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(峠ノクボ)
注意:林道鳥久保線から峠ノクボの間には道の無い区間があります。
埼玉県南西の平野部から秩父へと延びる国道299号に沿って流れる高麗川を遡っていくと刈場坂(かばさか)峠へ辿り着く。この眺めの良い峠から高麗川を挟んで二つの尾根が延びており、右岸は横見山から天覧山へと続く長大な尾根を形成している。片や左岸はツツジ山から天久保山までの比較的短い尾根となっている。短いとはいえ、尾根の向こう側へ行くのに尾根の端に当たる天久保山を毎度回り込むのでは大変である。そのためかつては天久保峠、三田久保峠そして峠ノクボという三つの峠を使い、地元の人々は尾根の向こう側へと行き来していた。しかしクルマ社会化が進んだ現代ではそれらの峠道はすっかり廃れてしまい、三田久保峠だけが一部ハイキングルートとして使われている。
今回はその三つの峠のうち、主に峠ノクボを越えてみることにしたい。かつての峠道は東にある岩井沢観音から峠を越えて西の刈場坂・刈場坂峠へと通じていた。岩井沢観音からのルートは現在でも林道鳥久保線として残っており、途中まではこの林道が使えそうだ。西側のルートがどのようになっているかは定かではないが、かつて三田久保峠からツツジ山へと縦走したときは道標と薄い踏み跡が残されていた記憶がある。できれば上流側に出て刈場坂峠へ行きたい。刈場坂峠まで行けたら丸山を経て芦ヶ久保へと下る予定だ。
三田久保峠を越えて岩井沢観音
朝一番の電車で正丸駅に着くとシェルジャケットを着ていても肌寒く感じる。夜も明けない内に所沢を出た時は曇り空だったせいか、上着を着ているとどことなく暑苦しい感じもした。山中との気候の違いを如実に感じさせる。今日は峠ノクボ越えに挑戦するためにまずは岩井沢観音まで行かなくてはならない。西吾野駅から2時間弱を掛けて北川を遡るよりは三田久保峠を越えたほうが楽だろうと正丸駅にやって来た。まだ交通量の少ない国道を渡り、高麗川を遡るように国道を行く。20分ほど歩くと三田久保峠の入口である集落に着く。「奥武蔵登山詳細図(吉備人出版)」には「神平」と書かれているので、今後はこの地名を付記するものとする。
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(朝の正丸駅)
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(「奥武蔵登山詳細図」に神平と書かれている集落)
神平の集落内を抜け、林道北川正丸線を少し登ると左手に三田久保峠への道を分ける。このルートは割と鮮明に記憶が残っているなと思っていたら昨年4月に歩いたルートだった。沢沿いの山道は特に損傷もなく、左岸を九十九折に登るようになると三田久保峠に出る。峠には以前から道標が立っているが、その道標に奥武蔵ロングトレイルの看板が付けられていた。今後はこの辺りを行き交う人も増えていきそうだ。
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(神平の集落を抜けて林道北川正丸線に出る)
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(峠手前の九十九折を登る)
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(三田久保峠 奥武蔵ロングトレイルの標識が道標に付けられている)
三田久保峠からやや薄い踏み跡を下り、再び林道に下り立つ。ここから15分ほど舗装された林道を下ると岩井沢の集落に着く。相変わらず岩井沢を流れるせせらぎの音が大きい。岩井沢を遡るごとく集落内を行くと岩井沢観音堂が見えてくる。ここのベンチで一休みしてから峠ノクボ越えに取り掛かるとしよう。
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(アザミ この花を見ると秋になったのだなと感じる)
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(林道は崖下を通る所もある 一応現在でも一般車は通行止めという扱いのようだ)
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(岩井沢集落)
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(岩井沢観音堂)
峠ノクボを越える
観音堂の横を抜けて裏手に出ると林道岩井沢線と鳥久保線との分岐に出る。岩井沢線は二度歩いているが、鳥久保線に入るのは初めてだ。分岐には二軒の建物があるが、人気は感じられない。舗装された道を上がっていくと舗装が途切れる。一軒の家があるが、ここも人気はなさそうだ。YouTubeなどで鳥久保林道の映像を見るとここで引き返す人が殆どだが、地理院地図にもあるように道は左に曲がっている。ただその先は草藪に覆われていて、バイクで上がるのは不可能だろう。草藪に近づいてみると水流で洗堀された跡が草藪のトンネルようになっている。腰を屈めて藪のトンネルを抜けると左に道が分岐している。左から上がってくる道は杉林の中で快適そうだ。どこか麓に入口があるのだろう。本線たる右の道は相変わらず草藪に覆われ、洗堀の跡も目立つが、幸い藪は膝下の高さなので踏んでいけば問題ない。
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(右は林道岩井沢線 左が鳥久保線)
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(舗装路はここで途切れるが道は左に続く)
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(林道はこの状況 藪の中を突っ込んでいくしかない)
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(水流で深く抉れた所がちょうどトンネルとなって藪を抜けられるようになっている)
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(藪のトンネルを抜けると左から整備された道が合流してくる どこへつながっているのだろう?)
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(藪のトンネルを抜けた後も日当たりが良く藪に覆われる)
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(峠ノクボ周辺図 出典:国土地理院発行2.5万分1地形図 地理院タイルに文字等を追記して掲載)
藪を抜けて杉林に入ると一転して快適な砂利道が続く。草藪のトンネルを見た時はもう供用されていない林道かと思ったが、岩井沢観音からの道を使っていないだけで作業用には使われているのかもしれない。沢のせせらぎを聞きながら登っていくと対岸に民家の屋根が見える。地理院地図ではここが林道の終点となっているが、道は更に続く。クルマの待避所を過ぎても砂利道が延びる。再び待避所らしきものが見えてくるとそこが林道の終点であった。スマートフォンの地図ロイドで現在地を確認すると谷が北と北西に分かれる地点にいるようだ。北西の谷を上がれば峠ノクボに出られそうだ。
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(杉林に入ると藪の無い快適な道が続く)
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(道の南側に側溝があるのだが、道の真ん中まで抉られてしまっている所もある)
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(林道の終点)
林道の終点で辺りを見回すと左手前と右奥に踏み跡らしきものがある。まずは状態の良さそうな右奥の踏み跡に入る。踏み跡は急な尾根へと延びている。尾根の方向をコンパスで調べると北西の谷よりももっと北を示している。たぶん峠ノクボ東にある舌状に突き出た尾根へとつながっているのだろう。一旦保留にし、今度は左手前の踏み跡に入る。こちらは入口付近が荒れているが、その先は谷筋を道が延びている。こちらのほうが峠道らしさはある。とりあえず行ける所まで行ってみるとしよう。
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(右奥の踏み跡 古い地形図を見ると尾根を行くこちらのほうが本線かもしれない)
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(左手前の踏み跡 ここから右奥方面へ進むと谷の中へ入る)
沢沿いの道は倒木が多く、それを避けるのに難儀はするものの、道っぽさは依然として続く。沢を一頻り登りきってしまうと踏み跡は唐突に消えてしまう。いやよく見ると急斜面の谷を横切るように薄い踏み跡があるようだ。問題はこれが文字通り動物たちの使う獣道なのか、それともかつて人々が行き交った峠道なのかがわからないことだ。ただ急斜面を真っ直ぐ登るよりはトラバース道のほうが峠道らしさはある。この薄い踏み跡を信じて進むと頭上に尾根が見えてきた。どうやら峠である鞍部はだいぶ近いようだ。ここまで来ると踏み跡は動物たちの通り道と交錯して全く判然としない。適当に歩きやすい所を登っていくと尾根に出た。周囲を見回すと見覚えのある道標がある。無事峠ノクボに到着だ。実に7年ぶりの再訪となった。
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(沢沿いの道らしきものを進む)
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(倒木が多い もっと太い木もあり、潜っていく所もある)
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(この辺りで沢の上へ出てトラバースしながら進む 踏み跡は不明瞭)
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(獣道なのかそれともかつての峠道なのかわからない)
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(傾斜が緩み尾根が見えてくる)
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峠らしき鞍部の直下に踏み跡はない 歩きやすい所を九十九折に登る)
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(峠が見えてくると北から踏み跡らしきものが合流してくる 尾根道があるのではと考えたのはこれが理由)
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(峠ノクボ 道標には「坂元 北川」と書かれている)
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(峠から北川方面を見下ろす ここから見ると道は北へトラバースしながら下っているように感じる)
峠ノクボから今度は刈場坂方面へと下る。古い地形図を見ると峠から東の刈場坂集落へ下る道と直接刈場坂峠へと向かう中腹道とが分かれていたようだ。刈場坂を下るにはまだ時間が早いので、できれば高麗川源流の碑へと向かう林道に出たいところだ。峠からは北西方向にトラバース道らしき踏み跡が延びていて、これに入ってみる。荒れ気味ではあるものの、思ったより確りとした踏み跡だ。少し進むと眼下に林道が見えてくる。あれを使えば林道刈場坂線へ容易に出られそうだが、あそこまでどうやって下りたものか。だがその心配も杞憂に終わる。そのままトラバース道を行くと少しずつ下っていき、折り返して林道のすぐ上に出る。その先はやや高さのある崖だが無事下りることができた。
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(峠から坂元方面へは細いトラバース道が続く かつての峠道なのだろうか)
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(トラバース道を進むと眼下に林道が見えてくる)
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(トラバース道は高度を下げつつ進む)
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(ここで林道に合流)
林道を少し南に戻ると分岐に出る。今歩いてきた所はトラバース道で、もう一つの道は下っているようだ。ひとまずトラバース道を北へと進んでみる。トラバース道は緩やかに下っていくかと思いきや、どんどん登っていく。もう一つの道は遥か下に見え、高麗川のせせらぎも遠くから聞こえてくる。うーむ、引き返そうか。でももう少し行ってみよう。何度もそう思いつつ進んでいると前方にロープ柵が見えてくる。まさか…いやそのまさかで林道刈場坂線に着いてしまった。これでかつて峠ノクボから刈場坂峠と延びていた中腹道が一部林道刈場坂線へと姿を変えて残っていることが判明したのだった。
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(林道との合流点から少し南へ行くと林道の分岐がある トラバース道は右上を行く)
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(トラバース道はどんどん高度を上げていく この林道を開削した関係でかつての峠道は消滅したのだろう)
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(林道刈場坂線に合流 ロープが張ってあるが道標があったことを考えると登山者が歩くのは問題ないと思う)
