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(紅葉した落葉樹林の向こうに古御岳を望む)
注意:上久通から吹上山へは道がありません。
一般的に奥武蔵の山は杉や檜の暗い林ばかりというイメージがある。奥武蔵のマイナーなルートを歩いてきたボクもその意見には頷かざるを得ないほど針葉樹の植林帯が多いのは事実だ。しかし一般のハイキングルートに関していえば落葉広葉樹林が少なくないとも感じる。高麗川の左岸(北側)でいえば関八州見晴台やグリーンラインで標高の高い所は新緑や紅葉を楽しめたし、横瀬の丸山と日向山や二子山から武川岳までの縦走路、名栗のウノタワから横倉山や蕨山から大ヨケノ頭なども落葉樹林が広がっているのを紹介してきた。そして奥武蔵で一二を争う著名な山である伊豆ヶ岳周辺も山頂部は落葉広葉樹が多く、2017年のGWに歩いた際に新緑を楽しんだという記録が残っている。そこで11月になれば紅葉も美しいだろうと、今回は伊豆ヶ岳とその南隣の古御岳をメインとした計画を立ててみた。紅葉鑑賞が主目的なので普通のハイキングルートでもよかったのだが、どうせならまだ歩いてない所も組み込もうということで森坂峠を越えて上久通(かみくずう)から吹上山へのルートを加えることとした。
森坂峠を越えて吹上山
伊豆ヶ岳と子ノ権現を結ぶ縦走路はアップダウンが激しく、グリーンラインが通る高麗川左岸の尾根と比べると時間のかかる道である。そのため始発の次の電車で西吾野駅へと向かう。電車に乗り込んだ頃は真っ暗だった車窓も飯能駅を過ぎた頃から空が白んでくる。高麗川沿いに形成された集落内には赤や黄で染まった落葉広葉樹が目立つ。麓でこれだけ紅葉が進んでいると山の上の紅葉には少々遅かったかもしれない。西吾野駅へ降り立つと東屋の脇の椛が赤く色づいている。駅前ロータリーを出てスロープを下ると西に本陣山が大きい。森坂峠はこの本陣山の南に位置する。
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(西吾野駅前に植えられた椛)
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(右に見えているのが本陣山)
国道299号に出て、山崎集落を南に下る。国道沿いの民家が途切れた辺りで高麗川にコンクリ製の橋が架かっている。その先はゲートで固く閉ざされているが、ここが確か森坂峠の入口だったはずだ。ゲート脇から広い林道に入る。現在の地理院地図には森坂峠道が確りと描かれているが、手持ちの地形図には記載がない。森林組合が林道を整備した際に古い峠道は一旦存在を抹消されたのだろう。実際前回歩いた峠ノクボの峠道は林道整備後、峠道は地図から姿を消している。そう考えると再び峠道が載ったのはそれだけ利用する人が多いということなのかもしれない。林道は急斜面を登っていくが、あまり記憶が無い。前に歩いたのが10年近く前だから当然のことともいえる。
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(このゲートの向こうに森坂峠への道が延びる)
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(森坂峠・吹上山周辺図 出典:国土地理院発行2.5万分1地形図 地理院タイルに文字等を追記して掲載)
林道の傾斜が緩んでくると広い谷に出る。谷の左手には伐採作業中につき立入禁止と書かれた看板が立っている。立入禁止と書かれた奥には林道が鞍部へ向かって延びているようだが、峠道を登れるのだろうか?林道の終点まで行くと薄の藪の中に薄い踏み跡がある。踏み跡を辿ると左岸に道が付いている。これがおそらく10年前に歩いた道だがどうにも記憶がない。道は谷をトラバースするように延びているのだが、更に左岸側にも沢があり、かなり不安定な感じだ。道が左に曲がると谷が二手に分かれる。「奥武蔵登山詳細図」(吉備人出版)の著者である池田和峰氏のブログによると右の谷を上がるのが新しい森坂峠で、左の谷には古い森坂峠があったという。しかし現在では旧峠のほうに林道が延びており、立ち入ることは難しくなっている。
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(立入禁止の看板 右手に林道が延びている)
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(来し方を振り返る 藪の中に踏み跡がある)
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(峠道が延びる 道自体は明瞭)
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(左奥へ延びる林道が旧峠道 新峠道はプラ製道標に従い右へ登る)
新しい峠道に入ると傾斜が急な所を直線的に上がっていく。割と整備された道ではあるが、体力的には少し厳しい。詰めをジグザグに上がると森坂峠に着く。峠道が越える小さな鞍部にはプラ製の道標が木に括り付けられている。10年前にあった峠を示す白い杭はどうしたのだろうと思っていると、引き抜かれて地面に打ち捨てられていた。
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(峠道 直線的に登るので朝一の登りとしてはきつい)
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(森坂峠 約10年ぶりの再訪である)
峠から下久通(しもくずう)側へと下る。道は確りしているが傾斜は急だ。夜から早朝にかけて霧が出ていたせいか地面が露に濡れてつるつると滑る。谷が深いのでかなり恐怖感がある。これなら池田氏が指摘しているように旧道のほうが傾斜は緩くて歩きやすかったかもしれない。傾斜が緩むと丸太橋で沢を渡り、民家裏に出て、舗装路に下り立つ。逆ルートで歩く場合には川の側に立つ道標が目印だ。
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(谷の右岸をトラバースしながら下る 朝露で滑る)
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(ここまで来ると傾斜も緩む)
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(ここが下久通側の入口)
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(逆ルートの場合、この道標が目印となる)
下久通の集落からしばらくの間舗装路を行く。一旦林道日用(池田氏によると「ひゆう」と読むらしい)線を下り、日用橋で南川上名栗線を西に入る。下久通の民家にはクルマが停まっていることが多く、集落にはまだ多くの人が住んでいることが窺える。黄色く色づいた銀杏の木の下にある不動明王の祠を過ぎると林道子の山線との分岐に出る。ここが吹上山から北東に延びる尾根の端に当たる。子の山線に入るとすぐに地形図に表れない谷があり、分かれた尾根上に踏み跡らしきものがある。どちらの尾根を使っても上部で合流しそうだが、とりあえず奥の尾根が上がってみることにする。
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(下久通の集落)
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(集落内にある椛)
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(不動明王の祠)
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(林道子の山線が左に延びる)
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(ここから吹上山を目指す)
奥の尾根に上がると先ほど踏み跡らしきものに見えたのは獣道だったことがわかり、山頂に向かって延びているものではなかった。ただ林床には落ち葉や下草が全くない杉林なので、尾根の天辺を目指して適当に歩いて行ける。途中右手から明瞭な中腹道が延びてきているが、合流先は尾根の天辺で止まっているので、ここからは尾根上を行けばよいということなのだろう。尾根に出た後はしばらく傾斜が緩い。特段道となっているわけではないので、馬酔木などの幼木に行く手を遮られることもある。枝を避けつつ進めば特に問題は無いのだが、たいていこういった所は蜘蛛の巣だらけなので、ストックを前に振って歩かなければならない。
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(最初は緩やかな斜面なので適当に尾根上へ向かって歩く)
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(尾根を横切る中腹道が延びる 画像手前に進めば尾根に出られる)
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(馬酔木の幼木に邪魔される ただ尾根は明瞭)
杉檜の林に紅葉した落葉樹が混じってくると傾斜がきつくなる。地図ロイドで現在地を調べるとここから吹上山の肩のような所まで標高差は80mほどらしい。肩の部分に近づくにつれて傾斜はますます急になっていく。それでも15分弱登り続ければ傾斜がフラットな肩に出る。吹上山は地形図でみると逆への字形をした山頂で、今は東の端にいる。細長い山頂部は地形図をみてもわかるようにアップダウンがあるが、実際に歩いてみるとあまり気にならない。落葉樹の混じる文字通りの雑木林から檜の純林へやってくるとそこが吹上山の頂上で、木に標識がビス止めされている。頂上は地形図で想像するよりも狭く、南側は急な斜面となっている。子ノ権現と伊豆ヶ岳を結ぶ縦走路は南側にあるのだが、この斜面を下りるのは骨が折れそうだ。
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(落葉樹が混じってくる この辺りから傾斜が急に)
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(吹上山の肩に出た 山頂までは緩やかに登る)
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(吹上山頂上)
山頂で一息付いたところで南への道を探る。急斜面の下にはフラットな地面が見えているのであそこまで下りられれば縦走路に行くのは難しくなさそうだ。どこか下りやすそうな所はないかと探していると赤テープの先に薄い踏み跡がある。ここも急傾斜で歩きやすいとは言い難いものの、吹上山を行き来した先人たちの足跡が残っている。慎重に下りきるとフラットな尾根の先が明るい。どうやら伐採地があるようだ。檜の林を抜けると送電鉄塔の立つ伐採地に出る。伐採地といっても広い鞍部に造られたものなので、見晴らしが良いという訳ではない。奥武蔵登山詳細図によると安曇野幹線342号に当たるそうなのだが、送電線が張られていないのが気になる。灌木の藪を抜けて鉄塔を振り返ると伊豆ヶ岳らしき山の山頂部が見える。ここから見る限りではまだ紅葉した木が残っていそうだ。
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(安曇野幹線342号鉄塔の立つ伐採地)
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(伐採地からは伊豆ヶ岳の山頂部が見える)
鉄塔のある鞍部から縦走路へは標高差にすると70mの登り返しだ。ただ傾斜はそれほどきつくなく、送電鉄塔用の黄色い管理ポストを過ぎると紅葉した落葉樹林が西側に広がる。池田氏がブログでこの落葉樹林を褒めていて、実際に見るとその美しさは称賛に価すると思う。気分良く歩いていると前方にベンチが見えてくる。いつの間にか伊豆ヶ岳と子ノ権現とを結ぶ縦走路に出ていたのだ。駅を出てから2時間以上経過しており、また道の無い急傾斜のルートだったことを考えるとあまり効率の良いルートとは言い難い。吹上山の山頂を踏んでみたい人は縦走路と山頂を往復するだけでも十分満足感は得られるだろう。
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(黄色い管理ポストを過ぎると落葉樹林が続く)
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(伊豆ヶ岳・子ノ権現間の縦走路に出た)
紅葉の伊豆ヶ岳から正丸駅へ
伊豆ヶ岳と子ノ権現の間の縦走路は当ブログでは過去2回歩いている。ブログを始める前も入れれば少なくとも5回は歩いているルートだが、子ノ権現側から伊豆ヶ岳方面へと歩くのは今回が初めてだ。まずは天目指峠(あまめざすとうげ)へと下る。木の根が張り出した急斜面は登りではいつも苦しめられたが、下りに採っても歩きづらいことに変わりない。車道が乗り越す天目指峠へ来ると今日初めて登山者とすれ違う。9時頃ということでやや早い時間ではあったが、伊豆ヶ岳に着くまでには相当数の登山者と遭遇することになった。
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(天目指峠東の急斜面 木の根が張り出して歩きづらい)
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(天目指峠 味気ない車道が通っているが周囲は古い峠の雰囲気もある)
伊豆ヶ岳から子ノ権現にかけての縦走路はアップダウンの激しい道という印象が強いが、特にきついのは伊豆ヶ岳から高畑山の間と天目指峠から子ノ権現の間だ。今日はそのうち片方だけを歩けばよいのでいくらかは楽なはずである。峠からよく整備された山道が続く。木段の斜面があるものの、概ね傾斜は緩い。気分良く歩いていると見慣れない林道が山道に合流してくる。立木にかけられた看板によると木材運搬作業を来年の2月24日まで行うとのこと。林道は度々登山道と交錯するので林道を歩きたくなってしまうが、作業期間中は立入禁止になっている。やがて尾根が南西方向へと折れる急斜面の登りに差し掛かる。ここは道が付け替えられた所で、それでも下りに採ると危なっかしく感じた場所でもある。この急斜面を登りきると林道が迂回して合流してくる。現在は立入禁止となっているが、工事終了後は林道を本線にしたほうがよいのではないかとも思う。この辺りはかつて転落事故を間近で目撃したこともあるし、アップダウンの多さを考えると危なっかしく感じるほどのトラバース道の利用は避けたほうがよいのではないだろうか。
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(新たに林道ができていた 度々登山道と交錯する)
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(奥の斜面が歩きにくいトラバース道 右へ林道が迂回しているがいずれ本線になりそう)
依然林道が交錯する緩やかな尾根を進む。かつては分岐がわかりにくかった中ノ沢ノ頭へは明瞭な道が付けられている。山頂(622.7)に出ると黄色く色付いた木々が出迎えてくれる。暗い檜の山頂とばかり思っていたので、紅葉が見られるのは意外であった。中ノ沢ノ頭から下りた後も高畑山までは緩やかな尾根が続く。途中地理院地図にも描かれているように安曇野幹線339号鉄塔があり、周囲の眺めが良い。ただここも送電線は外されている。送電鉄塔の立つ伐採地から10分も歩けば楢生の高畑山(なろうのたかばたけやま 695)に着く。ここは冬枯れの時期に訪れることが多く、落葉樹は無いものと思っていたのだが、北側斜面は黄色く色付いた木が多い。
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(正面が中ノ沢ノ頭 右に巻き道もある)
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(中ノ沢ノ頭頂上)
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(中ノ沢ノ頭頂上の紅葉)
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(青葉と紅葉との斑模様が日本の紅葉の特徴だ)
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(松の大木)
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(安曇野幹線339号鉄塔の立つ伐採地)
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(伐採地から西の眺め)
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(伐採地から東の眺め)
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(高畑山が見えてきた これまでのところ歩きやすい道が続く)
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(楢生の高畑山頂上)
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(北側は落葉広葉樹がある)
高畑山から下ると馬酔木の生えるフラットな尾根を行く。馬酔木は樹高の低い常緑広葉樹なので、その上を黄色く色づいた木が覆うことが多い。結構傾斜が急な名無しのピークを越えると落葉広葉樹林が広がる。この辺りから伊豆ヶ岳までが縦走路中で最も紅葉を楽しめる所となっている。鞍部から見ると古御岳の山頂部はやや葉を落としているようだ。鞍部から古御岳頂上までは標高差が130mあるかなり厳しい登りだ。だが南側斜面に付けられた道は落葉広葉樹が多く、紅葉に励まされつつ九十九折を登っていく。山頂直下は大きなジグザグを描いて何とか急斜面に対応しようとしているのだが、下りに採るとかなり恐怖感を感じる所だ。この厳しい登りが終わると古御岳の頂上に出る。東屋が立つだけの見晴らしの無い頂上ではあるが、山頂部は落葉広葉樹林に覆われており、紅葉が美しい。ただその分休憩していく人も多く、のんびりと出来ないのが残念ではある。
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(高畑山と名無しのピークとの間には馬酔木のトンネルが続く)
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(名無しのピークへなかなかの急な登り)
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(名無しのピークを過ぎると古御岳が見えてくる)
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(梢越しに古御岳を望む縦走路)
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(古御岳南側斜面の紅葉)
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(山頂直下の九十九折)
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(古御岳の山頂部は椛が多い)
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(古御岳頂上 東屋と数基のベンチがある)
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(古御岳頂上の紅葉)
古御岳の北側斜面は南側ほど傾斜がきつくない。伊豆ヶ岳から子ノ権現にかけての縦走路は伊豆ヶ岳から子ノ権現に向かったほうが体力的には楽だが、安全面を考えたら逆のほうが良い。ただ鎖場を経験したいのであればやはり伊豆ヶ岳を先に登るしかない。一旦檜の林に入り、林道上久通線への分岐を見送る。ここも何度か訪れている所だが、なかなか歩く機会に恵まれない。同じくまだ歩いたことのない東尾根とセットで歩くのが現実的だろうか。この分岐がある鞍部から伊豆ヶ岳の頂上までは100mの標高差がある。古御岳の南側斜面に劣らず厳しい道で、崩れかかった木段もあるので人によってはこちらのほうが歩きにくいかもしれない。山伏峠への分岐に差し掛かると山頂まで落葉広葉樹林が広がる。古御岳より標高が高く、また山桜の木が多いので落葉している木もあるが、モミジなどは十分に紅葉を楽しめる。山頂(850.9)に出ると古御岳と同じく人が多いものの、山頂部が南北に細長いので休憩するスペースには困らない。
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(古御岳北側斜面も落葉樹が多い 伊豆ヶ岳も梢越しに見える)
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(古御岳を振り返る 北側斜面のほうが歩きやすい)
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(古御岳北側斜面の紅葉)
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(古御岳と伊豆ヶ岳との鞍部は檜の植林帯 伊豆ヶ岳への登りも最初は植林帯を行く)
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(伊豆ヶ岳山頂部に近づくと落葉樹が多くなる)
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(山伏峠分岐付近)
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(伊豆ヶ岳頂上)
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(頂上の紅葉)
紅葉鑑賞も終わり、あとは下山するだけだ。最も歩きやすいルートは大蔵山経由で大蔵山集落へと下りる道だが、上りでも下りでも頻繁に使っているルートなのでできれば違うものにしたい。正丸峠から大蔵山集落へと下る道は2016年に歩いて以降訪れた記録がないので、久しぶりにこれを使ってみたい。山頂から北の鎖場へ向かうと途中西に巻き道が下っている。現在安全に下れるのはこの道だけだ。一旦鎖場のある岩の手前にある岩に上がって北西に開けた展望地に出る。西から蕎麦粒山・三ツドッケに連なる尾根が最奥に見え、その手前には大持山・小持山が見える。一番手前の前武川岳・武川岳は若干枝に邪魔されるが、双耳峰のような櫛形の山容はなかなか形が良い。武川岳から北に連なる尾根はまたしても枝に邪魔される所が多く、大きく山頂部が持ち上がった二子山だけがすっきりとした山容を見せている。晴れていれば武川岳辺りの紅葉が美しかったに違いないのだが、曇天では今一つ冴えず、おまけに風も出てきたので早々に巻き道を下ることにする。
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(立て札の向こうに岩場がある 巻き道は左へ下る)
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(岩場から北西に展望が開ける)
下り始めは土留めの木段が付けられた急坂だ。家族連れなど登って来る人が多く、すれ違うのに時間がかかる。ただかつての女坂に比べると道は確りとして歩きやすいほうだ。木段が終わると杉林をトラバースする。杉林を抜けるとここでも紅葉が見られる。再び尾根に出て男坂である鎖場の下に着く。まだそれほど遅い時間でもないためか鎖場に取り付く人もいる。男坂の基部から登り返した所が五輪山で、広い山頂は小学生の時の遠足で休憩地だった記憶がある。ベンチで休憩を取っていると数人の登山者が五輪山の東尾根を登って来る。2019年の台風で長らく通行止めとなっていたが、胸突き八丁コースは無事復旧したようだ。飯能市のwebsiteによるとハイキング道の通行止めは名郷からウノタワ・妻坂峠の間だけとなっている。
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(木段が終わると杉林をトラバースする かつての女坂より歩きやすい)
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(武川岳が見える)
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(杉林を抜けると落葉樹林)
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(正面が鎖場のある男坂 巻き道は右に入る)
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(五輪山 広い山頂だ)
五輪山から北はもう難しい所は無いと思っていたのだが、山頂直下の北側斜面は土留めが崩壊して酷い状態だ。巻き道もあるが大蔵山経由で登って来る登山者も多いので、ハードル状になった木段を律儀に下りていく。ここを下りきってしまえば正丸峠までは緩やかな尾根道だ。大蔵山を西から巻くと長岩峠に着く。間伐が入ったためか林道永井谷線へと下る峠道も見渡せて以前より峠の雰囲気がある。峠のすぐ北を登り返すと小高山に出る。西側斜面が落葉広葉樹林となっていて木々の間からは二子山と甲仁田山が眺められる。ここはかつて茶屋があったほどに山頂が広くベンチもあるので休憩に良い。
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(大蔵山分岐 大蔵山へは右に登る 伊豆ヶ岳から正丸駅へ下るなら大蔵山経由で下るのが一番楽だと思う)
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(長岩峠 左に永井谷林道への道が下っている 右の道は大蔵山への登りだ)
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(小高山からの二子山・甲仁田山)
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(二子山から武川岳までの間の縦走路もかなり紅葉が進んでいる)
小高山を越えれば正丸峠まではエスケープの無い尾根道が続く。地理院地図を見る限りだと落葉広葉樹が多いように感じるが、あまり綺麗な紅葉は見られない。椛や山桜の多い伊豆ヶ岳・古御岳とは違い、薪炭林として整備されてきたためだろうか。正丸峠に近づくと肉の焼ける良い匂いがしてくる。峠に立つ奥村茶屋のジンギスカン鍋の匂いだ。ちょうどお昼時で注文した人がいるのだろう。峠から大蔵山集落へは茶屋裏手の手すりが設けられた急斜面の谷を下る。庭として整備され、ツツジ類が赤く色づいている。ただ椛などはまだ青葉を残していて全体としてはまだ紅葉には早いらしい。
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(小高山より先は色付いても黄色が多い)
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(時折木段があるが大半は緩やかな尾根道が続く)
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(ここを下り切れば正丸峠に着く)
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(正丸峠に立つ奥村茶屋 大蔵山集落へは建物の前を下る)
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(芦沢の詰めは整備された庭となっている)
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(ツツジ類が赤くなっている)
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(道は良く整備されているがかなり急)
谷の詰めを下り切り、道標が見えると道は緩やかになる。2019年の台風で岩井沢林道などは大きく破損したのに比べてそれほど荒れていない。途中仮設橋が落ちて使えない状態にはなっているが、芦沢にはほとんど水流が無く、渡渉すれば済んでしまう。正丸峠ガーデンハウスへの道を分け、荒れ放題の耕作地を過ぎると大蔵山集落の上部に出る。ここからは舗装路なのでもう危険はない。集落の紅葉を眺めつつ30分ほど歩くと正丸駅に着く。距離は短いルートだったのでもう少し早く回ってこられるかと思っていたのだが、結局6時間半以上掛かってしまった。伊豆ヶ岳から子ノ権現の間の縦走路は手強いコースなのだと改めて思い知らされたのだった。
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(詰めを下り切ると芦沢沿いを下っていく)
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(傾斜はそれほど急ではない)
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(落ちた仮設橋 左の側溝から沢へ下りて渡渉できる)
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(下部は歩きやすい道が続く)
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(正丸峠ガーデンハウス分岐)
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(大蔵山集落が見えてきた)
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(馬頭さま近くの椛)
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(秋海棠 奥武蔵の集落で見かけることが多い)
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(紅葉の尾根を見上げる)
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(紅葉の大蔵山集落を行く)
DATA:
西吾野駅6:35→6:47森坂峠山崎側入口→7:07森坂峠7:11→7:22下久通→7:41林道子の山線入口→8:22吹上山→8:47子ノ権現・伊豆ヶ岳縦走路(飯能アルプス)→8:59天目指峠→9:26中ノ沢ノ頭→9:42安曇野幹線339号鉄塔→9:51楢生の高畑山→10:37古御岳10:46→11:10伊豆ヶ岳11:22→11:33五輪山→11:45長岩峠→11:48小高山→12:11正丸峠→12:43馬頭さま→13:09正丸駅
地形図 原市場 正丸峠
交通機関
西武池袋・秩父線 小手指~西吾野 377円 正丸~小手指 409円
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平成24年12月9日 伊豆ヶ岳から子の権現と本陣山
平成29年5月3日 花桐から伊豆ヶ岳を経て子ノ権現
注意:上久通から吹上山へは道がありません。
一般的に奥武蔵の山は杉や檜の暗い林ばかりというイメージがある。奥武蔵のマイナーなルートを歩いてきたボクもその意見には頷かざるを得ないほど針葉樹の植林帯が多いのは事実だ。しかし一般のハイキングルートに関していえば落葉広葉樹林が少なくないとも感じる。高麗川の左岸(北側)でいえば関八州見晴台やグリーンラインで標高の高い所は新緑や紅葉を楽しめたし、横瀬の丸山と日向山や二子山から武川岳までの縦走路、名栗のウノタワから横倉山や蕨山から大ヨケノ頭なども落葉樹林が広がっているのを紹介してきた。そして奥武蔵で一二を争う著名な山である伊豆ヶ岳周辺も山頂部は落葉広葉樹が多く、2017年のGWに歩いた際に新緑を楽しんだという記録が残っている。そこで11月になれば紅葉も美しいだろうと、今回は伊豆ヶ岳とその南隣の古御岳をメインとした計画を立ててみた。紅葉鑑賞が主目的なので普通のハイキングルートでもよかったのだが、どうせならまだ歩いてない所も組み込もうということで森坂峠を越えて上久通(かみくずう)から吹上山へのルートを加えることとした。
森坂峠を越えて吹上山
伊豆ヶ岳と子ノ権現を結ぶ縦走路はアップダウンが激しく、グリーンラインが通る高麗川左岸の尾根と比べると時間のかかる道である。そのため始発の次の電車で西吾野駅へと向かう。電車に乗り込んだ頃は真っ暗だった車窓も飯能駅を過ぎた頃から空が白んでくる。高麗川沿いに形成された集落内には赤や黄で染まった落葉広葉樹が目立つ。麓でこれだけ紅葉が進んでいると山の上の紅葉には少々遅かったかもしれない。西吾野駅へ降り立つと東屋の脇の椛が赤く色づいている。駅前ロータリーを出てスロープを下ると西に本陣山が大きい。森坂峠はこの本陣山の南に位置する。
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(西吾野駅前に植えられた椛)
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(右に見えているのが本陣山)
国道299号に出て、山崎集落を南に下る。国道沿いの民家が途切れた辺りで高麗川にコンクリ製の橋が架かっている。その先はゲートで固く閉ざされているが、ここが確か森坂峠の入口だったはずだ。ゲート脇から広い林道に入る。現在の地理院地図には森坂峠道が確りと描かれているが、手持ちの地形図には記載がない。森林組合が林道を整備した際に古い峠道は一旦存在を抹消されたのだろう。実際前回歩いた峠ノクボの峠道は林道整備後、峠道は地図から姿を消している。そう考えると再び峠道が載ったのはそれだけ利用する人が多いということなのかもしれない。林道は急斜面を登っていくが、あまり記憶が無い。前に歩いたのが10年近く前だから当然のことともいえる。
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(このゲートの向こうに森坂峠への道が延びる)
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(森坂峠・吹上山周辺図 出典:国土地理院発行2.5万分1地形図 地理院タイルに文字等を追記して掲載)
林道の傾斜が緩んでくると広い谷に出る。谷の左手には伐採作業中につき立入禁止と書かれた看板が立っている。立入禁止と書かれた奥には林道が鞍部へ向かって延びているようだが、峠道を登れるのだろうか?林道の終点まで行くと薄の藪の中に薄い踏み跡がある。踏み跡を辿ると左岸に道が付いている。これがおそらく10年前に歩いた道だがどうにも記憶がない。道は谷をトラバースするように延びているのだが、更に左岸側にも沢があり、かなり不安定な感じだ。道が左に曲がると谷が二手に分かれる。「奥武蔵登山詳細図」(吉備人出版)の著者である池田和峰氏のブログによると右の谷を上がるのが新しい森坂峠で、左の谷には古い森坂峠があったという。しかし現在では旧峠のほうに林道が延びており、立ち入ることは難しくなっている。
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(立入禁止の看板 右手に林道が延びている)
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(来し方を振り返る 藪の中に踏み跡がある)
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(峠道が延びる 道自体は明瞭)
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(左奥へ延びる林道が旧峠道 新峠道はプラ製道標に従い右へ登る)
新しい峠道に入ると傾斜が急な所を直線的に上がっていく。割と整備された道ではあるが、体力的には少し厳しい。詰めをジグザグに上がると森坂峠に着く。峠道が越える小さな鞍部にはプラ製の道標が木に括り付けられている。10年前にあった峠を示す白い杭はどうしたのだろうと思っていると、引き抜かれて地面に打ち捨てられていた。
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(峠道 直線的に登るので朝一の登りとしてはきつい)
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(森坂峠 約10年ぶりの再訪である)
峠から下久通(しもくずう)側へと下る。道は確りしているが傾斜は急だ。夜から早朝にかけて霧が出ていたせいか地面が露に濡れてつるつると滑る。谷が深いのでかなり恐怖感がある。これなら池田氏が指摘しているように旧道のほうが傾斜は緩くて歩きやすかったかもしれない。傾斜が緩むと丸太橋で沢を渡り、民家裏に出て、舗装路に下り立つ。逆ルートで歩く場合には川の側に立つ道標が目印だ。
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(谷の右岸をトラバースしながら下る 朝露で滑る)
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(ここまで来ると傾斜も緩む)
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(ここが下久通側の入口)
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(逆ルートの場合、この道標が目印となる)
下久通の集落からしばらくの間舗装路を行く。一旦林道日用(池田氏によると「ひゆう」と読むらしい)線を下り、日用橋で南川上名栗線を西に入る。下久通の民家にはクルマが停まっていることが多く、集落にはまだ多くの人が住んでいることが窺える。黄色く色づいた銀杏の木の下にある不動明王の祠を過ぎると林道子の山線との分岐に出る。ここが吹上山から北東に延びる尾根の端に当たる。子の山線に入るとすぐに地形図に表れない谷があり、分かれた尾根上に踏み跡らしきものがある。どちらの尾根を使っても上部で合流しそうだが、とりあえず奥の尾根が上がってみることにする。
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(下久通の集落)
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(集落内にある椛)
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(不動明王の祠)
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(林道子の山線が左に延びる)
