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務のよしなしごと

ハンプトン・コート宮殿の人々(完成時期未定)
「オペラ座の怪人」勝手に解説
住んでいる近辺の紹介

「オペラ座の怪人」第1幕 第1場 -3

2021-04-21 | 趣味

※当ブログのシステム設定により、行途中でのスペースが意図したとおりに表示されないことがあります。英語の台詞や歌詞ではおかしな表示が現れることになりますが、ご容赦ください。
また、英語学習者のために、英語の構造や語感をやや残した和訳にしました。日本語にない、日本語らしくない言い回しが多く出てくることになります。プロの翻訳家の和訳を楽しみたい方は是非ロンドンでの25周年記念公演のDVDを手に入れてください。

(ルフェーブルから背景が描かれた幕が落下したことについて問われたブケは・・・)

BUQUET(ブケ)
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Please, monsieur, don't look at me: As God's my witness I was not at my post. 私を見ないでください。神様がご覧になっていましたが、私はそこにいませんでした。
Please, monsieur, there's no one there: and if there is, well then, it must be a ghost… そこには誰もいませんでした。もしいたなら、それは幽霊にちがいないです。
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MEG:(メグ・ジリー、上を見上げて)
He's there, the Phantom of the Opera... オペラ座の怪人がそこにいるんだわ。(※phantom とは幻想、蜃気楼、得体の知れない人物、幽霊という意味。実際に後に Opera Ghost という言われ方もしているが、一般的な邦訳「怪人」を使うことにする。)

FILMIN:(フィルマン)
Good heavens! I have never known such insolence. とんでもない。今までこんな無礼なことはなかった。

ANDRÉ:(アンドレ)
Signora, please. These things do happen. 落ち着いてください。こんなことはよくあることです。

CARLOTTA:(カルロッタ)
These things do happen? You have been here five minutes! What do you know? Si! These things do happen, all the time.
よくあることですって? あなた方はここに5分しかいないのよ。何を知っているの? そう、こんなことはいつも起こっているの。
For the past three years, these things do happen. And did you stop them happening? No! And you …
この3年間こういうことが起きているわ。(そしてルフェーブルに向かって)で、あんたはそれを起こらないようにしたの?
You’re as bad as him. These things do happen.
(次にアンドレたちに)あんた方だって彼と同じく役立たずよ。実際こんなことが起こるんだもの。
Well, until you stop these things happening, this thing does not happen!
で、あんた方がこんなことが起きないようにするまで、このこと(自分が出演すること)はなしにするわ。

(カルロッタ、肩から前方に巻いていたステージ用ストールを後ろに投げ捨てるように外す。)

CARLOTTA:(カルロッタ、ピアンジにイタリア語で)
Ubaldo! Andiamo! ウバルド、行きましょう!

PIANGI:(ピアンジ、小走りでカルロッタの後を追うが、途中でわざわざ引き返し、アンドレとフィルマンに向かって言う)
Amateurs! ド素人めが!(再びカルロッタを追う)

LEFÈVRE:(ルフェーブル)
I don't think there's much more I can do to assist you, gentlemen. Good luck. If you need me, I shall be in Frankfurt.
お二方、私にはこれ以上お助けできることがあるとは思えません。幸運を祈ります。何かありましたら私はフランクフルトにおります。

ANDRÉ:(アンドレ)
But Monsieur … でも、ルフェーブルさん…

LEFÈVRE:(ルフェーブル、周囲の人々に)
Move, please. Out of the way. どうか、道を開けて。(と言ってその場を去る)

ANDRE:(アンドレ、気を取り直すように)
La Carlotta will be back. カルロッタは戻って来るさ。

GIRY:(マダム・ジリー)
You think so, Messieurs? I have a message, sir, from the Opera Ghost.
そうでしょうか?私はオペラ座の幽霊(怪人のこと)から手紙を預かっています。

FIRMIN:(フィルマン)
Oh, God in heaven, you're all obsessed! いやはや、皆憑りつかれている。

GIRY:(マダム・ジリー)
He merely welcomes you to his opera house and commands you to continue to leave Box Five empty for his use and reminds you that his salary is due.
彼(怪人)は単にあなた方を彼のオペラ・ハウスに歓迎しているんです。そして彼が使えるように5番のボックス席をずっと空けておくようにと要求し、彼に給料を払うことは義務だと言っています。

FIRMIN:(フィルマン)
His salary? 彼の給料だって?

GIRY:(マダム・ジリー)
Monsieur Lefèvre paid him twenty thousand francs a month. Perhaps you could afford more, with the Vicomte De Chagny as your patron.
ルフェーブルさんは彼に毎月2万フラン払っていました。多分、パトロン(金銭的支援者)がシャニュイ子爵なら、お二人はもっと払えるでしょう。

ANDRÉ:(アンドレ、マダム・ジリーに)
Madame, I had hoped to have made that announcement myself.
マダム・ジリー、そういった発表(シャニュイ子爵が支援者であること)は私自身がしたかったです。

GIRY:(マダム・ジリー、フィルマンに)
Will the Vicomte be at the performances tonight, monsieurs? 子爵は今夜公演に来られるのですか。

FIRMIN:(フィルマン)
In our box. 我々のボックスにね。

ANDRÉ:(アンドレ、マダム・ジリーの腕を取ろうとする動作と共に)
Madame, who is the understudy for the role? マダム・ジリー、(カルロッタの)代役は誰ですか。

(マダム・ジリー、冷たくアンドレの手をかわす)

REYTR:(レイエ)
There is no understudy, monsieur - the production is new. 代役なんていませんよ。新作ですから。

MEG:(メグ・ジリー、クリスティーンの手を引きながら)
Christine Daaé could sing it, sir. クリスティーン・ダーエが歌えます。

FIRMIN:(フィルマン)
A ballet girl? バレリーナの?

MEG:(メグ・ジリー、フィルマンに)
Well, she's been taking lessons from a great teacher. ええ、偉大な先生のレッスンを受けているんです。

ANDRÉ:(アンドレ)
Oh, from whom? ん、誰の?

CHRISTINE:(クリスティーン、不安げに)
I don't know, sir. 分かりません。

※ミュージカルではクリスティーンが歌のレッスンを受けてきた経緯が全くと言っていいほど省かれている。ガストン・ルルーの原作では、クリスティーンはかなり長い期間、怪人が誰であるのか分からないまま、ほぼ毎晩、夢遊病者のようになって怪人に歌のレッスンを受けていた。怪人はクリスティーンの才能を見出し、彼女をプリマドンナに、そして自分のものにすべく全力を傾けて指導しており、オペラ座にさまざまな災いを起こすことによってカルロッタを追いだし、彼女が主役になるための機会を整えようとしているのである。

FIRMIN:(フィルマン)
Oh, not you as well! 君じゃダメだ。(そしてアンドレに) Can you believe it? 信じられるか?
A full house - and we have to cancel! 全席キャンセルだ!

ANDRÉ:(アンドレ、手招きして)
Daaé? That’s a curious name. Any relation to the violinist? ダーエ?珍しい名前だ。バイオリン奏者と何か関係は。

CHRISTINE:(クリスティーン)
My father, sir. 父です。

GIRY:(マダム・ジリー)
Let her sing for you, Monsieur. She has been well taught. 歌わせてやってください。よく教えを受けています。

ANDRÉ:(アンドレ、 間をおいてから)
Very well. よろしい。

REYER:(レイエ)
Oh, from the beginning of the aria then, mam'selle. Gentlemen, please. (クリステーンに)では、アリアの最初から。(アンドレ達に)皆さんお聞きください。

(メグ・ジリー、カルロッタが使っていたケープをクリスティーンに手渡す。ピアノからメロディーが流れ、クリスティーンはおずおずと歌い出す。)


「オペラ座の怪人」第1幕 第1場 -2

2021-04-16 | 趣味

※当ブログのシステム設定により、行途中でのスペースが意図したとおりに表示されないことがあります。英語の台詞や歌詞及び和訳ではおかしな表示が現れることになりますが、ご容赦ください。
また、英語学習者のために、英語の構造や語感をやや残した和訳にしました。日本語にない、日本語らしくない言い回しが多く出てくることになります。プロの翻訳家の和訳を楽しみたい方は是非ロンドンでの25周年記念公演のDVDを手に入れてください。

(ひざまずいたハンニバルが苦労しながらも腰から短剣を抜き、右手に持った短剣を高く上げてリハーサルも一区切りとなる。音楽監督レイエが満足げに皆に声をかける。ほぼ同時に支配人のルフェーブルが新しい経営者のアンドレとフィルマンを伴って舞台に現れる。)

REYER:(レイエ)
Hey! Hey! We’re doing that all again! Thank you very much. You were very good. This song is marvelous. Thank you.
そう、そう。もう一度やろう。とても良かった。この歌はすばらしい。ありがとう。

LEFÈVRE:(ルフェーブルがアンドレとフィルマンに)
This way gentlemen, this way. Rehearsals, as you see, are under way, for a new production of Chalumeau's 'Hannibal'.
こちらです。ご覧のとおり新作、シャルモー作「ハンニバル」のリハーサル中です。

LEFÈVRE:(ルフェーブルがリハーサルをしている出演者全員に)
Ladies and gentlemen, Ladies and gentlemen, please … Ladies and gent… Madame Giry.
皆さん、どうか皆さん。… (多くの出演者はルフェーブルに気づかず騒がしいまま。)マダム・ジリー! (ルフェーブルはマダム・ジリーに声をかける。マダム・ジリーが杖で舞台の床を突くと皆は口を閉じる。
※Madame は英語の Mrs. に相当する仏語で、成人した女性に使われる。必ずしも既婚者に使われるとは限らない。)