刈場坂峠から丸山を経て芦ヶ久保駅
今日の目標は達成してしまったので、あとはどのように下山するかが問題だ。林道刈場坂線はかつて歩いて下ったことがあり、長い舗装路歩きに閉口させられた。舗装路歩きは避けたいので予定通り刈場坂峠を目指す。林道に出てから高麗川源流の碑までは10分ほどだが、この程度の舗装路歩きでも思ったより足にダメージがある。源流の碑から刈場坂峠までの山道は2年前に初めて歩いており、特に変わった様子はない。ただ4ヶ月も山歩きから離れていたせいか九十九折の登りがきつく感じた。舗装路に出て別荘地を見送ると広い駐車スペースと簡易トイレのある刈場坂峠に着く。北側が開けた展望台となっているので普段ならクルマやバイクが多いのだが、時間が早いせいか時折バイクが行き交う程度だ。今日は曇り空であまり良い眺めとは言えないのが残念だ。
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(高麗川源流の碑)
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(源流であっても水量は多い)
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(石積された土台跡らしきものがある かつて峠道だったころの名残だろうか)
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(舗装路に上がると栗の毬が大量に落ちていた)
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(刈場坂峠)
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(刈場坂峠からの眺め)
峠から別荘地裏に延びる山道を行く。落葉広葉樹の多い所だが、まだ黄色く色づき始めたばかりで紅葉を楽しむには早い。別荘地を離れて尾根を登りきった山頂は横見山(現地標識では860)で、関東ふれあいの道の道標に標識が付けられていた。横見山から広葉樹林を下りきった鞍部には牛立久保と書かれた道標が立つ。しかし「奥武蔵登山詳細図」の著者である池田和峰氏によると牛立久保とは本来横見山を指していたという。クボという言葉に引っ張られて鞍部であると思い込んだのは間違いだったわけだ。ただ登山者の多くは南側にある緩斜面を牛立久保と認識していて、鞍部のことすら指していないようにも思える。牛立久保と書かれた道標の立つ鞍部から北西へ登り返した所が二子山(現地標識では860)だ。ここも道標に新たな標識が付けられていた。
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(横見山 道標に標識が付いた)
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(牛立久保と書かれた道標)
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(二子山)
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(横見山・カバ岳周辺図 出典:国土地理院発行2.5万分1地形図 地理院タイルに文字等を追記して掲載)
二子山を過ぎると杉・檜が優勢な林の中を行く。舗装された観光林道であるグリーンラインに下りた所は七曲り峠と呼ばれ、道標にもそう書かれている。西麓の中井集落からここまで道が延びていたらしく、地理院地図には今も道が載っている。しかし「画廊天地人」のyasuhiroさんが2015年に歩いた時点で既に廃道状態だったという。道標の先からすぐに再び山道に入る。よく整備された道が続くが、細い尾根なので岩場を越えていかなければならない所もある。元々現在のグリーンラインが通る所は秩父と越生とを結ぶ街道で長大な山道だったのだが、舗装路として整備された際に尾根上に無理矢理道を付けたため、このような不自然な道となってしまった。舗装路に抵抗がないのなら刈場坂峠から大野峠の間は思い切ってグリーンラインを歩いてしまうのも悪くない。岩場を越えて登りきった先はカバ岳(刈場岳)に着く。池田和峰氏によると白樺の木が自生したのでハイカーがカバ岳と名付けたとのこと。現在白樺らしき木は全く見当たらない。
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(二子山辺りまでは雑木林が多い)
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(七曲り峠 中井への道も付近にあるということだがよくわからなかった)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/ee/4c056a6b7fa046f3387d3f33f54c8661.jpg)
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(七曲り峠からカバ岳の間には岩場がある 結構切り立った尾根なので転落注意)
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(カバ岳 思ったより広い山頂なので休憩にも悪くない)
再びグリーンラインに下り立ち、カーブミラーのある所から山道を登り返した頂上が陣馬平山(858)だ。2016年に訪れた陣馬ヶ平はこの山の東側斜面に当たる。陣馬平山を下るとまたもグリーンラインに出る。一応大野峠まで山道を辿ることもできるが、面倒なのでグリーンラインを進む。大野峠からは東屋の脇を登っていく。土留めの木段が設けられた急斜面で4時間近く歩いてきた身体には厳しい登りだ。登りきった所はパラグライダーの離陸場となっている。刈場坂峠からの眺めと似ているが、個人的にはこちらのほうが眺めは良いと思う。離陸場より先は雑木林の中を緩やかな道が延びる。笹藪を切り開いた道は奥武蔵ではすっかり珍しいものとなった。気持ちの良い道を行くと次々と登山者にすれ違う。丸山は山頂近くに駐車場があり、大野峠まで回ったとしても手頃な山なのだろう。
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(陣馬平山 標識の類はない)
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(大野峠)
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(パラグライダーの離陸場からの眺め)
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(離陸場から丸山頂上にかけては気持ちの良い落葉樹林が広がる)
巨大な電波塔の見えるやや急な斜面を登りきると山頂部に出る。こうした斜面を登ると体力の衰えを感じざるを得ない。フラットな山頂部の西端に展望台が立つ丸山(960.4)の頂上に着く。ここまで来るとツツジやモミジなどが結構赤く色づいている。展望台の上に出ると主に南側の眺めが開ける。冬枯れの時期なら北側の眺めも得られるが、曇天なら今の眺めで十分だ。
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(電波塔が見えてきた ここを登り切れば山頂は近い)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/e6/672b67e1f777ea43ca4a45e016453f38.jpg)
(丸山頂上に立つ展望台)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/7b/b98e59ab5a18531c8a39296132db4c7d.jpg)