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(ここから吹上山を目指す)
奥の尾根に上がると先ほど踏み跡らしきものに見えたのは獣道だったことがわかり、山頂に向かって延びているものではなかった。ただ林床には落ち葉や下草が全くない杉林なので、尾根の天辺を目指して適当に歩いて行ける。途中右手から明瞭な中腹道が延びてきているが、合流先は尾根の天辺で止まっているので、ここからは尾根上を行けばよいということなのだろう。尾根に出た後はしばらく傾斜が緩い。特段道となっているわけではないので、馬酔木などの幼木に行く手を遮られることもある。枝を避けつつ進めば特に問題は無いのだが、たいていこういった所は蜘蛛の巣だらけなので、ストックを前に振って歩かなければならない。
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(最初は緩やかな斜面なので適当に尾根上へ向かって歩く)
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(尾根を横切る中腹道が延びる 画像手前に進めば尾根に出られる)
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(馬酔木の幼木に邪魔される ただ尾根は明瞭)
杉檜の林に紅葉した落葉樹が混じってくると傾斜がきつくなる。地図ロイドで現在地を調べるとここから吹上山の肩のような所まで標高差は80mほどらしい。肩の部分に近づくにつれて傾斜はますます急になっていく。それでも15分弱登り続ければ傾斜がフラットな肩に出る。吹上山は地形図でみると逆への字形をした山頂で、今は東の端にいる。細長い山頂部は地形図をみてもわかるようにアップダウンがあるが、実際に歩いてみるとあまり気にならない。落葉樹の混じる文字通りの雑木林から檜の純林へやってくるとそこが吹上山の頂上で、木に標識がビス止めされている。頂上は地形図で想像するよりも狭く、南側は急な斜面となっている。子ノ権現と伊豆ヶ岳を結ぶ縦走路は南側にあるのだが、この斜面を下りるのは骨が折れそうだ。
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(落葉樹が混じってくる この辺りから傾斜が急に)
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(吹上山の肩に出た 山頂までは緩やかに登る)
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(吹上山頂上)
山頂で一息付いたところで南への道を探る。急斜面の下にはフラットな地面が見えているのであそこまで下りられれば縦走路に行くのは難しくなさそうだ。どこか下りやすそうな所はないかと探していると赤テープの先に薄い踏み跡がある。ここも急傾斜で歩きやすいとは言い難いものの、吹上山を行き来した先人たちの足跡が残っている。慎重に下りきるとフラットな尾根の先が明るい。どうやら伐採地があるようだ。檜の林を抜けると送電鉄塔の立つ伐採地に出る。伐採地といっても広い鞍部に造られたものなので、見晴らしが良いという訳ではない。奥武蔵登山詳細図によると安曇野幹線342号に当たるそうなのだが、送電線が張られていないのが気になる。灌木の藪を抜けて鉄塔を振り返ると伊豆ヶ岳らしき山の山頂部が見える。ここから見る限りではまだ紅葉した木が残っていそうだ。
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(安曇野幹線342号鉄塔の立つ伐採地)
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(伐採地からは伊豆ヶ岳の山頂部が見える)
鉄塔のある鞍部から縦走路へは標高差にすると70mの登り返しだ。ただ傾斜はそれほどきつくなく、送電鉄塔用の黄色い管理ポストを過ぎると紅葉した落葉樹林が西側に広がる。池田氏がブログでこの落葉樹林を褒めていて、実際に見るとその美しさは称賛に価すると思う。気分良く歩いていると前方にベンチが見えてくる。いつの間にか伊豆ヶ岳と子ノ権現とを結ぶ縦走路に出ていたのだ。駅を出てから2時間以上経過しており、また道の無い急傾斜のルートだったことを考えるとあまり効率の良いルートとは言い難い。吹上山の山頂を踏んでみたい人は縦走路と山頂を往復するだけでも十分満足感は得られるだろう。
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(黄色い管理ポストを過ぎると落葉樹林が続く)
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(伊豆ヶ岳・子ノ権現間の縦走路に出た)
紅葉の伊豆ヶ岳から正丸駅へ
伊豆ヶ岳と子ノ権現の間の縦走路は当ブログでは過去2回歩いている。ブログを始める前も入れれば少なくとも5回は歩いているルートだが、子ノ権現側から伊豆ヶ岳方面へと歩くのは今回が初めてだ。まずは天目指峠(あまめざすとうげ)へと下る。木の根が張り出した急斜面は登りではいつも苦しめられたが、下りに採っても歩きづらいことに変わりない。車道が乗り越す天目指峠へ来ると今日初めて登山者とすれ違う。9時頃ということでやや早い時間ではあったが、伊豆ヶ岳に着くまでには相当数の登山者と遭遇することになった。
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(天目指峠東の急斜面 木の根が張り出して歩きづらい)
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(天目指峠 味気ない車道が通っているが周囲は古い峠の雰囲気もある)
伊豆ヶ岳から子ノ権現にかけての縦走路はアップダウンの激しい道という印象が強いが、特にきついのは伊豆ヶ岳から高畑山の間と天目指峠から子ノ権現の間だ。今日はそのうち片方だけを歩けばよいのでいくらかは楽なはずである。峠からよく整備された山道が続く。木段の斜面があるものの、概ね傾斜は緩い。気分良く歩いていると見慣れない林道が山道に合流してくる。立木にかけられた看板によると木材運搬作業を来年の2月24日まで行うとのこと。林道は度々登山道と交錯するので林道を歩きたくなってしまうが、作業期間中は立入禁止になっている。やがて尾根が南西方向へと折れる急斜面の登りに差し掛かる。ここは道が付け替えられた所で、それでも下りに採ると危なっかしく感じた場所でもある。この急斜面を登りきると林道が迂回して合流してくる。現在は立入禁止となっているが、工事終了後は林道を本線にしたほうがよいのではないかとも思う。この辺りはかつて転落事故を間近で目撃したこともあるし、アップダウンの多さを考えると危なっかしく感じるほどのトラバース道の利用は避けたほうがよいのではないだろうか。
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(新たに林道ができていた 度々登山道と交錯する)
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(奥の斜面が歩きにくいトラバース道 右へ林道が迂回しているがいずれ本線になりそう)
依然林道が交錯する緩やかな尾根を進む。かつては分岐がわかりにくかった中ノ沢ノ頭へは明瞭な道が付けられている。山頂(622.7)に出ると黄色く色付いた木々が出迎えてくれる。暗い檜の山頂とばかり思っていたので、紅葉が見られるのは意外であった。中ノ沢ノ頭から下りた後も高畑山までは緩やかな尾根が続く。途中地理院地図にも描かれているように安曇野幹線339号鉄塔があり、周囲の眺めが良い。ただここも送電線は外されている。送電鉄塔の立つ伐採地から10分も歩けば楢生の高畑山(なろうのたかばたけやま 695)に着く。ここは冬枯れの時期に訪れることが多く、落葉樹は無いものと思っていたのだが、北側斜面は黄色く色付いた木が多い。
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(正面が中ノ沢ノ頭 右に巻き道もある)
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(中ノ沢ノ頭頂上)
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(中ノ沢ノ頭頂上の紅葉)
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(青葉と紅葉との斑模様が日本の紅葉の特徴だ)
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(松の大木)
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(安曇野幹線339号鉄塔の立つ伐採地)
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(伐採地から西の眺め)
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(伐採地から東の眺め)
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(高畑山が見えてきた これまでのところ歩きやすい道が続く)
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(楢生の高畑山頂上)
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(北側は落葉広葉樹がある)
高畑山から下ると馬酔木の生えるフラットな尾根を行く。馬酔木は樹高の低い常緑広葉樹なので、その上を黄色く色づいた木が覆うことが多い。結構傾斜が急な名無しのピークを越えると落葉広葉樹林が広がる。この辺りから伊豆ヶ岳までが縦走路中で最も紅葉を楽しめる所となっている。鞍部から見ると古御岳の山頂部はやや葉を落としているようだ。鞍部から古御岳頂上までは標高差が130mあるかなり厳しい登りだ。だが南側斜面に付けられた道は落葉広葉樹が多く、紅葉に励まされつつ九十九折を登っていく。山頂直下は大きなジグザグを描いて何とか急斜面に対応しようとしているのだが、下りに採るとかなり恐怖感を感じる所だ。この厳しい登りが終わると古御岳の頂上に出る。東屋が立つだけの見晴らしの無い頂上ではあるが、山頂部は落葉広葉樹林に覆われており、紅葉が美しい。ただその分休憩していく人も多く、のんびりと出来ないのが残念ではある。
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(高畑山と名無しのピークとの間には馬酔木のトンネルが続く)
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(名無しのピークへなかなかの急な登り)
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(名無しのピークを過ぎると古御岳が見えてくる)
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(梢越しに古御岳を望む縦走路)
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(古御岳南側斜面の紅葉)
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(山頂直下の九十九折)
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(古御岳の山頂部は椛が多い)
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(古御岳頂上 東屋と数基のベンチがある)
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(古御岳頂上の紅葉)
古御岳の北側斜面は南側ほど傾斜がきつくない。伊豆ヶ岳から子ノ権現にかけての縦走路は伊豆ヶ岳から子ノ権現に向かったほうが体力的には楽だが、安全面を考えたら逆のほうが良い。ただ鎖場を経験したいのであればやはり伊豆ヶ岳を先に登るしかない。一旦檜の林に入り、林道上久通線への分岐を見送る。ここも何度か訪れている所だが、なかなか歩く機会に恵まれない。同じくまだ歩いたことのない東尾根とセットで歩くのが現実的だろうか。この分岐がある鞍部から伊豆ヶ岳の頂上までは100mの標高差がある。古御岳の南側斜面に劣らず厳しい道で、崩れかかった木段もあるので人によってはこちらのほうが歩きにくいかもしれない。山伏峠への分岐に差し掛かると山頂まで落葉広葉樹林が広がる。古御岳より標高が高く、また山桜の木が多いので落葉している木もあるが、モミジなどは十分に紅葉を楽しめる。山頂(850.9)に出ると古御岳と同じく人が多いものの、山頂部が南北に細長いので休憩するスペースには困らない。
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(古御岳北側斜面も落葉樹が多い 伊豆ヶ岳も梢越しに見える)
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(古御岳を振り返る 北側斜面のほうが歩きやすい)
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(古御岳北側斜面の紅葉)
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(古御岳と伊豆ヶ岳との鞍部は檜の植林帯 伊豆ヶ岳への登りも最初は植林帯を行く)
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(伊豆ヶ岳山頂部に近づくと落葉樹が多くなる)
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(山伏峠分岐付近)
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(伊豆ヶ岳頂上)
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(頂上の紅葉)
紅葉鑑賞も終わり、あとは下山するだけだ。最も歩きやすいルートは大蔵山経由で大蔵山集落へと下りる道だが、上りでも下りでも頻繁に使っているルートなのでできれば違うものにしたい。正丸峠から大蔵山集落へと下る道は2016年に歩いて以降訪れた記録がないので、久しぶりにこれを使ってみたい。山頂から北の鎖場へ向かうと途中西に巻き道が下っている。現在安全に下れるのはこの道だけだ。一旦鎖場のある岩の手前にある岩に上がって北西に開けた展望地に出る。西から蕎麦粒山・三ツドッケに連なる尾根が最奥に見え、その手前には大持山・小持山が見える。一番手前の前武川岳・武川岳は若干枝に邪魔されるが、双耳峰のような櫛形の山容はなかなか形が良い。武川岳から北に連なる尾根はまたしても枝に邪魔される所が多く、大きく山頂部が持ち上がった二子山だけがすっきりとした山容を見せている。晴れていれば武川岳辺りの紅葉が美しかったに違いないのだが、曇天では今一つ冴えず、おまけに風も出てきたので早々に巻き道を下ることにする。
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(立て札の向こうに岩場がある 巻き道は左へ下る)
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(岩場から北西に展望が開ける)
