令和2年12月25日、NHKテレビの北海道道スペシャル“アイヌの遺骨返還”を放映していた。昨年、新ひだか町三石と平取町に、アイヌの人たちの遺骨、計35体が返還された。明治時代以降、東大や北大などの研究者が収集し、現代まで保管していたが、アイヌの人たちの訴えでようやく帰郷したのである。
一方、地域の様々な事情から、1300体以上の遺骨が故郷の土には還らず、昨年出来た国立アイヌ民族博物館“ウポポイ”の慰霊施設に納められている。
何でもそうであるが、当事者側と非当事者側の言い分があり、この番組でもそのように感じた。東日本大震災から10年になるが、今でも津波で見つからない遺体を探している人がいる。身内の人にとって遺体(遺骨)が出なければ、津波で死んだことが信じられないのだろう。遺骨があることによって、死亡というものへの分切りが付くのだろうと思う。
テレビに出ていた新ひだか町三石のH氏と、この放映を見たことがきっかけでメールのやり取りをしている。2月13日(土)の午後11時からのNHKEテレで、またテレビに出演するということなので見る予定である。このように人間の出会いは、小説より奇なりである。
いま、人と人との絆がコロナ禍もあり無くなってきているが、この傾向は否応なしに加速すると思っている。ただ、この傾向はいま始まったものではなく、日本の高度経済成長と歩調を合わせて始まったものでないかと思っている。
その理由は、資本主義は生産性(利潤)を追い求めるもので、経済システムがそうであるので仕方がないのであろう。二兎を追う者は一兎をも得ずで仕方ないと思っている。だが、これからの社会は、「地域共生社会」と「脱炭素化社会」である。
「十勝の活性化を考える会」会長
注) 地域共生社会
○ かつて我が国では、地域の相互扶助や家族同士の助け合いなど、地域・家庭・職場といった人々の生活の様々な場面において、支え合いの機能が存在しました。社会保障制度は、これまで、社会 の様々な変化が生じる過程において、地域や家庭が果たしてき役割の一部を代替する必要性が高まったことに対応して、高齢者、障害者、子どもなどの対象者ごとに、また、生活に必要な機能ごとに、公的支援制度の整備と公的支援の充実が図られ、人々の暮らしを支えてきています。
○ しかし、我が国では、高齢化や人口減少が進み、地域・家庭・職場という人々の生活領域における支え合いの基盤が弱まってきています。暮らしにおける人と人とのつながりが弱まる中、これを再構築することで、人生における様々な困難に直面した場合でも、誰もが役割を持ち、お互いが配慮し存在を認め合い、そして時に支え合うことで、孤立せずにその人らしい生活を送ることができるような社会としていくことが求められています。
○ また、人口減少の波は、多くの地域社会で社会経済の担い手の減少を招き、それを背景に、耕作放棄地や、空き家、商店街の空き店舗など、様々な課題が顕在化しています。地域社会の存続への危機感が生まれる中、人口減少を乗り越えていく上で、社会保障や産業などの領域を超えてつながり、地域社会全体を支えていくことが、これまでにも増して重要となっています。
○ さらに、対象者別・機能別に整備された公的支援についても、昨今、様々な分野の課題が絡み合って複雑化したり、個人や世帯単位で複数分野の課題を抱え、複合的な支援を必要とするといった状況がみられ、対応が困難なケースが浮き彫りとなっています。
○ 「地域共生社会」とは、このような社会構造の変化や人々の暮らしの変化を踏まえ、制度・分野ごとの『縦割り』や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会を目指すものです。
(出典:厚生労働省ホームページより)