(展望台から南側の眺め)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/45/d8dd908c6679c28a12028ae106ef0749.jpg)
(展望台から東側の眺め)
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(奥に薄っすら見えているのが浅間山 手前は御荷鉾山)
丸山から北に延びる急斜面を下る。雑木林の多い尾根で1,2週間もすれば紅葉が楽しめるだろう。傾斜が緩むとかつてはフラットな尾根が北西へ延びており、鞍部の下をトンネルが貫いていた。前回歩いた時は工事で立入禁止となっていたが、現在はどうなっているのだろう。丸山トンネルと呼ばれていた件の鞍部までやって来ると尾根はすっかり寸断されて舗装路の通る深い鞍部だけが残されていた。かつては尾根伝いに森林館へと出られたが、現在では舗装された中腹道を使ったほうが楽になったわけだ。
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(山頂から北に延びる急斜面を下る ここも雑木林で美しい)
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(丸山トンネル跡 トンネルはすっかり取り壊されてしまった)
舗装路を通って尾根を横断すると右手に「県民の森ウェルカムストリート」と名付けられた遊歩道が延びる。この道も近道にはなるのだが、今日は更にこの下にある駐車場から延びる中腹道を使いたい。遊歩道を見送って舗装路を下り続けると駐車場に着く。地理院地図だと三角形に描かれた道路内が駐車場に当たる。「奥武蔵登山詳細図」では中腹道の分岐に道標があるらしいのだがどれだろうか。5分ほど探索してみるが駐車場の周囲は高い壁で下りられそうにない。もう一度地図をよく見てみると三角形の北の点に道標があるという。そこに行ってみると「県民の森 ←駐車場」と書かれた道標がある。なるほど直接中腹道を指していたわけではなかったのか。
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(県民の森ウェルカムストリート 丸山から下山するときは近道となる)
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(丸山の駐車場 ここまでクルマで来てしまえば軽いハイキングになる)
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(ここから中腹道に入る)
中腹道へは特に踏み跡が無く、斜面を適当に下ると笹藪に付けられた道が現れる。ここからは薄い踏み跡を辿りつつ緩やかに下っていく。全く人の手が入っていないというわけではなさそうだが、積極的に歩いてもらいたいという雰囲気でもない。10分ほど歩くと尾根道に合流する。若干迷いそうな感じはあるものの、歩きやすい道であることに変わりなかった。広い尾根道はよく整備されていて登って来る登山者も多い。但し結構急な所もあり、滑って尻餅を突きそうになる。
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(中腹道の様子)
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(尾根道に合流 木で通せんぼされているところを見るとあまり通ってほしくないのだろう)
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(尾根道は一般道ながら結構急な所が多い)
道標の立つ日向山分岐で日向山方面に入る。杉林の中を九十九折に下る道で尾根道よりも歩きやすいと思う。ただ整備しなおしてから年月が経ったせいか、水流で掘割が深くなってしまった所も目立つ。古い石造の道標が立つ分岐を見送ると舗装された林道に出る。看板に従って木の子茶屋方面へ下る。車道からは武甲山がよく見える。浦山口ルートが不通になってしまい、すっかり訪れにくくなってしまった。山の花道前にある木の子茶屋は店を閉めていた。横瀬町観光協会のwebsiteを見ると芦ヶ久保駅近くに本拠を移し、山上の店は不定期営業となったようだ。
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(日向山分岐)
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(日向山方面への道は相変わらず整備状態が良い)
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(紫陽花の中を抜ける もう少しすれば紅葉も楽しめそう)
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(神社が見えてくれば車道も近い)
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(道標 芦ヶ久保駅方面に向かうと再び尾根道へ入ってしまう)
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(古い道標 古い地形図を見ると先の日向山分岐で尾根道は途切れていたらしい)
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(山の花道前 この辺りは武甲山がよく見える)
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(真ん中の高い山が二子山)
山の花道の案内板の向かい側に付けられた道を下る。再び車道に出るとトイレがあり、そのトイレ脇の広場に農村公園へと下る道がある。案内は無い上に廃業した売店や整備されなくなった山車などが放置されており、ハイキングコースとわからない人もいるのではないだろうか。廃売店の先は水浸しの道が続き、ツルツル滑るだけでなく、靴も泥塗れになる。琴平神社からの道(風の道)が合流する所で橋を渡ると農村公園に着く。ここは落葉広葉樹が多い所だが、紅葉にはまだ早い。
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(山の花道向かいにある下り坂からの眺め)
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(トイレ脇の広場に農村公園への道が延びる)
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(かつては案内所兼売店にオジサンがいて、山車の話などもしてくれたものだった)
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(農村公園 ここも綺麗なトイレがある)
ローラーコースターで遊ぶ家族連れを眺めつつ公園を抜け、橋の手前で上に延びるトラバース道に入る。道なりに下れば車道に出る。あとはひたすら車道を行けばいい。途中廃業した饅頭屋や穴だらけのビニールハウスなどを見かける。新型コロナウイルスは横瀬町に大きなダメージを与えたことが窺える。国道に出て道を渡り、無事道の駅あしがくぼに着く。ここまで来るとお昼時ということもあり、人でごった返している。山の果樹園も同じくらい賑わいことを願うばかりだ。芦ヶ久保駅に上がり、ホームで電車を待つ。道が判然としないルートを歩いた割には体力が残っており、峠ノクボ越えは想像よりも歩きやすかったのかもしれない。右肩痛で4ヶ月以上も山歩きを休んでしまい、体力の衰えを感じたのは間違いない。だが今回の山歩きで今後も未踏のルートに挑戦する自信を少し取り戻せたように思う。
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(農村公園のローラーコースター)
DATA:
正丸駅6:09→6:31三田久保峠入口(神平)→6:53三田久保峠→7:14岩井沢集落→7:17岩井沢観音7:24→7:26林道岩井沢線・鳥久保線分岐→7:44林道鳥久保線終点→8:00峠ノクボ→8:09林道刈場坂線→8:20高麗川源流の碑→8:43刈場坂峠→9:00横見山→9:02牛立久保→9:05二子山→9:12七曲り峠→9:33カバ岳→9:49大野峠→9:57パラグライダー離陸場→10:19丸山10:26→10:43丸山トンネル跡→11:19日向山分岐→11:42山の花道→11:56農村公園(ローラー滑り台)→12:20道の駅あしがくぼ→芦ヶ久保駅
地形図 正丸峠
トイレ 刈場坂峠 丸山 山の花道 農村公園 道の駅あしがくぼ
交通機関
西武池袋・秩父線 小手指~正丸 409円 芦ヶ久保~小手指 471円
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2021年4月24日 岩井沢の旧道と慈光道を歩く
林道鳥久保線の終点から峠ノクボまでは道がありません。道の無いルートを歩いた経験が無い人は入山を控えたほうがよいでしょう。峠ノクボから林道刈場坂線までについては林道を利用する形になります。道標が設けられているので一応歩くことに問題は無いと考えますが、作業中は通行を控えましょう。
注意:林道鳥久保線から峠ノクボの間には道の無い区間があります。
埼玉県南西の平野部から秩父へと延びる国道299号に沿って流れる高麗川を遡っていくと刈場坂(かばさか)峠へ辿り着く。この眺めの良い峠から高麗川を挟んで二つの尾根が延びており、右岸は横見山から天覧山へと続く長大な尾根を形成している。片や左岸はツツジ山から天久保山までの比較的短い尾根となっている。短いとはいえ、尾根の向こう側へ行くのに尾根の端に当たる天久保山を毎度回り込むのでは大変である。そのためかつては天久保峠、三田久保峠そして峠ノクボという三つの峠を使い、地元の人々は尾根の向こう側へと行き来していた。しかしクルマ社会化が進んだ現代ではそれらの峠道はすっかり廃れてしまい、三田久保峠だけが一部ハイキングルートとして使われている。
今回はその三つの峠のうち、主に峠ノクボを越えてみることにしたい。かつての峠道は東にある岩井沢観音から峠を越えて西の刈場坂・刈場坂峠へと通じていた。岩井沢観音からのルートは現在でも林道鳥久保線として残っており、途中まではこの林道が使えそうだ。西側のルートがどのようになっているかは定かではないが、かつて三田久保峠からツツジ山へと縦走したときは道標と薄い踏み跡が残されていた記憶がある。できれば上流側に出て刈場坂峠へ行きたい。刈場坂峠まで行けたら丸山を経て芦ヶ久保へと下る予定だ。
三田久保峠を越えて岩井沢観音
朝一番の電車で正丸駅に着くとシェルジャケットを着ていても肌寒く感じる。夜も明けない内に所沢を出た時は曇り空だったせいか、上着を着ているとどことなく暑苦しい感じもした。山中との気候の違いを如実に感じさせる。今日は峠ノクボ越えに挑戦するためにまずは岩井沢観音まで行かなくてはならない。西吾野駅から2時間弱を掛けて北川を遡るよりは三田久保峠を越えたほうが楽だろうと正丸駅にやって来た。まだ交通量の少ない国道を渡り、高麗川を遡るように国道を行く。20分ほど歩くと三田久保峠の入口である集落に着く。「奥武蔵登山詳細図(吉備人出版)」には「神平」と書かれているので、今後はこの地名を付記するものとする。
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(朝の正丸駅)
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(「奥武蔵登山詳細図」に神平と書かれている集落)
神平の集落内を抜け、林道北川正丸線を少し登ると左手に三田久保峠への道を分ける。このルートは割と鮮明に記憶が残っているなと思っていたら昨年4月に歩いたルートだった。沢沿いの山道は特に損傷もなく、左岸を九十九折に登るようになると三田久保峠に出る。峠には以前から道標が立っているが、その道標に奥武蔵ロングトレイルの看板が付けられていた。今後はこの辺りを行き交う人も増えていきそうだ。
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(神平の集落を抜けて林道北川正丸線に出る)
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(峠手前の九十九折を登る)
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(三田久保峠 奥武蔵ロングトレイルの標識が道標に付けられている)
三田久保峠からやや薄い踏み跡を下り、再び林道に下り立つ。ここから15分ほど舗装された林道を下ると岩井沢の集落に着く。相変わらず岩井沢を流れるせせらぎの音が大きい。岩井沢を遡るごとく集落内を行くと岩井沢観音堂が見えてくる。ここのベンチで一休みしてから峠ノクボ越えに取り掛かるとしよう。
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(アザミ この花を見ると秋になったのだなと感じる)
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(林道は崖下を通る所もある 一応現在でも一般車は通行止めという扱いのようだ)
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(岩井沢集落)
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(岩井沢観音堂)
峠ノクボを越える
観音堂の横を抜けて裏手に出ると林道岩井沢線と鳥久保線との分岐に出る。岩井沢線は二度歩いているが、鳥久保線に入るのは初めてだ。分岐には二軒の建物があるが、人気は感じられない。舗装された道を上がっていくと舗装が途切れる。一軒の家があるが、ここも人気はなさそうだ。YouTubeなどで鳥久保林道の映像を見るとここで引き返す人が殆どだが、地理院地図にもあるように道は左に曲がっている。ただその先は草藪に覆われていて、バイクで上がるのは不可能だろう。草藪に近づいてみると水流で洗堀された跡が草藪のトンネルようになっている。腰を屈めて藪のトンネルを抜けると左に道が分岐している。左から上がってくる道は杉林の中で快適そうだ。どこか麓に入口があるのだろう。本線たる右の道は相変わらず草藪に覆われ、洗堀の跡も目立つが、幸い藪は膝下の高さなので踏んでいけば問題ない。
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(右は林道岩井沢線 左が鳥久保線)
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(舗装路はここで途切れるが道は左に続く)
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(林道はこの状況 藪の中を突っ込んでいくしかない)
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(水流で深く抉れた所がちょうどトンネルとなって藪を抜けられるようになっている)
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(藪のトンネルを抜けると左から整備された道が合流してくる どこへつながっているのだろう?)
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(藪のトンネルを抜けた後も日当たりが良く藪に覆われる)
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(峠ノクボ周辺図 出典:国土地理院発行2.5万分1地形図 地理院タイルに文字等を追記して掲載)
藪を抜けて杉林に入ると一転して快適な砂利道が続く。草藪のトンネルを見た時はもう供用されていない林道かと思ったが、岩井沢観音からの道を使っていないだけで作業用には使われているのかもしれない。沢のせせらぎを聞きながら登っていくと対岸に民家の屋根が見える。地理院地図ではここが林道の終点となっているが、道は更に続く。クルマの待避所を過ぎても砂利道が延びる。再び待避所らしきものが見えてくるとそこが林道の終点であった。スマートフォンの地図ロイドで現在地を確認すると谷が北と北西に分かれる地点にいるようだ。北西の谷を上がれば峠ノクボに出られそうだ。
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(杉林に入ると藪の無い快適な道が続く)
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(道の南側に側溝があるのだが、道の真ん中まで抉られてしまっている所もある)
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(林道の終点)
林道の終点で辺りを見回すと左手前と右奥に踏み跡らしきものがある。まずは状態の良さそうな右奥の踏み跡に入る。踏み跡は急な尾根へと延びている。尾根の方向をコンパスで調べると北西の谷よりももっと北を示している。たぶん峠ノクボ東にある舌状に突き出た尾根へとつながっているのだろう。一旦保留にし、今度は左手前の踏み跡に入る。こちらは入口付近が荒れているが、その先は谷筋を道が延びている。こちらのほうが峠道らしさはある。とりあえず行ける所まで行ってみるとしよう。
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(右奥の踏み跡 古い地形図を見ると尾根を行くこちらのほうが本線かもしれない)
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(左手前の踏み跡 ここから右奥方面へ進むと谷の中へ入る)
沢沿いの道は倒木が多く、それを避けるのに難儀はするものの、道っぽさは依然として続く。沢を一頻り登りきってしまうと踏み跡は唐突に消えてしまう。いやよく見ると急斜面の谷を横切るように薄い踏み跡があるようだ。問題はこれが文字通り動物たちの使う獣道なのか、それともかつて人々が行き交った峠道なのかがわからないことだ。ただ急斜面を真っ直ぐ登るよりはトラバース道のほうが峠道らしさはある。この薄い踏み跡を信じて進むと頭上に尾根が見えてきた。どうやら峠である鞍部はだいぶ近いようだ。ここまで来ると踏み跡は動物たちの通り道と交錯して全く判然としない。適当に歩きやすい所を登っていくと尾根に出た。周囲を見回すと見覚えのある道標がある。無事峠ノクボに到着だ。実に7年ぶりの再訪となった。
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(沢沿いの道らしきものを進む)
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(倒木が多い もっと太い木もあり、潜っていく所もある)
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(この辺りで沢の上へ出てトラバースしながら進む 踏み跡は不明瞭)
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(獣道なのかそれともかつての峠道なのかわからない)
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(傾斜が緩み尾根が見えてくる)
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峠らしき鞍部の直下に踏み跡はない 歩きやすい所を九十九折に登る)
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(峠が見えてくると北から踏み跡らしきものが合流してくる 尾根道があるのではと考えたのはこれが理由)
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(峠ノクボ 道標には「坂元 北川」と書かれている)
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(峠から北川方面を見下ろす ここから見ると道は北へトラバースしながら下っているように感じる)
峠ノクボから今度は刈場坂方面へと下る。古い地形図を見ると峠から東の刈場坂集落へ下る道と直接刈場坂峠へと向かう中腹道とが分かれていたようだ。刈場坂を下るにはまだ時間が早いので、できれば高麗川源流の碑へと向かう林道に出たいところだ。峠からは北西方向にトラバース道らしき踏み跡が延びていて、これに入ってみる。荒れ気味ではあるものの、思ったより確りとした踏み跡だ。少し進むと眼下に林道が見えてくる。あれを使えば林道刈場坂線へ容易に出られそうだが、あそこまでどうやって下りたものか。だがその心配も杞憂に終わる。そのままトラバース道を行くと少しずつ下っていき、折り返して林道のすぐ上に出る。その先はやや高さのある崖だが無事下りることができた。
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(峠から坂元方面へは細いトラバース道が続く かつての峠道なのだろうか)
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(トラバース道を進むと眼下に林道が見えてくる)
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(トラバース道は高度を下げつつ進む)
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(ここで林道に合流)
林道を少し南に戻ると分岐に出る。今歩いてきた所はトラバース道で、もう一つの道は下っているようだ。ひとまずトラバース道を北へと進んでみる。トラバース道は緩やかに下っていくかと思いきや、どんどん登っていく。もう一つの道は遥か下に見え、高麗川のせせらぎも遠くから聞こえてくる。うーむ、引き返そうか。でももう少し行ってみよう。何度もそう思いつつ進んでいると前方にロープ柵が見えてくる。まさか…いやそのまさかで林道刈場坂線に着いてしまった。これでかつて峠ノクボから刈場坂峠と延びていた中腹道が一部林道刈場坂線へと姿を変えて残っていることが判明したのだった。
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(林道との合流点から少し南へ行くと林道の分岐がある トラバース道は右上を行く)
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(トラバース道はどんどん高度を上げていく この林道を開削した関係でかつての峠道は消滅したのだろう)
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(林道刈場坂線に合流 ロープが張ってあるが道標があったことを考えると登山者が歩くのは問題ないと思う)
刈場坂峠から丸山を経て芦ヶ久保駅
今日の目標は達成してしまったので、あとはどのように下山するかが問題だ。林道刈場坂線はかつて歩いて下ったことがあり、長い舗装路歩きに閉口させられた。舗装路歩きは避けたいので予定通り刈場坂峠を目指す。林道に出てから高麗川源流の碑までは10分ほどだが、この程度の舗装路歩きでも思ったより足にダメージがある。源流の碑から刈場坂峠までの山道は2年前に初めて歩いており、特に変わった様子はない。ただ4ヶ月も山歩きから離れていたせいか九十九折の登りがきつく感じた。舗装路に出て別荘地を見送ると広い駐車スペースと簡易トイレのある刈場坂峠に着く。北側が開けた展望台となっているので普段ならクルマやバイクが多いのだが、時間が早いせいか時折バイクが行き交う程度だ。今日は曇り空であまり良い眺めとは言えないのが残念だ。
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(高麗川源流の碑)
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(源流であっても水量は多い)
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(石積された土台跡らしきものがある かつて峠道だったころの名残だろうか)
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(舗装路に上がると栗の毬が大量に落ちていた)
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(刈場坂峠)
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(刈場坂峠からの眺め)
峠から別荘地裏に延びる山道を行く。落葉広葉樹の多い所だが、まだ黄色く色づき始めたばかりで紅葉を楽しむには早い。別荘地を離れて尾根を登りきった山頂は横見山(現地標識では860)で、関東ふれあいの道の道標に標識が付けられていた。横見山から広葉樹林を下りきった鞍部には牛立久保と書かれた道標が立つ。しかし「奥武蔵登山詳細図」の著者である池田和峰氏によると牛立久保とは本来横見山を指していたという。クボという言葉に引っ張られて鞍部であると思い込んだのは間違いだったわけだ。ただ登山者の多くは南側にある緩斜面を牛立久保と認識していて、鞍部のことすら指していないようにも思える。牛立久保と書かれた道標の立つ鞍部から北西へ登り返した所が二子山(現地標識では860)だ。ここも道標に新たな標識が付けられていた。
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(横見山 道標に標識が付いた)
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(牛立久保と書かれた道標)
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(二子山)
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(横見山・カバ岳周辺図 出典:国土地理院発行2.5万分1地形図 地理院タイルに文字等を追記して掲載)
二子山を過ぎると杉・檜が優勢な林の中を行く。舗装された観光林道であるグリーンラインに下りた所は七曲り峠と呼ばれ、道標にもそう書かれている。西麓の中井集落からここまで道が延びていたらしく、地理院地図には今も道が載っている。しかし「画廊天地人」のyasuhiroさんが2015年に歩いた時点で既に廃道状態だったという。道標の先からすぐに再び山道に入る。よく整備された道が続くが、細い尾根なので岩場を越えていかなければならない所もある。元々現在のグリーンラインが通る所は秩父と越生とを結ぶ街道で長大な山道だったのだが、舗装路として整備された際に尾根上に無理矢理道を付けたため、このような不自然な道となってしまった。舗装路に抵抗がないのなら刈場坂峠から大野峠の間は思い切ってグリーンラインを歩いてしまうのも悪くない。岩場を越えて登りきった先はカバ岳(刈場岳)に着く。池田和峰氏によると白樺の木が自生したのでハイカーがカバ岳と名付けたとのこと。現在白樺らしき木は全く見当たらない。
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(二子山辺りまでは雑木林が多い)
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(七曲り峠 中井への道も付近にあるということだがよくわからなかった)
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(七曲り峠からカバ岳の間には岩場がある 結構切り立った尾根なので転落注意)
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(カバ岳 思ったより広い山頂なので休憩にも悪くない)
再びグリーンラインに下り立ち、カーブミラーのある所から山道を登り返した頂上が陣馬平山(858)だ。2016年に訪れた陣馬ヶ平はこの山の東側斜面に当たる。陣馬平山を下るとまたもグリーンラインに出る。一応大野峠まで山道を辿ることもできるが、面倒なのでグリーンラインを進む。大野峠からは東屋の脇を登っていく。土留めの木段が設けられた急斜面で4時間近く歩いてきた身体には厳しい登りだ。登りきった所はパラグライダーの離陸場となっている。刈場坂峠からの眺めと似ているが、個人的にはこちらのほうが眺めは良いと思う。離陸場より先は雑木林の中を緩やかな道が延びる。笹藪を切り開いた道は奥武蔵ではすっかり珍しいものとなった。気持ちの良い道を行くと次々と登山者にすれ違う。丸山は山頂近くに駐車場があり、大野峠まで回ったとしても手頃な山なのだろう。
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(陣馬平山 標識の類はない)
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(大野峠)
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(パラグライダーの離陸場からの眺め)
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(離陸場から丸山頂上にかけては気持ちの良い落葉樹林が広がる)
巨大な電波塔の見えるやや急な斜面を登りきると山頂部に出る。こうした斜面を登ると体力の衰えを感じざるを得ない。フラットな山頂部の西端に展望台が立つ丸山(960.4)の頂上に着く。ここまで来るとツツジやモミジなどが結構赤く色づいている。展望台の上に出ると主に南側の眺めが開ける。冬枯れの時期なら北側の眺めも得られるが、曇天なら今の眺めで十分だ。
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(電波塔が見えてきた ここを登り切れば山頂は近い)
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(丸山頂上に立つ展望台)
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(展望台から南側の眺め)
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(展望台から東側の眺め)
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(奥に薄っすら見えているのが浅間山 手前は御荷鉾山)
丸山から北に延びる急斜面を下る。雑木林の多い尾根で1,2週間もすれば紅葉が楽しめるだろう。傾斜が緩むとかつてはフラットな尾根が北西へ延びており、鞍部の下をトンネルが貫いていた。前回歩いた時は工事で立入禁止となっていたが、現在はどうなっているのだろう。丸山トンネルと呼ばれていた件の鞍部までやって来ると尾根はすっかり寸断されて舗装路の通る深い鞍部だけが残されていた。かつては尾根伝いに森林館へと出られたが、現在では舗装された中腹道を使ったほうが楽になったわけだ。
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(山頂から北に延びる急斜面を下る ここも雑木林で美しい)
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(丸山トンネル跡 トンネルはすっかり取り壊されてしまった)
舗装路を通って尾根を横断すると右手に「県民の森ウェルカムストリート」と名付けられた遊歩道が延びる。この道も近道にはなるのだが、今日は更にこの下にある駐車場から延びる中腹道を使いたい。遊歩道を見送って舗装路を下り続けると駐車場に着く。地理院地図だと三角形に描かれた道路内が駐車場に当たる。「奥武蔵登山詳細図」では中腹道の分岐に道標があるらしいのだがどれだろうか。5分ほど探索してみるが駐車場の周囲は高い壁で下りられそうにない。もう一度地図をよく見てみると三角形の北の点に道標があるという。そこに行ってみると「県民の森 ←駐車場」と書かれた道標がある。なるほど直接中腹道を指していたわけではなかったのか。
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(県民の森ウェルカムストリート 丸山から下山するときは近道となる)
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(丸山の駐車場 ここまでクルマで来てしまえば軽いハイキングになる)
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(ここから中腹道に入る)
中腹道へは特に踏み跡が無く、斜面を適当に下ると笹藪に付けられた道が現れる。ここからは薄い踏み跡を辿りつつ緩やかに下っていく。全く人の手が入っていないというわけではなさそうだが、積極的に歩いてもらいたいという雰囲気でもない。10分ほど歩くと尾根道に合流する。若干迷いそうな感じはあるものの、歩きやすい道であることに変わりなかった。広い尾根道はよく整備されていて登って来る登山者も多い。但し結構急な所もあり、滑って尻餅を突きそうになる。
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(中腹道の様子)
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(尾根道に合流 木で通せんぼされているところを見るとあまり通ってほしくないのだろう)
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(尾根道は一般道ながら結構急な所が多い)
道標の立つ日向山分岐で日向山方面に入る。杉林の中を九十九折に下る道で尾根道よりも歩きやすいと思う。ただ整備しなおしてから年月が経ったせいか、水流で掘割が深くなってしまった所も目立つ。古い石造の道標が立つ分岐を見送ると舗装された林道に出る。看板に従って木の子茶屋方面へ下る。車道からは武甲山がよく見える。浦山口ルートが不通になってしまい、すっかり訪れにくくなってしまった。山の花道前にある木の子茶屋は店を閉めていた。横瀬町観光協会のwebsiteを見ると芦ヶ久保駅近くに本拠を移し、山上の店は不定期営業となったようだ。
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(日向山分岐)
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(日向山方面への道は相変わらず整備状態が良い)
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(紫陽花の中を抜ける もう少しすれば紅葉も楽しめそう)
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(神社が見えてくれば車道も近い)
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(道標 芦ヶ久保駅方面に向かうと再び尾根道へ入ってしまう)
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(古い道標 古い地形図を見ると先の日向山分岐で尾根道は途切れていたらしい)
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(山の花道前 この辺りは武甲山がよく見える)
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(真ん中の高い山が二子山)
山の花道の案内板の向かい側に付けられた道を下る。再び車道に出るとトイレがあり、そのトイレ脇の広場に農村公園へと下る道がある。案内は無い上に廃業した売店や整備されなくなった山車などが放置されており、ハイキングコースとわからない人もいるのではないだろうか。廃売店の先は水浸しの道が続き、ツルツル滑るだけでなく、靴も泥塗れになる。琴平神社からの道(風の道)が合流する所で橋を渡ると農村公園に着く。ここは落葉広葉樹が多い所だが、紅葉にはまだ早い。
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(山の花道向かいにある下り坂からの眺め)
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(トイレ脇の広場に農村公園への道が延びる)
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(かつては案内所兼売店にオジサンがいて、山車の話などもしてくれたものだった)
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(農村公園 ここも綺麗なトイレがある)
ローラーコースターで遊ぶ家族連れを眺めつつ公園を抜け、橋の手前で上に延びるトラバース道に入る。道なりに下れば車道に出る。あとはひたすら車道を行けばいい。途中廃業した饅頭屋や穴だらけのビニールハウスなどを見かける。新型コロナウイルスは横瀬町に大きなダメージを与えたことが窺える。国道に出て道を渡り、無事道の駅あしがくぼに着く。ここまで来るとお昼時ということもあり、人でごった返している。山の果樹園も同じくらい賑わいことを願うばかりだ。芦ヶ久保駅に上がり、ホームで電車を待つ。道が判然としないルートを歩いた割には体力が残っており、峠ノクボ越えは想像よりも歩きやすかったのかもしれない。右肩痛で4ヶ月以上も山歩きを休んでしまい、体力の衰えを感じたのは間違いない。だが今回の山歩きで今後も未踏のルートに挑戦する自信を少し取り戻せたように思う。
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(農村公園のローラーコースター)
DATA:
正丸駅6:09→6:31三田久保峠入口(神平)→6:53三田久保峠→7:14岩井沢集落→7:17岩井沢観音7:24→7:26林道岩井沢線・鳥久保線分岐→7:44林道鳥久保線終点→8:00峠ノクボ→8:09林道刈場坂線→8:20高麗川源流の碑→8:43刈場坂峠→9:00横見山→9:02牛立久保→9:05二子山→9:12七曲り峠→9:33カバ岳→9:49大野峠→9:57パラグライダー離陸場→10:19丸山10:26→10:43丸山トンネル跡→11:19日向山分岐→11:42山の花道→11:56農村公園(ローラー滑り台)→12:20道の駅あしがくぼ→芦ヶ久保駅
地形図 正丸峠
トイレ 刈場坂峠 丸山 山の花道 農村公園 道の駅あしがくぼ
交通機関
西武池袋・秩父線 小手指~正丸 409円 芦ヶ久保~小手指 471円
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林道鳥久保線の終点から峠ノクボまでは道がありません。道の無いルートを歩いた経験が無い人は入山を控えたほうがよいでしょう。峠ノクボから林道刈場坂線までについては林道を利用する形になります。道標が設けられているので一応歩くことに問題は無いと考えますが、作業中は通行を控えましょう。