LEFÈVRE:(ルフェーブル、発表する)
Thank you. May I have your attention, please? As you know, for some weeks, there have been rumours about my imminent retirement.
(マダム・ジリーに)ありがとう。(そして皆に)どうか聞いてください。知っての通り、この数週間私が近々引退するという噂が流れていました。
I can now tell you these were all true. And it is now my pleasure to introduce you to the two gentlemen who now own the Opera Populaire. で、その噂はすべて本当です。そして、皆さんに新しくオペラ座を経営する2人の方々をご紹介することを嬉しく思っています。
Monsieur Richard Firmin and Monsieur Giles André.
リシャール・フィルマン氏 と ジル・アンドレ氏です。 (※Monsieur は英語の Mr. に相当する仏語)

PIANGI:(ピアンジがルフェーブルに何か忘れていないかと言わんばかりに)
Oh, no, please. (と言ってカルロッタを指さす)

LEFÈVRE:(ルフェーブル、ピアンジに促されるように)
Gentlemen, Signora Carlotta Giudicelli, our leading soprano for 19 seasons now.
お二方、カルロッタ・ジュディッチェリさんです。19シーズン私たちの主役ソプラノ(プリマドンナ)をやっています。 (※Signora は仏語の Madame に近い伊語。必ずしも既婚者に使われるとは限らない。)

ANDRÉ:(アンドレ、さっそくカルロッタにおべっかを使う)
Of course, of course. I have experienced all your greatest roles, Signora.
もちろんです。あなたの演じる役は全て拝見しております。

LEFÈVRE:(ルフェーブルはピアンジを紹介する)
And Signor Ubaldo Piangi       そして、ウバルド・ピアンジ氏です。 (※Signor は 英語の Mr. に相当する伊語)

FIRMIN:(フィルマン) An honour, Signor.       光栄です。

ANDRÉ:(アンドレ、カルロッタにおべっかを続ける)
If I remember rightly, Elissa has a rather fine aria in Act Three of 'Hannibal'.
記憶が正しければ、エリサは「ハンニバル」の第3幕でもっと素晴らしいアリアを歌ってますね。
I wonder, Signora, if, as a personal favour, you would oblige us with a private rendition?
個人的なお願いなのですが、もしよろしければ私達に歌っていただければ嬉しいです。
Unless, of course, M. Reyer objects...
もちろんレイエ氏が反対しなければですが。

CARLOTTA:(カルロッタ)
No, my manager commands... M. Reyer?
いいえ(反対するはずありません)。支配人の命令ですもの。レイエさん?

REYER:(レイエ) My diva commands. Will two bars be sufficient introduction?
歌姫の命令ですから。はじめの2小節で十分でしょうね。

FIRMIN:(フィルマン)
Two bars will be quite sufficient.       2小節なら十分だ。

(カルロッタ、ステージ用ストールを両手に持ってピアノの傍に歩み寄る。)

REYER: (レイエ) Signora?       では…

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CARLOTTA:(カルロッタが歌い始める。実際には2小節以上になる。)
"THINK OF ME"
Think of me, think of me fondly, When we've said goodbye.         さよならを言った後は 私のことを深く思ってね
Remember me every so often, Promise me you'll try.           いつも私を思い出し、そうするって約束してね
On that day, that not so distant day When you are far away and free         そう遠くないあの日、あなたは去って行った

(カルロッタ、アンドレに歩み寄りストールの片方をアンドレの肩に掛けるとアンドレはニヤける。)

If you ever find a moment Spare a thought for me         合間を見て、私のことも考えてね

(カルロッタは次にルフェーブルの方へ向かう。ルフェーブルはアンドレから外れたストールの片方をカルロッタに掛けてやる。)

Think of me, think of me warmly …       暖かい心で私を思って…
(ここで背景が描かれた幕が突然落ちる。)

※エリサとハンニバルが遠く離れている時にエリサが歌うアリア。このアリアの歌詞はシャニュイ子爵(ラウル)とクリスティーンの関係も暗示している。クリスティーンが後でこれを歌うことになるが、ラウルとは昔別れたままで、今でも彼のことを思っていることが後々見えてくる。
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MEG/BALLET GIRLS/CHORUS: (メグとバレリーナ)
The phantom of the Opera. He's there, the Phantom of the Opera...
オペラ座の怪人だわ。怪人がそこにいる。

FILMIN: (フィルマン、メグに)
Will you show a little courtesy!         少し静かに!

ANDRÉ: (アンドレ、メグに)
Mademoiselle, please!       どうか静かに!(※Mademoiselle は英語の Miss に相当する語で仏語。若い女性に使う。)

LEFÈVRE:(ルフェーブル、カルロッタに)
Signora! Are you all right!         大丈夫ですか。

LEFÈVRE:(ルフェーブル、大道具主任のブケを呼ぶ)
Buquet? Where is Buquet! Get that man down here. (To ANDRE and FIRMIN) Chief of the flies. He's responsible for this.
ブケ? ブケはどこだ? そいつをここに来させろ。(アンドレとフィルマンに)大道具主任で、この責任があります。

LEFÈVRE:(ルフェーブル、ブケに)
Buquet? For God's sake, man, what's going on up there?
ブケか?一体上で何が起きているんだ?


