※当ブログのシステム設定により、行途中でのスペースが意図したとおりに表示されないことがあります。英語の台詞や歌詞ではおかしな表示が現れることになりますが、ご容赦ください。
また、英語学習者のために、英語の構造や語感をやや残した和訳にしました。日本語にない、日本語らしくない言い回しが多く出てくることになります。プロの翻訳家の和訳を楽しみたい方は是非ロンドンでの25周年記念公演のDVDを手に入れてください。
(ルフェーブルから背景が描かれた幕が落下したことについて問われたブケは・・・)
BUQUET(ブケ)
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Please, monsieur, don't look at me: As God's my witness I was not at my post. 私を見ないでください。神様がご覧になっていましたが、私はそこにいませんでした。
Please, monsieur, there's no one there: and if there is, well then, it must be a ghost… そこには誰もいませんでした。もしいたなら、それは幽霊にちがいないです。
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MEG:(メグ・ジリー、上を見上げて)
He's there, the Phantom of the Opera... オペラ座の怪人がそこにいるんだわ。(※phantom とは幻想、蜃気楼、得体の知れない人物、幽霊という意味。実際に後に Opera Ghost という言われ方もしているが、一般的な邦訳「怪人」を使うことにする。)
FILMIN:(フィルマン)
Good heavens! I have never known such insolence. とんでもない。今までこんな無礼なことはなかった。
ANDRÉ:(アンドレ)
Signora, please. These things do happen. 落ち着いてください。こんなことはよくあることです。
CARLOTTA:(カルロッタ)
These things do happen? You have been here five minutes! What do you know? Si! These things do happen, all the time.
よくあることですって? あなた方はここに5分しかいないのよ。何を知っているの? そう、こんなことはいつも起こっているの。
For the past three years, these things do happen. And did you stop them happening? No! And you …
この3年間こういうことが起きているわ。(そしてルフェーブルに向かって)で、あんたはそれを起こらないようにしたの?
You’re as bad as him. These things do happen.
(次にアンドレたちに)あんた方だって彼と同じく役立たずよ。実際こんなことが起こるんだもの。
Well, until you stop these things happening, this thing does not happen!
で、あんた方がこんなことが起きないようにするまで、このこと(自分が出演すること)はなしにするわ。
(カルロッタ、肩から前方に巻いていたステージ用ストールを後ろに投げ捨てるように外す。)
CARLOTTA:(カルロッタ、ピアンジにイタリア語で)
Ubaldo! Andiamo! ウバルド、行きましょう!
PIANGI:(ピアンジ、小走りでカルロッタの後を追うが、途中でわざわざ引き返し、アンドレとフィルマンに向かって言う)
Amateurs! ド素人めが!(再びカルロッタを追う)
LEFÈVRE:(ルフェーブル)
I don't think there's much more I can do to assist you, gentlemen. Good luck. If you need me, I shall be in Frankfurt.
お二方、私にはこれ以上お助けできることがあるとは思えません。幸運を祈ります。何かありましたら私はフランクフルトにおります。
ANDRÉ:(アンドレ)
But Monsieur … でも、ルフェーブルさん…
LEFÈVRE:(ルフェーブル、周囲の人々に)
Move, please. Out of the way. どうか、道を開けて。(と言ってその場を去る)
ANDRE:(アンドレ、気を取り直すように)
La Carlotta will be back. カルロッタは戻って来るさ。
GIRY:(マダム・ジリー)
You think so, Messieurs? I have a message, sir, from the Opera Ghost.
そうでしょうか?私はオペラ座の幽霊(怪人のこと)から手紙を預かっています。
FIRMIN:(フィルマン)
Oh, God in heaven, you're all obsessed! いやはや、皆憑りつかれている。
GIRY:(マダム・ジリー)
He merely welcomes you to his opera house and commands you to continue to leave Box Five empty for his use and reminds you that his salary is due.
彼(怪人)は単にあなた方を彼のオペラ・ハウスに歓迎しているんです。そして彼が使えるように5番のボックス席をずっと空けておくようにと要求し、彼に給料を払うことは義務だと言っています。
FIRMIN:(フィルマン)
His salary? 彼の給料だって?
GIRY:(マダム・ジリー)
Monsieur Lefèvre paid him twenty thousand francs a month. Perhaps you could afford more, with the Vicomte De Chagny as your patron.
ルフェーブルさんは彼に毎月2万フラン払っていました。多分、パトロン(金銭的支援者)がシャニュイ子爵なら、お二人はもっと払えるでしょう。
ANDRÉ:(アンドレ、マダム・ジリーに)
Madame, I had hoped to have made that announcement myself.
マダム・ジリー、そういった発表(シャニュイ子爵が支援者であること)は私自身がしたかったです。
GIRY:(マダム・ジリー、フィルマンに)
Will the Vicomte be at the performances tonight, monsieurs? 子爵は今夜公演に来られるのですか。
FIRMIN:(フィルマン)
In our box. 我々のボックスにね。
ANDRÉ:(アンドレ、マダム・ジリーの腕を取ろうとする動作と共に)
Madame, who is the understudy for the role? マダム・ジリー、(カルロッタの)代役は誰ですか。
(マダム・ジリー、冷たくアンドレの手をかわす)
REYTR:(レイエ)
There is no understudy, monsieur - the production is new. 代役なんていませんよ。新作ですから。
MEG:(メグ・ジリー、クリスティーンの手を引きながら)
Christine Daaé could sing it, sir. クリスティーン・ダーエが歌えます。
FIRMIN:(フィルマン)
A ballet girl? バレリーナの?
MEG:(メグ・ジリー、フィルマンに)
Well, she's been taking lessons from a great teacher. ええ、偉大な先生のレッスンを受けているんです。
ANDRÉ:(アンドレ)
Oh, from whom? ん、誰の?
CHRISTINE:(クリスティーン、不安げに)
I don't know, sir. 分かりません。
※ミュージカルではクリスティーンが歌のレッスンを受けてきた経緯が全くと言っていいほど省かれている。ガストン・ルルーの原作では、クリスティーンはかなり長い期間、怪人が誰であるのか分からないまま、ほぼ毎晩、夢遊病者のようになって怪人に歌のレッスンを受けていた。怪人はクリスティーンの才能を見出し、彼女をプリマドンナに、そして自分のものにすべく全力を傾けて指導しており、オペラ座にさまざまな災いを起こすことによってカルロッタを追いだし、彼女が主役になるための機会を整えようとしているのである。
FIRMIN:(フィルマン)
Oh, not you as well! 君じゃダメだ。(そしてアンドレに) Can you believe it? 信じられるか?
A full house - and we have to cancel! 全席キャンセルだ!
ANDRÉ:(アンドレ、手招きして)
Daaé? That’s a curious name. Any relation to the violinist? ダーエ?珍しい名前だ。バイオリン奏者と何か関係は。
CHRISTINE:(クリスティーン)
My father, sir. 父です。
GIRY:(マダム・ジリー)
Let her sing for you, Monsieur. She has been well taught. 歌わせてやってください。よく教えを受けています。
ANDRÉ:(アンドレ、 間をおいてから)
Very well. よろしい。
REYER:(レイエ)
Oh, from the beginning of the aria then, mam'selle. Gentlemen, please. (クリステーンに)では、アリアの最初から。(アンドレ達に)皆さんお聞きください。
(メグ・ジリー、カルロッタが使っていたケープをクリスティーンに手渡す。ピアノからメロディーが流れ、クリスティーンはおずおずと歌い出す。)
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