下り始めは土留めの木段が付けられた急坂だ。家族連れなど登って来る人が多く、すれ違うのに時間がかかる。ただかつての女坂に比べると道は確りとして歩きやすいほうだ。木段が終わると杉林をトラバースする。杉林を抜けるとここでも紅葉が見られる。再び尾根に出て男坂である鎖場の下に着く。まだそれほど遅い時間でもないためか鎖場に取り付く人もいる。男坂の基部から登り返した所が五輪山で、広い山頂は小学生の時の遠足で休憩地だった記憶がある。ベンチで休憩を取っていると数人の登山者が五輪山の東尾根を登って来る。2019年の台風で長らく通行止めとなっていたが、胸突き八丁コースは無事復旧したようだ。飯能市のwebsiteによるとハイキング道の通行止めは名郷からウノタワ・妻坂峠の間だけとなっている。
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(木段が終わると杉林をトラバースする かつての女坂より歩きやすい)
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(武川岳が見える)
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(杉林を抜けると落葉樹林)
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(正面が鎖場のある男坂 巻き道は右に入る)
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(五輪山 広い山頂だ)
五輪山から北はもう難しい所は無いと思っていたのだが、山頂直下の北側斜面は土留めが崩壊して酷い状態だ。巻き道もあるが大蔵山経由で登って来る登山者も多いので、ハードル状になった木段を律儀に下りていく。ここを下りきってしまえば正丸峠までは緩やかな尾根道だ。大蔵山を西から巻くと長岩峠に着く。間伐が入ったためか林道永井谷線へと下る峠道も見渡せて以前より峠の雰囲気がある。峠のすぐ北を登り返すと小高山に出る。西側斜面が落葉広葉樹林となっていて木々の間からは二子山と甲仁田山が眺められる。ここはかつて茶屋があったほどに山頂が広くベンチもあるので休憩に良い。
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(大蔵山分岐 大蔵山へは右に登る 伊豆ヶ岳から正丸駅へ下るなら大蔵山経由で下るのが一番楽だと思う)
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(長岩峠 左に永井谷林道への道が下っている 右の道は大蔵山への登りだ)
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(小高山からの二子山・甲仁田山)
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(二子山から武川岳までの間の縦走路もかなり紅葉が進んでいる)
小高山を越えれば正丸峠まではエスケープの無い尾根道が続く。地理院地図を見る限りだと落葉広葉樹が多いように感じるが、あまり綺麗な紅葉は見られない。椛や山桜の多い伊豆ヶ岳・古御岳とは違い、薪炭林として整備されてきたためだろうか。正丸峠に近づくと肉の焼ける良い匂いがしてくる。峠に立つ奥村茶屋のジンギスカン鍋の匂いだ。ちょうどお昼時で注文した人がいるのだろう。峠から大蔵山集落へは茶屋裏手の手すりが設けられた急斜面の谷を下る。庭として整備され、ツツジ類が赤く色づいている。ただ椛などはまだ青葉を残していて全体としてはまだ紅葉には早いらしい。
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(小高山より先は色付いても黄色が多い)
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(時折木段があるが大半は緩やかな尾根道が続く)
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(ここを下り切れば正丸峠に着く)
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(正丸峠に立つ奥村茶屋 大蔵山集落へは建物の前を下る)
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(芦沢の詰めは整備された庭となっている)
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(ツツジ類が赤くなっている)
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(道は良く整備されているがかなり急)
谷の詰めを下り切り、道標が見えると道は緩やかになる。2019年の台風で岩井沢林道などは大きく破損したのに比べてそれほど荒れていない。途中仮設橋が落ちて使えない状態にはなっているが、芦沢にはほとんど水流が無く、渡渉すれば済んでしまう。正丸峠ガーデンハウスへの道を分け、荒れ放題の耕作地を過ぎると大蔵山集落の上部に出る。ここからは舗装路なのでもう危険はない。集落の紅葉を眺めつつ30分ほど歩くと正丸駅に着く。距離は短いルートだったのでもう少し早く回ってこられるかと思っていたのだが、結局6時間半以上掛かってしまった。伊豆ヶ岳から子ノ権現の間の縦走路は手強いコースなのだと改めて思い知らされたのだった。
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(詰めを下り切ると芦沢沿いを下っていく)
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(傾斜はそれほど急ではない)
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(落ちた仮設橋 左の側溝から沢へ下りて渡渉できる)
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(下部は歩きやすい道が続く)
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(正丸峠ガーデンハウス分岐)
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(大蔵山集落が見えてきた)
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(馬頭さま近くの椛)
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(秋海棠 奥武蔵の集落で見かけることが多い)
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(紅葉の尾根を見上げる)
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(紅葉の大蔵山集落を行く)
DATA:
西吾野駅6:35→6:47森坂峠山崎側入口→7:07森坂峠7:11→7:22下久通→7:41林道子の山線入口→8:22吹上山→8:47子ノ権現・伊豆ヶ岳縦走路(飯能アルプス)→8:59天目指峠→9:26中ノ沢ノ頭→9:42安曇野幹線339号鉄塔→9:51楢生の高畑山→10:37古御岳10:46→11:10伊豆ヶ岳11:22→11:33五輪山→11:45長岩峠→11:48小高山→12:11正丸峠→12:43馬頭さま→13:09正丸駅
地形図 原市場 正丸峠
交通機関
西武池袋・秩父線 小手指~西吾野 377円 正丸~小手指 409円
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