ときの備忘録

美貌録、としたいところだがあまりに顰蹙をかいそうなので、物忘れがひどくなってきた現状にあわせてこのタイトル。

熟年パワー万歳

2013-03-26 | 砂時計
左後頭部に、針を刺すような痛みを覚え、場所が場所なので脳外科に出向いた。
ここはムスコが一度、私も一度診てもらったことがある。
待合室におかれた出身大学からの贈り物の置き時計も古めかしく、ドアプレートもなんだかレトロ。
先生のまわりを固めるスタッフも、いつお迎えがきてもおかしくないような看護師さんばかり。
もちろん、先生も私の父より少し若いぐらいである。
それでもここに来るのは、この先生の見立ての確かさを確信するから。
今回も、症状を告げると、
「たぶん、肩こりから来る神経痛でしょうな。」
注射して、5日ほどの飲み薬を飲んで、症状が変わらなければまたいらっしゃい、とおっしゃる。
CTをとるのはそれからでも遅くはないでしょう。と。
もちろん、帯状疱疹の可能性もあるからね、という一言は忘れない。

来ている患者さんは、ご近所のお年寄りばかり。
出社前に遅刻を覚悟で駆け込んだが、きっちり時刻通りに出社できた。

いいなぁ、このゆるさ。
これがなんたらクリニックとか、なんとか病院とか最新設備をうたい文句にしているようなところだと、まず検査、検査、検査、のオンパレード。
すべては数値を見てからじゃないと、何も始まらない。
医者が診るのは患者ではなく、数値なのである。
画像を診断するにも、経験がなければ見落とす可能性もある。

たぶん、私が診ていただいた先生は、もう、執刀されることはないだろうけれど、経験に裏打ちされた確かな見立てがある。
ずっとお元気で診ていただきたいものである。

ずっと一緒に仕事をしてきた同僚の節子さんが、この春定年を迎える。
春から65歳定年が政府の方針として打ち出されているにもかかわらず、節子さんは会社を追い出される。
滅私奉公という今時死語にもなった働き方で、待遇の悪さに不満も言わず、会社を支えてきたヒトなのに、簡単に会社は切り捨てる。
まだまだ十分働けるのに、その力を発揮させることなく追い出してしまう会社になんともいえない不快感を感じてしまう。
熟年をバカにするんじゃない。
窓際で、大層な肩書きを持って、経費を自分のお小遣い代わりにじゃぶじゃぶ使う、節子さんの何万倍もの高給を取っている人々を一人辞めさせるだけで、節子さんはまだまだ何年も真面目に会社のために働いてくれるのに。。


現役でがんばるこの脳外科の先生、そして節子さんを見ていてつくづく思う。
熟年パワー万歳!と。

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