涙、なみだの物語

元々、涙腺がゆるいほうである。
それが、歳とともに更にゆるくなっている気がする。
誰かと可哀想な人の話をしているだけでも、下まぶたのあたりがうるうるし始めてしまう。
本を読んでいても、むごい話や、感動的な話を読むとティッシュを傍らから離せない。
そんな私なので、映画、ドラマは当然のことながら泣かずに見られるものは少ない。

そんな私に似たのか、息子も男の子なのにけっこう涙もろいタイプのようだ。
息子が小１の頃、テレビでやっていた映画「忠犬ハチ公」を観て涙し、その原作を読んで滂沱の涙。その後も、映画「アルマゲドン」を観て泣き、さすがに中学生になってからはカッコ悪いと思ってか泣きそうな場面では必死でこらえている。
お正月にみたＤＶＤの「シルミド」や、「ブラザーフッド」を観ながら袖で目をこすっていたのを私は見逃さなかった。
私たち親子はストーリーにそれくらいのめりこんでしまうのだが、ＡＢ型、ふたご座の夫はいたってさめていて、ドラマが嫌いらしい。

今シーズン、私と息子は「金八先生」と「救命救急」を見たいと思いつつ、夫が
「受験生が、そんなもんのん気に見ているヒマはないやろう！」と一括してオンタイムに見ることができないのだ。
要するに、夫はドラマが嫌い。なかでも金八先生は大嫌い。
「あんなお節介な先生がおったら、うるそうて（うるさくて）しゃーないわ。人の生活にいちいち介入せんといてくれ！といいた（言いたく）なる。第一、そんな現実味のないことがそうそうおきるわけないわ。あほらし。」
と、ダウンタウンの松本よろしくこきおろす。

現在中３である息子としては、自分の生活と同時進行させたいので「金八」はビデオにとってでも見たい、ということでオンエアとはずれた時間に私と二人だけの時間に見ることにしている。
「金八」は、今日がひとつの山場。自分に子どもがいるせいか、ドラマの中のこととはいえ、涙なしには見られない。崇史がどうなってしまうのか気が気でない。
オンタイムでみたいなあ、と思いつつ今夜もニュース１０。