「オペラ座の怪人」第1幕 第1場 -1

2021-04-15 | 趣味

※当ブログのシステム設定により、行途中でのスペースが意図したとおりに表示されないことがあります。英語の台詞や歌詞及び和訳ではおかしな表示が現れることになりますが、ご容赦ください。
また、英語学習者のために、英語の構造や語感をやや残した和訳にしました。日本語にない、日本語らしくない言い回しが多く出てくることになります。プロの翻訳家の和訳を楽しみたい方は是非ロンドンでの25周年記念公演のDVDを手に入れてください。

(前奏曲が終了すると同時にオペラ「ハンニバル」のリハーサルの場面。プリマドンナのカルロッタがエリサ役で登場し、生首をトロフィーに見立ててカデンツァを歌い始める。)
※リハーサルの内容は、ウバルド・ピアンジ演じるハンニバルと彼の軍隊がローマからカルタゴへ帰還する場面である。彼らは留守中にカルタゴに圧政を敷いていたローマを駆逐しようと意気込んで帰って来る。ハンニバルの恋人エリサや周囲の人々は彼らを歓迎しようとしていて、ハンニバルらが登場して歓迎の宴が始まる。
※ハンニバルは紀元前800年〜150年頃に地中海沿岸で栄えた国カルタゴの将軍で実在の人物(紀元前247年〜183年頃)。第2次ポエニ戦争を始めた人物とされているが、残念ながらローマに破れカルタゴに帰還した。一方エリサはカルタゴを建国した伝説上の女王ディードーの幼名とされる(ウィキペディア)。二人は時代を共に生きてはいないが、ニュージカルではハンニバルとエリサは恋人という設定(両者を演じているカルロッタとウバルドも恋人)。
※アンドリュー・ロイド・ウェバーはヴェルディーの歌劇「アイーダ」に似せてこの架空のオペラシーンを作ったらしい。
このリハーサル中に、ちょっとした事故が起き、カルロッタが逃げ出しクリスティーンに代役のチャンスが巡って来るが、ガストン・ルルーの原作では、クリスティーンが代役としてデビューするのは、実在のオペラ、グノー作「ファウスト」である。

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CARLOTTA (ELISSA): (エリサ役のカルロッタのカデンツァ)
This trophy from our saviours, from our saviours,       このトロフィー、救済者から、私たちの救済者(ハンニバル)からのもの
From the enslaving force of Rome!       ローマの圧政から救うもの

(エリサの周囲に奴隷の踊り子や人々が集まり踊りや歌が始まる。奴隷に扮したバレリーノがコーラスの間に舞台を躍動的に踊り回る。)

GIRLS' CHORUS:(女性コーラス)
With feasting and dancing and song, tonight in celebration,       ごちそう、踊りや歌で今夜はお祝い
We greet the victorious throng, returned to bring salvation!       救いをもたらすため帰還した無敗の軍に挨拶をしよう

MEN’S CHORUS:(男性コーラス)
The trumpets of Carthage resound!        カルタゴのトランペットが鳴り渡る
Hear, Romans, now and tremble!           ローマ人よ、今こそ聞いて震え上がれ
Hark to our steps on the ground!          地に響く我らの足音を聞け

ALL: (全員でコーラス)
Hear the drums. Hannibal comes!          ドラムの音を聞け ハンニバルがやって来る

(ここでハンニバルが登場。他の出演者と少々タイミングが合わないが、構わず演じ続ける。)

PIANGI (HANNIBAL): (ハンニバル役のピアンジの独唱)
Sad to return to find the land we love              恋しい土地に帰ってみれば悲しいことに
Threatened once more by Roma's far-reaching grasp.       遠いローマに再び脅されている
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REYER: (音楽監督のレイエがピアンジの発音を注意するために中断させる。)
No, no, no, no! Signor... if you please: 'Roma'. We say 'Rome', not 'Roma'.
違う、違う、違う! 「ローマ」じゃない。我々は「ローマ」じゃなくて「ローム」と言うんだ。

PIANGI: (ピアンジ)
Rome. Rome is very hard for me. It’s very, very hard... I’m from Italy
「ローム」。「ローム」ってとても(発音が)難しい。とても… 出身がイタリアだから…

REYER: (レイエ)
Well, once again, then, if you please, Signor: Just get it right, please. ‘Sad to return.../, signor...
では、もう一度お願いする。ちゃんとやってくれればいいんだ。「帰ってみれば悲しいことに…」から…

(ハンニバル、気を取り直して再び歌い始める。)

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PIANGI (HANNIBAL):(ハンニバル役のピアンジ)
Sad to return to find the land we love           恋しい土地に帰ってみれば悲しいことに
Threatened once more by Rome's far-reaching grasp         遠いローマに再び脅されている
Tomorrow we shall break the chains of Rome               明日はローマの鎖を断ち切るぞ
Tonight, rejoice, your army has come home.                 喜べ、今夜は我が軍が帰ったのだ
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(声が本調子でないハンニバルとエリサがステージ脇に去ると、舞台中央で再びバレリーノと踊り子たちの踊りが始まる。クリスティーンとメグ・ジリーが踊り子役で登場するが、まだそれとは分からないうちに暫く踊りが続く。)

