東京リサーチ日記

「なう」は永久に運営しておりません。なうからフォローしても、なうからペタをしても必ず削除しますので、ご注意ください。

東京駅などで「新人研修で」と言って、人の良心につけ込んで名刺を集めるスーツ姿に気をつけよう・・・

2020-03-27 00:00:00 | 日記
 2020年3月27日、「新人研修中で、名刺を集めています。よかったら名刺をいただけませんか」。東京駅の構内で、こんなふうに声をかけられて、気軽に応じたら、あとで不動産の営業電話がかかってきた事例があった。声をかけてきたのは、スーツ姿の若い男性だ。「応援するつもり」で名刺をわたしたところ、後日、その男性とみられる人から、不動産の勧誘電話がかかってきた。断っても「そんなこと言わずに」と粘られたため、無理やり電話を切ることになったようだ。「研修中」と称した名刺交換のあとに営業電話がかかってくるケースはかなりあるのだ。声をかけてきたのは、スーツ姿の若い男性が個人情報取扱事業者の場合、個人情報取扱事業者は、偽りその他不正の手段によって、個人情報を取得することを禁止されている(個人情報保護法17条)。個人情報取扱事業者とは、事業用に保有する個人情報が過去半年のうち1日でも「5000件」を超える事業者のことだ。この規定に違反した場合、事業者を管轄する大臣、つまり、不動産の場合は国土交通大臣が、その行為を中止させる勧告や命令をすることができます。事業者が従わない場合には、刑事罰もあるのだ。個人情報取扱事業者ではない場合は、人を欺いて名刺を渡させる行為は、そもそも詐欺にあたるのだ。民事上、相手に名刺を渡させた行為者には不法行為責任、指示をした業者にはその使用者責任が発生します。また、刑事上でも行為者には詐欺罪、業者または上司には、その教唆が成立する可能性があるのだ。ただし、名刺そのものは財産的価値が必ずしも高くないため、実際にこれらの責任を追及することは難しいかもしれないのだ。この場合、あとから営業電話がかかってきても、引っ掛からないように注意するほかありません。もちろん、営業電話が強引だったり、詐欺的だったりした場合は、そのこと自体によって、契約の取消しや業者に対する制裁もありえるのだ。もし、宅地建物取引業者の場合は、個人情報取扱事業者であるか否かを問わず、業務に関して法令違反があり、宅地建物取引業者として不適当として判断されるときは、業務停止や免許取消しとなる可能性があるのだ。「新人研修で」と言って、人の良心につけ込んで名刺を集め、営業電話をかける行為には、リスクがあるようだ。正当な営業行為をすることが、長期的に見ても健全で安定的な利益が出ないであろう・・・東京駅などで「新人研修で」と言って、人の良心につけ込んで名刺を集めるスーツ姿に気をつけよう・・・(井森隆)