HBVごちゃんこエブリディ

B型肝炎の治療が始まることになりました。
治療の記録や、日々思ったことを綴ります。

定期検診をサボる

2009-07-28 17:09:51 | 発症するまで
大学病院での定期検診は、3~4ヶ月に一回程度。
血液検査とエコーで様子を見る。

その間、体に症状が現れたことはなかった(気がした)し、肝炎が起こってると言われたこともなかった。

「今は肝炎は起こっていません。今までは、肝炎を起こしたことがなかったのかもしれないし、気付かない程度の炎症を起こして気付かないうちに治ったのかもしれない」
とのこと。

肝炎は、自覚症状が出にくいし、あったとしても、「こういう症状なら肝炎」と言えるようなものはほとんどない。

もしかしたら、軽い肝炎を起こして、気付かないうちに治まる、ということを繰り返しているかもしれないという可能性はあまりピンとこなかった。

なんせ、普段ほとんど風邪もひかないし、病院にかかることがめったになかったから。

そして3~4回目の検診で、医師が言った。

「今のところ、肝炎は起こっていないようだけど、様子を見て治療に入りましょう」

私はそれから病院に行かなくなってしまった。

たまたま、その次の予約の日に仕事で行けなかった、ということもある。

ただ、その「治療をしましょう」というのが、なんかすごく怖かったのだ。

今、私は何も症状が出ていないのに、なにか治療をして、肝炎がひどくなってしまったら?

正直に医師にそう言えばよかったのに、なにも言わないまま、私は診察に行かなくなってしまった。

同じキャリアである母が、60になってピンピンしているので、私もほっといたほうがいいような気がしていたのだ。

なんとなく。ただなんとなく。

そんな気がして、積極的に治療なんかしたくなかったのだと思う。

これが、肝炎を発症する1年半ほど前の話だ。

恋人に打ち明ける

2009-07-28 16:31:37 | 発症するまで
私には今、付き合って2年の恋人、ヨンがいる。

婦人科で大きな病院にかかったほうがいいって言われたとき、ヨンと付き合い始めて2ヵ月とかそのくらいだった。

婦人科のおじいちゃん先生は、丁寧に親切に「肝炎はほうっておくと非常によくない」と教えてくれて、大学病院を紹介してくれたけど、私の血液と、看護士がウイルスに感染することにすごく敏感になっているのをヒシヒシ感じた。

ネットで検索したら、B型肝炎ウイルスについての偏見や差別も目にした。

私は一気に不安になった。

普通に暮らすぶんには、他の人に打ち明ける必要はなさそうだけど、セックスすればヨンに感染する。ばかりか、すでにしてるかもしれない。

ヨンに言わなくちゃいけない。
私とセックスすると、ヨンが肝炎になるかもしれないこと。
ワクチンがあるから打ってほしいこと、抗体ができるまでには何ヶ月かかかること、抗体ができない場合もあること…。

私は不安で不安でたまらなかった。

肝硬変や肝臓ガンへの道筋があるという、自分の体の不安。
人から差別を受けてしまうような、そんなウイルスを持っているという不安。
そして、私の生活の大きな部分を占めるようになっていたヨンが、離れていってしまうんじゃないかという不安。

ヨンはずっと前から友達で、お互い別々の恋人がいた時期もあったけど、たまたまふたりともフリーな時期に、ふとしたタイミングで付き合うことになった。

付き合ってみたら驚くほど相性が良くて、お互いにどんどん好きになっていくのがわかった。

私の頭の中はヨンでいっぱいになっていたし、なくてはならないものになった。

肝炎のことで、ヨンが離れていってしまうことは、私にとって、真っ暗闇で目の前のたった一本のろうそくが消えてしまうような、そんな気分だった。

でも…

ヨンにとって最善の方法といえば、私と別れることだろうなと思った。

夫婦ならまだしも、付き合って2ヵ月。
私には、付き合い続けてほしいって言うことができなかった。
正直にいうと、今は肝炎のことを黙っていて、いつの間にかヨンに抗体ができて、そのころにHBVキャリアだってわかったふりして打ち明けようか、なんてことも考えた。

ずるいけど、
「成人して感染しても、ほとんどが一過性なんだし」

本気でそう思った。

でも、残り1%の確率で、劇症化したら…

やっばり言わなきゃいけないと思った。
ヨンが、すごくすごく、大切だったから。

こうして、
「ヨンを失いたくない」
「ヨンにさよならしなくちