制服

息子の卒業まで１ヶ月をきった。
なのに。制服がキツイとおっしゃる。あと一ヶ月もないのだから、これ以上太らぬように、と厳命する。
高校は、志望校に入れたなら中学と同じ学蘭なので、使えなくはないけれど、志望校への合格の可能性が高いとは言えない状況なので、そんな冒険にはでられない。

夫は、私服の高校だったので高校生が制服を着るなんてサイテーだ、と言う。
私は女子がセーラー服、男子は学蘭の高校だったので制服はそう、嫌ではない。
特に、男子の学蘭が結構好きだったりする。
高校に入った頃、三年生の男子生徒がとっても大人っぽく見えて、制服を着ているだけでなんだか皆かっこよく見えたものだ。
私の高校では、理系、文系と高校二年からクラス分けされたが、学年に一クラスは必ず男子ばかりの「男組」と呼ばれるクラスができた。元々女学校が前身の高校だったので男子の数自体がちょっと少なめだった。
なので理系を選択する生徒といえば、どうしても男子が偏った。
一年生の頃は、男組にいる、と言うだけでカッコイイと思ってた。
そもそも、自分が典型的な文系人間で、数学、理科が大っきらいだったから余計に憧れがあったのかもしれない。
陸奥A子の漫画なんかで、背の高いさらさらヘアの男の子が、壁に手をついて自分より背の低い女の子に話し掛ける構図が、同級生の女のこの憧れでもあった時代のことだ。

そんな母親の甘酸っぱい想い出も、この息子をみていると現実に引き戻される。
息子よ、どうかカッコイイ学蘭姿で、ぴしっと決めてくれたまえ！