昭和枯れすすき ２

相談を受けた。
押し入れを整理していたら、もう何十年も前（っていったいどれくらい前なんだ？）にまとめ買いをしたストッキングが新古品として出てきたそうだ。
足の部分は、新品なのでまったく問題ない。
だが、ウエストのゴム部分が劣化してしまい、ずり落ちてくるのだそうで。
で、もったいないので再生できないか？という相談だった。

そこで、私が提案したのは、当然ながらお掃除グッズへの転化。
針金ハンガーにかぶせて、冷蔵庫の下や裏を掃除する
とか
カセットテープをびや～っと引き出してぐちゃぐちゃに丸めて、ストッキングに入れたわし代わりにする
とか
収納アドバイザーの近藤典子さんから仕入れたワザを勧めてみた。
だが、節子さんは
「私一人の生活で、そんなに掃除グッズを作っても仕方がないし・・」
と、どうも気乗りしない風。
思うに。
彼女は、ストッキングはストッキングとして履きたいのではないか？と思い当たる。
そこで
「強力なガードルを上からはいちゃえば、ずり落ちては来ないんじゃないですか？」と勧めてみた。
すると。
「あ！そうか！！そういう方法があったね！！！うん、そうしよう！」
と、目を輝かせてこの案をすんなり受け入れてくれた節子さん。

そこからしばし、ストッキング談義に。
昔、ストッキングはパンティ部分がなくて、いわゆる長靴下だった。
私の母などは、ガーターベルトというのを持っていて、後ろにシームのはいった薄いストッキングを、外出時に履いていた。
私は、それがとても大人っぽくて、憧れていて、あの薄いストッキングをガーターベルトで留めてはけるようになれば、大人になった証拠なんだと信じていた。
冬の寒い日には、たまに長靴下をはくこともあったが、そのとき私に渡されたのは
靴下バンドだったのだ。
要は、ヘアバンドみたいな太もも版である。
記憶にあるのは、ピンクのサテンでゴムがくるまれていて、レースやリボンがついていた。
なんか、ガーターベルトに比べて、なんて安物チックなんだろう、と不満だった私。

そんな話をひとしきり節子さんと繰り広げたら。
「パンティ部分をちょん切って、靴下バンドで留めるっていうのもいいかもね」
と言い出した節子さん。
いや・・・
それはいくらなんでもまずいんじゃないですかね。
伝線が入りまくりになっちゃうと思うんですけど・・

今年の節子さんへのクリスマスプレゼントは、ガードルに決まり、かな。