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CHORUS:(コーラス)
Bid welcome to Hannibal’s guests, the elephants of Carthage!           ハンニバルのゲスト、カルタゴの象たちを歓迎しよう
As guides on our conquering quests Dido sends Hannibal’s friends!     遠征のガイドとしてディードーがハンニバルに送った像たちだ

(ハンニバルとエリサが手を携えて舞台中央に現れる。奴隷役のバレリーノから臣従礼を受けたエリサが再び歌いだす。その最中にクリスティーンとメグ・ジリーがエリサの前に出てひれ伏す。)

CARLOTTA (ELISSA):(エリサ役のカルロッタ)
Once more to my welcoming arms my love returns in splendour         待ち焦がれた私の腕へ栄光を浴びて再び戻って来る

PIANGI:(ハンニバル役のピアンジ)
Once more to the sweetest of charms my heart and soul surrender         最も魅力ある人に心も魂も再び屈する

CHORUS:(コーラス)
The trumpeting elephants sound! Hear, Romans now and tremble!         像の雄たけびだ、ローマ人よ、今こそ聞いて震え上がれ
Hark to their step on the ground Hear the drums!           地に響く彼らの足音を聞け ドラムの音を聞け
Hannibal comes!           ハンニバルがやって来る
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(エリサを含め皆がハンニバルに向かって跪き、またはひれ伏す。ハンニバルは片膝をつき苦労して短剣を何とか抜き、リハーサルの一区切りとなる。音楽監督レイエが満足げに皆に声をかける。)


「オペラ座の怪人」プロローグ

2021-04-09 | 趣味

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また、英語学習者のために、英語の構造や語感をやや残した和訳にしました。日本語にない、日本語らしくない言い回しが多く出てくることになります。プロの翻訳家の和訳を楽しみたい方は是非ロンドンでの25周年記念公演のDVDを手に入れてください。

(1905年、パリのオペラ座の舞台。薄暗い中、オークションに参加する人々が両側の階段から中央へ静かに集合。競売人が中央、向かって右側に年老いたラウルが座る。
オークションに出されるのは、オペラ座に残っていた今では不要になった昔の演目に因んだ小道具及び備品など。)

AUCTIONEER(競売人)
(木槌を打って)Sold. Your number, sir? Thank you. 落札! 番号は? ありがとうございます。
Lot 663,then,ladies and gentlemen: a poster for this house’s production of ‘Hannibal’ by Chalumeau.
では、663番です、皆さん:この劇場の出し物、シャルモー作「ハンニバル」のポスターです。(※ シャルモーや「ハンニバル」は架空の人物及びオペラ)

PORTER(ポーター)
Showing here.   こちらです。

AUCTIONEER(競売人)
Do I have ten francs? Five then. Five I am bid. Six? Six.
10フランでどうですか? では、5フラン。5フランでの入札。 6フランでは? 6です。(ここで5フランに対抗してラウルの付き人が21番の札を挙げる)
Do I see seven? Seven. Against you, sir, seven. Eight? Eight.
7はどうでしょう。7です。(ラウルに対抗する人物が7フランで入札) 7フランの対抗入札です。 8にしますか?8。(ラウルの付き人が再び札を挙げる)
Eight once. Selling twice. Sold, to Raoul, Vicomte de Chagny. Thank you very much.
もう一度8(フラン)。 確認します。 (木槌を打って) ラウル・シャニュイ子爵に落札されました。ありがとうございます。

Lot 664. Ladies and gentlemen, a wooden pistol and three human skul1s,from the 1831 production of ‘Robert le Diable' by Meyerbeer.
664番。皆さん、木製のピストルと頭蓋骨が3つ。1831年の演目、マイアベーアによる「悪魔のロベール」からのものです。
(※ 実在の劇作家とオペラで、イギリスのウィリアム征服王の父をモデルにしたと言われているオペラ)
Ten francs for this. Ten, thank you. Ten I am bid. Ten francs still. Fifteen, thank you, sir.
これは10フランで。10ですね。ありがとうございます。10フランで入札がありました。10フランです。15ですか、ありがとうございます。
Fifteen, I am bid. Going for fifteen. Your number, sir? Thank you.
15フランの入札。15で落札(木槌を打つ)。 番号をどうぞ。ありがとうございます。

Lot 665. Ladies and gentlemen: a papier-mâché musical box, in the shape of a barrel-organ. Attached, the figure of a monkey
665番。皆さん、張り子のオルゴールで、手回しオルガンの形をしています。上に乗っているのはシンバルをたたく
in Persian robes, playing the cymbals. This item, discovered in the vaults of the theatre, still in working order, ladies and gentlemen.
ペルシャの服を着た猿の人形です。この品は劇場の地下室で発見されたものですが、今でも動く状態にあります。

