reverse*rebirth

4年ぶりに稼働しました。日々の糧にlogをつける-。韓ドラは相変わらずいろいろ見ております。

『インファナル・アフェアⅢ』を観て。

2005-05-01 17:14:35 | 映画
タイトル通りですが、見てきました。
『インファナル・アフェアⅢ』こと『無間道Ⅲ 終極無間』。
実は、観てから数日が経っているのですが…
見終わってから、かなり切ない余韻に浸されておりました。

さて、この作品。
Ⅲとあるからには、もちろんⅠ・Ⅱがあるのですが
私的にはこのⅢが一番好きかもしれないなぁ。
よく世間ではシリーズものは、最初はいいんだけどね…なんて
言ったり言わなかったり、ではありますが。

もちろん、このⅢ、Ⅰ・ⅡあってのⅢなので、
単独で成立はしえない作品なのではありますが。ましてやⅢは特に。

ざっと私的に3部作を振り返ってみれば…
Ⅰは、梁朝偉(トニー・レオン)と劉徳華(アンディ・ラウ)の主演の2人は勿論ながら、
脚本をはじめとして全てにおいて傑作。

Ⅱは、時を遡り香港返還など歴史を交えつつ、トニーとアンディの若い時分をⅠで
演じていた余文樂(ショーン・ユー)と陳冠希(エディソン・チャン)が主演として
おりましたが、いささか演技力が乏しかった…のが難点。

でもこれは、いたしかたなかったのでは、とも思う。
何せ、トニーとアンディの代わりなので。
出来上がっているものに当てはめていくというのは、中々難しいものだし。
あと、周りに言わせると顔が似てない&若い2人の顔が似てて見分けがつかん…
という説も。(私は見分けがつくので、さすがにそれは…

でも代わりに、Ⅱは劉嘉玲(カリーナ・ラウ)、呉鎮宇(ン・ジャンユー)、そして3部作全てに出ている、黄秋生(アンソニー・ウォン)と曾志偉(エリック・ツァン)らの演技にやはり惹きつけられるものがあり。あと、私的には全シリーズに出ているキョン役の杜[シ文]澤(チャップマン・トウ)の演技も外せない!

そしてⅢは、前作のように時間軸を遡る…だけではなく、
回想・追憶でありながら、現在進行形の話でまたその中に、
混沌とした無意識の中の理想系・フィクションが存在して…と
まるで、人間の精神そのものな気がする。

常に雑多でありながらも、どこかに救いを求めてみたり…
一方で無慈悲に棄て置いたり。常に相反しあう、何か。

だからか、最初観はじめた頃には、あんまりにも場面が切り替わるというか
それこそパズルのピースみたいに、なので観る側の意識も混沌としてきたのだけれど、
この混沌が計算されたものだと思うと凄いな、と感嘆せずにはいられない。

そして、Ⅲでもっとも良かったと思わされたのは
黎明(レオン・ライ)と陳道明(チェン・ダオミン)の演技と役どころ。
2人とも、このⅢで初登場なのに、浮くことなく自然かつ物語にメリハリを
つけていると同時に、配役にも妙に納得してしまった。

レオン・ライ演じる捜査官と大陸のマフィアのボスを演じるチェン・ダオミン。
香港では広東語/英語、大陸だと北京語が使われている。
この言葉の違いが面白みを増していて、さらに配役の妙だと思ったのは
レオン・ライ。彼は、実際に北京生まれなのでそこらへん(バイリンガル)も
踏まえて役をオファーされたのかな、なんて考えるとかなり楽しくなってしまった。

と…ここまで書いてきて。
一応、Ⅲでの主役というか物語の比重をかなり担っているのは
アンディ演じるラウ。
観終わってから思うに、彼が一番この世にいる人間の中で多いタイプなんじゃないかな。
少なくとも、自分はこの類な気がする。
見失って、すがって、意識が昏倒してゆく…
もはやすべてが仮面のように。剥がれ落ちていく。
朽ちてしまったらその先には?

まさにそれこそ、無間道。
そんな気がしてしまうこの頃。

そして、残念だったこと。
映画館へ観にいった際に、エンドロールが流れた瞬間に皆
そそくさと席を立っていったのだけれど、
ちゃんと曲も聴いたら良かったのに…もっと余韻にひたれたハズ。
歌にもちゃんと意味が隠されているというか、テーマがあると思うのですが。
皆、忙しいのかなぁ。

あと、パンフレット。
良かったのだけれど、Ⅰ・Ⅱと空模様が表紙になっていたので
(Ⅰは青く、Ⅱはどんよりとした空模様の表紙)
Ⅲもそれでくるのかな?と密かに期待をしてたので、ちょっと残念。
トニーやアンディなど登場人物が表紙なのは嬉しいのではありますが。

そんなこんなで、感想?は終わり。
日本の『インファナル・アフェア』公式HPを堪能するも良し。
香港の『無間道(インファナル・アフェア)』公式サイト(中/英)も良し。
ともに中々充実しております。

なんだか、また近日に足を運んでしまうやも。
多分、今度みたらもっと話が理解出来て、映画の良さをより堪能できそうな気がする。