昨年の11月のことになるのですが、
グレイズで96年に挙式をされたI夫妻の愛娘
かれんちゃんという女の子が、7才のお祝いの時を迎えて
"七五三"の撮影をさせて頂きました。
もともと、I夫妻がご結婚の時に私がお二人の"マリアージュアルバム"を
撮影させて頂いた時からのご縁で、
(その時はメインでニューヨークから帰ってきてファッションを
撮られているN氏が担当されていました。
私はまだほんの駆け出しでしたので、たしか、その日、
他にカメラマンが入っていないと思って、自分が撮影したもので
一冊ちゃんとアルバムをつくれる様に撮って下さい。という
指示を受けて、実質これがカメラマンとして私が
やっていけるかどうかのテストでした。)
結果、I夫妻にも「なでし子さんの写真は素敵です。
応援してるから、頑張って!」ととても気に入って頂いて、
それからの長いおつきあいになりました。
実はかれんちゃんの撮影は、これまでに一冊目は
「お母様のお腹の中にいる時から1才の記念日まで」、
2冊目は「2才のかれんちゃん」、
3冊目は「3才のお祝いの日に」と、3年続けて撮らせて頂いて、
今回は7才になったかれんちゃんとI夫妻との久し振りの再会でもあり、
私にとっても大変意義深い撮影になりました。
今回の撮影でもう一つ大変だったのは、
7才の女の子の「着物探し」でした。
アンティークの着物でと探しておられたのですが、
なかなか良いものがなく、オーナーと打ち合わせをすると
「この着物では、かれんちゃんの良さが出ない。
もっと7才の女の子らしい可愛らしい着物を...。」ということになり、
結局私が7才の時に着た着物をお見せすると、何よりもかれんちゃんが
「この着物にする☆」といって、とっても嬉しそうに微笑んだのです。
お父様は最初、総柄の着物はかれんには似合わないと
思っておられたらしいのですが、
「なでし子さんの着物は総柄だけど、不思議だ。
かれんにとても似合う。」とおっしゃって、少し驚いておられました。
お母様は「イメージ通りの着物です。これをぜひ貸して下さい。」
と喜んで下さって、思いがけず、
私の7才の時の着物がお役に立つことができました。
撮影当日は快晴...。
透明な秋の空気の中で、着物を着たかれんちゃんはとっても素敵で、
ファインダーをのぞくと、ちょっぴり大人になった
かれんちゃんがそこにいました。
少し赤味がかった紫色のアンティークな着物に、
帯はたぶん私の祖母が幼い時に締めたらしい半巾の帯、
これがまたとても美しくて、同じ紫系なのですが、
少し青味がかった糸の刺繍がほどこしてあって、
髪には、着物と同色の大きな赤紫のリボンを飾って、
真っ赤な帯揚げ、真っ赤なハナ緒、そして赤い巾着と、ポイントに赤を
使った、7才の女の子らしい少し大正ロマンな晴れ姿でした。
撮影中はとっても楽しそうにされていたかれんちゃんのお母様が、
撮影がおわって帰り路、ふと
「あっという間ですね。」
と少しだけさみしそうな感じでおっしゃっていた言葉が、
心にしみました。
ひとつひとつ丁寧に"いま"のこの瞬間をフィルムに残していく。
デジカメとは全く違うアナログな世界、たぶん、もう二度とは戻らない
時間を惜しむ様に、晩秋の日射しも少し歩みを止めてくれたような、
そんなのどかで、ゆったりとした優しい時間でした。
(ブログの写真はまだスキャニングが出来ていないためコンパクトの
デジカメで撮ったものを使用してますので、スキャンでき次第
アナログ写真に変えます。お楽しみに☆*)
Grey's☆なでしこ
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