「テッテケテケテケ～！」

思い出の分だけ胸が痛む。 想いは 溢れ出し止まらない。



とにかく早く会いたくて車に飛び乗った。
黒いネクタイがこんなに憎く苦しいと思った事はない。


見上げた青い空は春さえ感じさせた。


後一歩で辿り着くはずの曲がりくねった道のりは心の内の様。

足早に車を停めた。
小刻みにサーフミュージックを感じさせるハイハットが聞こえ始めた。
今日は我慢出来ていたはずの想いが溢れ出してしまった。


何度も一緒に聞いたメロディーが優しくみんなを迎える。
心なしかみんなが笑顔に観え、祭壇の花達もエレキを自慢する。

入口には遅いぞとジャズべとレスポールが威張る。
その奥では、あの時のエラーを許せないグローブ達が後悔し、
右方向への打球が得意なバットは生涯打率を計算していた。

ノリの良いリズムとサーフなエレキの魔法効果は
プロデューサーの予想をはるかに越えていただろう。




数々の思い出が甦る。




CDEHさんは僕よりも何倍もの長い道のりを来たのだろう。
疲れ果てたその身体に魔法は効きすぎたのだろう。

スマイリーさんの読むラブレターは甘酸っぱく、台本通りの演出に
安らかに眠るプロデューサーが照れ笑っていた。

すごく周囲と僕を気遣ってくれるファンキーさんもまた、現実を
認めたくない様子。

ショウヘイもギター達にノリが悪いぞとからかわれるが
今日は相手に出来ないとクールに背く。



春の空はいつの間にか別れを惜しんでいた。



最後に取っておいた「let it be」が、「また必ず会おう」と
メッセージを伝え、その役目を果たして胸に響き渡る。


思い出に痛み苦しんでいた胸も
今はライブが終わった時に似ている。

溢れ出していた想いも順序良く流れ
サーフミュージックの様。





魔法が解けないうちに前へカッコ良く進みたいと思う。
リズム良く、そう「テッテケテケテケ～」と。



メッセージは受け取りました。

必ず天国で見ていて下さい！

スマイリー岡本with東京ドドンパクラブを！！