夏 点描

１０年目にして、初めて自宅で迎えるお盆。
自宅のベランダから、夏祭りの花火を遠くに望む。

万国旗が地元の商店街の夏祭りにかかっていた。
今は、万国旗にも「国連」の旗がかかっている。
時代の流れを感じる。

結婚して２０年。常にお盆は、夫の実家で過ごしてきた。
今年は、私の仕事や、息子のスケジュールの都合で、一足早いお盆休みを終えてしまい、奇しくも自宅で過ごすお盆となった。
ふと、考えればあと２～３年もすれば息子の帰省先は我家となる。
今まで、自分達は帰省する立場だったのが帰省する家族を受け入れる立場となっていくのだと自覚した今年。

日航機墜落事故の救出模様を、２０年前のお盆にテレビで見ていた。
大阪・梅田のクリニックの待合だった。
あの大事故での生存者がいたことに感動した。体調不良でかかっていたクリニックでの
ニュース。生きていることのありがたみを感じた瞬間だった。
２０年の節目に流れる特集番組を観ながら、あらためて生きていることのありがたみを感じる。
息子は、東京の大学を目指したいと言う。親としては、飛行機で帰省しなければならないようなところへは行って欲しくないな、と思う。

戦後６０年の今年。
無差別に落とされた爆弾で亡くなった人々。
疎開先で大阪にふりそそぐ爆弾をみていた母は、今も花火をみるとその時の光景を思い出すという。
戦争という狂気がもたらすものの悲惨さを、あらためて見つめ直す番組が目白押しである
このお盆。日本のしてきたことが、そんなにも極悪非道のものなのか、原爆を落としたアメリカの日本に対する思いはどうなのか。
そんなことを考えながら、１６日から始まるNHKの特集番組「アウシュビッツ」を観てみたいと思う。