PORTER (ポーター)
(オルゴールを持ち上げて)Showing here. こちらです。
(ハンドルを回すと「マスカレード(仮面舞踏会)」のメロディーが奏でられる。※「マスカレード」はこのミュージカルの中で重要な意味を持つ曲で、第2幕の最初では大勢に、2幕の最後では怪人によって歌われる。)

AUCTIONEER(競売人)
May I commence at twenty francs? Oh, come, come, ladies and gentlemen. Fifteen,then? Fifteen I am bid.Thank you very much. Yes, twenty from you, sir. Thank you very much.
20フランから始めましょうか。さぁ、皆さんどしどし入札してください。じゃ、15フランでは? (ラウルの付き人が札を挙げる) 15で入札。ありがとうございます。(男性参加者が札を挙げる)で、あなたは20ですね。ありがとうございます。

LADY(参加者中の一人の女性 ※劇場版や映画版によってはマダム・ジリーが入札することも)
Twenty-five 25(フラン)。

AUCTIONEER(競売人)
Twenty-five on my right. Thank you, madame. Twenty-five I am bid. Thirty? Thirty. Selling at thirty francs, then. Thirty, once, thirty twice …
こちらから25という声がありました。ありがとうございます。25での入札です。30?(ラウルの付き人が札を挙げる)30。30フランでどうですか。30で....
Sold for thirty francs to the Vicomte de Chagny. Thank you very much, sir.
(木槌を打ち)落札。30フランでシャニュイ子爵へ。ありがとうございます。

RAOUL(ラウル)
(ポーターに)Boy. 君。

(声をかけられてポーターはラウルに近づく。ラウルはオルゴールを丹念に見る。)

RAOUL(ラウル)
(半ば自分自身に、半ば人形に)
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A collector's piece indeed...              まさに収集家が欲しがるものだ
Every detail exactly as she said...       細かいところまで彼女が言ってた通り
She often spoke of you, my friend...           彼女はよく話していたよ
Your velvet lining and your figurine of lead...        ヴェルヴェットの服と鉛の人形だったと
Will you still play,           今でも曲を奏でるのか
when all the rest of us are dead...?           皆が死んでしまってからも
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AUCTIONEER(競売人)
Lot 666 then: a chandelier in pieces. Some of you may recall the strange affair of the Phantom of the Opera, a mystery never fully explained.
では、666番。部分ごとに分解されたシャンデリアです。オペラ座の怪人にまつわる不思議な出来事を思い浮かべる人もいるでしょう。それは決して全容が説明されることがないミステリーなのです。
We are told, ladies and gentlemen, that this is the very chandelier which figures in the famous disaster.
皆さん、これがまさしくあの有名な災難に登場するシャンデリアだと言われています。
Our workshops have restored it and fitted parts of it with wiring for the new electric light, so that we may get a hint of how it may look when reassembled.
ここの工房がそれを復元し、電線を巡らせて電球をを取り付けました。組み立てなおすとどのように見えるか分かるでしょう。
Perhaps we may frighten away the ghost of so many years with a little illumination. Gentlemen…
多分、少しの明かりで何年も前の幽霊も驚いて逃げ出すことでしょう。

(ここで前奏曲の演奏と共に客席前方上に吊るされ、布で覆われたシャンデリアが火花を散らし始める。そして徐々に覆いが引き上げられシャンデリアが姿を現す。舞台後方には怪人がオルガンを弾いている姿が投影される。※ハー・マジェスティー劇場では、舞台前方の中央に布で覆われたシャンデリアが、前奏曲の演奏開始を合図に、覆いが外され、客席前方上部へと引き上げられる。)


「オペラ座の怪人」25周年記念公演 主な登場人物

2021-03-29 | 趣味

2011年10月1日と2日にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われた「オペラ座の怪人」25周年記念公演の主な出演者は次のとおり(登場順)。

Le Vicomte de Chagny (Raoul) シャニュイ子爵(ラウル) 役 Hadley Frazer (ハドリー・フレイザー)
プロローグでは老人(70歳頃の設定らしい)として昔語りを始めるが、本編が始まってからは終始若い青年、オペラ座のパトロンとして登場する。アップで撮られると無理した老け役であることがはっきりわかるが、ミュージカルそのものには全く影響がない。
後述のクリスティーンとは幼なじみで「ラウル」というのが姓名の名に当たるもの(姓に当たる部分はシャニュイ)。二人は別れ別れになっていた期間があるが、クリスティーンが主役として出演した最初の公演で再会する。クリスティーンだけが彼を「ラウル」と名で呼び、他の登場人物は「(シャニュイ)子爵」と彼のタイトルで呼ぶ。
※シャニュイとはフランス南東部のソーヌエロワール県にある小さな共同体で、昔は子爵領であったようだ。簡単に例えるなら日本で言えば江戸時代の伊達藩の一部である田村藩のようなもの。Le Vicomte de Chagny を英語に置き換えると The Viscount of Chagny。爵位の後に治めている地域名が来る(例:(The) Duke of Edinburgh エジンバラ公爵=エリザベス2世の夫君、(The) Duchess of Cornwall コンウォール公爵夫人=チャールズ皇太子の配偶者カミラ夫人:いずれもタイトルは2021年3月現在)。といっても実際に昔のように政治力を発揮しているのではなく単なる名称(日本では越前守、丹波守、上野守等の名称がこれに近い)。

Carlotta Giudicelli カルロッタ・ジュディチェリ 役 Wendy Ferguson (ウェンディー・ファーガソン)
イタリア人のソプラノ歌手。数年オペラ座でプリマドンナを勤めてきた。ミュージカルの冒頭、今夜が初演のオペラ「ハンニバル」(ロイド・ウェバーによる架空のオペラ)のリハーサルでアリアを歌うが、怪人によるちょっとした事故があり途中で投げ出してしまう。そこでクリスティーンが代役を勤めることになり初演は大成功する。その後、オペラ「イル・ムート」(これも架空のオペラ)では伯爵夫人役になるが、怪人に邪魔される。更にオペラ「ドン・ファンの勝利」(同じく架空のオペラ)では端役として登場。
ウェンディー・ファーガソンは英語を母語とする俳優であるが、イタリア語訛りの英語を上手に真似ていて、本当のイタリア人オペラ歌手のように演じている。

Ubaldo Piangi ウバルド・ピアンジ 役 Wynne Evans (ワイン・エヴァンス)
イタリア人のテノール歌手。カルロッタの恋人という設定で、カルロッタに引きずられいつも二人で行動している。オペラ「ハンニバル」ではハンニバル役を勤めるが、カルロッタと共にリハーサル中に去ってしまう。その後彼女と共に戻って来るが、オペラ「イル・ムート」では出番なし。次の「ドン・ファンの勝利」ではドン・ファン役を勤めるが、途中で怪人に殺され役を入れ替わられてしまう。
ワイン・エヴァンスは英国ウェールズ出身であるが、彼もイタリア語訛りの英語を上手に演じ、いかにもオペラ歌手であるかのような雰囲気を出している。

Monsieur Reyer レイエ 役 Philip Griffiths (フィリップ・グリフィス)
オペラ座の音楽監督・指揮者。俳優に音楽的な指導をしたり、オペラの進行を裏から支える人物。音楽に関しては俳優たちに厳しく対応する。

Monsieur Lefèvre ルフェーブル 役 Simon Green (サイモン・グリーン)
オペラ座の経営者(マネージャー)。数年来のオペラ座での度重なる事件(具体的には言及されていない)に愛想をつかし経営から手を引こうとしている。新しい経営者を紹介すべく「ハンニバル」のリハーサル中に2人の男性を伴って現れる。紹介後にちょっとした事件が起き、カルロッタとピアンジが逃げ出し、彼もすぐにその場を去って、それ以降オペラ座に顔を出すことはない。サイモン・グリーンは、ルフェーブル役の後、他の場面で名もない端役として出演しているかもしれない。

Richard Firmin リシャール・フィルマン 役 Barry James (バリー・ジェイムズ)
ルフェーブルが連れてきた新しい経営者の一人。現実的で主に金銭や興業の成功に関心がある。経営的な観点からクリスティーンとカルロッタの起用について揺れるが経験のあるカルロッタにすることで怪人の怒りを招く。「ドン・ファンの勝利」では、シャニュイ子爵の案及び怪人の要求通りクリスティーンが、ドン・ファンの罠にはまるアニタ役になる計画に同意する。
ストリーの舞台がパリなので英語ではリチャードという綴りがフランス人の同じ綴りの人名はリシャールと発音される。

Giles André ジル・アンドレ 役 Gareth Snook (ガレス・スヌーク)
フィルマンとオペラ座を共同経営する人物。2人は苗字を呼び捨てにしてお互いを呼ぶ。フィルマンとは対照的にお調子者の傾向があり、登場早々にカルロッタにおべっかを使う。また、フィルマン同様、プリマドンナを誰にするかで迷うが、心ならずも状況に流されカルロッタを選ぼうとする。彼もシャニュイ子爵やフィルマンと同様、怪人を捕えるためにクリスティーンにアニタ役をやってもらうことに望みをかける。

Meg Giry メグ・ジリー 役 Daisy Maywood (デイジー・メイウッド)
クリスティーンの親友。後述のマダム・ジリーの娘。クリスティーンがマダム・ジリーに引き取られてから2人一緒にオペラ座のバレリーナとして出演している。「ハンニバル」では奴隷の踊り子、「イル・ムート」では伯爵夫人付きの侍女、「ドン・ファンの勝利」ではドン・ファンの召使という役。クリスティーンが誰かに歌のレッスンを密かに受けていることに気づいている。また、怪人の存在は知っているが、クリスティーンに歌を教えているのが彼であることは分かっていない。「ハンニバル」のリハーサルでは怪人のことを最初に口にしたり、クリスティーンを最初にカルロッタの代役に推薦したり、初演成功後にクリスティーンと会話(二重唱など)を交わしたりする。その後もたびたびマダム・ジリーと登場し、その場を彩る重要な人物である。ミュージカルの最後の場面では、舞台で一人、怪人が姿を消した後に椅子の上に残された仮面を手にして静かに辺りを見回す。

