い出させて、

  そろそろ年の暮れを運びます。思いつきで、

   お散歩を終えて、二八蕎麦を食しました。

  蕎麦は岩手の、通販で取り寄せたもの。

  
   穏やかな精神状態は、久しくなかった・・


  あまりに気分が穏やかだから、つい、

   セレナミンを飲みたくなって、飲んだよ。







小雨もまた嬉しいもの

2012-11-26 11:59:17 | 読書



    
 


いつもの小道を手ぶらで歩いていると、むこうを

  
  
  通る人は雨傘をさしています。そろそろ朝の


 九時ごろです。一切の 音はしなくて、ましてや

 
 雨の気配は 微かさえも ありません。 わたしは 防寒帽子を


 被って、 防寒手袋をはめて、首筋をスカーフでしっかり 

  巻きつけました。 自然は 薄暗いなあ…


  リハビリお散歩をします。 風はなくて、人も 通らなくて、 こんな


 素敵な空気は天の恵みです。詩人の長田弘さんの 

 
 ”深呼吸の必要”の ”散歩”を念頭に、


 ただ歩いています。手に 何ももたない 急がない・・・

 
 と くり返しながら、歩くことを たのしみ たのしみ、


 わたしの いつも通る、人のあまり通らない


 森の道を 歩きました。ぼんやりと立ち止まって、


 心もち空を仰ぐと、鼻の先に ピチ 頬に シト・・・


 小雨、ふーん、霧雨ではない・・・降っていそうな・・・


 けれど、雨ともいえない・・・ 歩道の鉄柵を


 眺めると、水を きっと置いてあり、濡れています。


  それでも、身体に水気は、少しもなくて…


  このごろの雨は、なんて淑やかなのでしょう。


   帰って、アンドレ・ギャニオンの ピアノソロを


    聴きながら、熱々のコーヒーを淹れてます。


  長田弘さんの著書”散歩する精神”の、


   「たった一人で生きた男」と、


  「サラマンカの男」 を読みました。なんだか、


 「サラマンカの男」は、まるで、初めて読んで


  いるような気分です。きっと読み残してあったのでしょう。


  それだから、読書って、幸せを運んできて くれます。



  どうぞ、素敵な一日が訪れますように~~~







 


晩秋の淡色の空は

2012-11-24 15:03:29 | 四季
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   晩秋の日の晴れた空はいっとう空気が澄んで、包まれているだけ

  ですべての呼吸器病は癒される気がする。喘息も、肺気腫も、

  もしや、肺がんすら清めてくれそうな、匂いさえ素敵です。

   誘われるように、四季の変化を見つけに表に出ました。

   人に会うのは少し怖い・・・かなり憂鬱・・・なので、できるだけ

  裏通りを選んで、それでも 不運にして顔見知りの、誰かさんに

  逢うとき、不快感を与えないように、

 最小限の身繕いをして、細道のずっとむこうまでひと気のなさを

  確認して、 大威張りで、淡色空を眺めながら、

  不器用な闊歩を始めます。



   つい先日まで色鮮やかだった桜の葉たちも、真っ赤に燃えた

  ハナミズキたちも、すっかり散りしき、枯れしき、枯れ枝から

  のぞく空は、 広々と見通せて、遮るものはありません。

  宇宙の巡りは ほんとうに正直です。創造主に、すべての生き

  もの  は愛されています。



   すっかり気持ちのいいお散歩を終えて、わが苫やで待って

  いる好物のヨーグルトを嬉しく食しながら、UPしたのは

  去年の今日? の、空の五線譜の雀らのドレミです。なになに? 

  レファラなの? シレソ? ・・・レッスン落第・・・


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   さらにこの壱枚は、一昨年の今日かな。横田基地へ戻るらしい

  ヘリコプターの、雄姿? 米国で事件があったらしいねぇ・・・



    空には夢がいっぱい詰まっていて、それだから、夢を見つけに


      明日も、もし晴れなら、きっとお散歩に出かけましょう。

  

  

   


明日は立冬

2012-11-06 18:19:48 | 読書




  昨日までの、あのさわやかな秋の佇まいは、一変して、

今日は朝から秋雨がしとしと降り続きます。明日は立冬です。

 ヴェランダの、軒下に吊るした外気温度計は14.5℃。いつもの
 
 朝晩の気温なのに、雨の所為か、とても寒さを感じます。

  森までの細道のそよ風も、木々の色づきも、か細い野鳥の

 さえずりも、去りゆく秋の名残りを惜しむ心で、昨日は

 4521歩も歩きました。ヘンリ・ライクロフトになりきって・・・

  それだから今日は、心おきなく雨読の日に決めました。

  
  青空文庫から、萩原朔太郎の”僕の孤独癖について” 。

  読むに従って、自分がモデルであるような、少しだけ違うような

 理解者に逢っているような、なんだかとても心休まる随筆です。


  ああ、この数カ月、甲賀三郎、コナン・ドイル、夢野旧作等

 の探偵もの、ミステリを、それこそ夢中で読みあさりました。

  何のことはない、わたしの主治医に処方していただく精神安

 定剤 セレナミンを飲まないがための法便です。 作品を読んでいると、

 鬱鬱した気分の時間がもったいなくての、お薬絶ちです。

  その副作用か、物忘れの度合いがずいぶん減りましたって。


  この頃、彼らの作品を大凡読み終えたので、次なる作品は、

 薄田泣菫の、随筆や、中原中也の散歩生活、萩原朔太郎、

 といった、気の向くままの作品を気楽に、丁寧に、ゆったりと読む
 
 んでおります。


   いよいよ来年。鬼に笑われるのを覚悟で、鈴木道彦訳

  「失われた時を求めて」の3度目の通読に入りたい。

 大好きな人物は、シャルリュス男爵。 テーマはフランス式ハーブティー。

 私の大好きな詩人長田弘氏の、”猫がゆく”で述べた、一生一遍だけを

 読み続けようため、の長編を、その本に決めてあるからです。


  ずいぶん間を置きすぎたブログの更新になってしまいました。

 朔太郎氏の言葉に従えば、強迫観念は、老齢期に入ったおかげで

 かなり快癒しだした気配を、自分なりに感じます。人間づき合いは

 まだまだかなりうっとうしいけれど、 ひとりの世界、本の世界に

 もぐっている限り、よけられますから。コンビニと、森と、車通りの

 少ない郊外の道路を選んで、気楽に平均寿命を全うしたいな・・・