Joseph Buguet ジョゼフ・ブケ 役 Nick Holder (ニック・ホルダー)
オペラ座の大道具主任。「ハンニバル」リハーサル中の事件で怪人の存在を匂わしたり、バレリーナたちを脅したりするが、「イル・ムート」上演中に起きた混乱の中で怪人に首を吊られて殺される。

Madame Giry マダム・ジリー 役 Liz Robertson (リズ・ロバートソン)
オペラ座のバレー監督。メグ・ジリーの母親でありクリステイーンを引き取ってバレリーナとして育てている。怪人に関する昔のことやクリスティーンに歌を教えているのが怪人であることを知っていて、これまでオペラ座で起こった奇妙な事件は怪人の仕業だと薄々気づいている。また、怪人のメッセンジャー役をせざるを得ない立場に立たされることもあり、穏便に事を済ませようとして努力するが、最終的に知っていることをシャニュイ子爵(ラウル)にすべて教え、皆で怪人を捕えることに力を貸す。

Christine Daaé クリスティーン・ダーエ 役 Sierra Boggess (シエラ・ボーゲス)
クリスティーという表記は英語の発音に近い表記である。パリが舞台であるから他の人物のようにフランス語に近い表記をすればクリスティーになるだろうが、ミュージカルの中ではクリスティーと聞こえるのでそのように記していく。
スェーデンのヴァイオリニストを父に持ち、父が存命中はラウル(シャニュイ子爵)と一緒に遊んだ仲だったが、父の死後マダム・ジリーに引き取られラウルとも別れ別れになってしまった(このあたりの経緯はミュージカルの中でそれとなく分かる程度)。メグと共にオペラ座のバレリーナをしているが、秘密裏に怪人から歌のレッスンを受けていて主役を務めることができるほど上手になってきている。クリスティーンはカルロッタの代わりに「ハンニバル」で見事にエリサ役を演じ初演を成功させる。その初演後にラウルと再会するがすぐに怪人によって地下へと連れ去られる。
怪人が音楽の王国と呼ぶ地下で恐ろしくも不思議な時を過ごした後地上へ戻ったクリスティーンは「イル・ムート」でカルロッタが怪人によって歌えなくなるのを目の当たりにする。彼女はラウルの腕の中で怪人の恐ろしさを思い出し震えるが、同時に彼の音楽への思いを改めて認識する。しかし、クリスティーンはそれとは別に、幼なじみのラウルとの再会によって自分でも知らず知らずのうちに秘めていたラウルへの思い、ラウルの優しさ、そしてラウルの彼女に対する思いを知ることによって彼の求めに応じ密かに婚約する。その様子を見ていた怪人はクリスティーンを自分に取り戻そうと決心する。オペラ座の舞台ではクリスティーンがカルロッタの代わりに伯爵夫人を演じるが、怪人の怒りによってシャンデリアが落ちる。
半年後の演目「ドン・ファンの勝利」でクリスティーンはいやいやながら説得に応じて怪人をおびき寄せるため怪人の要求通りアニータ役を演じるが、途中で怪人に連れ去られてしまう。
他の出演者がほとんど英国で学び英国を本拠地としているのに対し、シエラ・ボーゲスはアメリカで演劇を学び、デビューもアメリカだった。そして2・3の作品を除いてアメリカでの出演が多い(ウィキペディアより)。「オペラ座の怪人」25周年記念公演のクリスティーン役はたった2日間の出演だったがその評価は最高レベルである。

The Phantom of the Opera オペラ座の怪人 役 Ramin Karimloo (ラミン・カリムルー)
生まれつき醜い顔のためサーカスの見世物として扱われてきたが、多彩な才能を持っている。ある時逃げ出して、オペラ座の地下室に隠れ住みクリスティーンに歌の指導をし、彼女をプリマドンナにすべく手を尽くすようになる。同時に彼女に対する思いが募り、ラウルと彼女が恋仲になると怒りと嫉妬を燃やすようになって、様々な災いを引き起こす。自分が作曲したオペラ「ドン・ファンの勝利」上演中にクリスティーンを拉致するが、ラウルたちに追いかけられる。追ってきたラウルを罠にかけるが、クリスティーンの思いを知ると2人を逃し、姿を消す。
ラミン・カリムルーはイラン生まれのカナダ人。正規の音楽教育を受けていないが、ロンドンに向かう船内ショーの役者としてイギリスに渡りロンドンで認められた。俳優としてのキャリアはほとんどロンドンでのもので、ミュージカルへの出演を数多くこなしている(ウィキペディアより)。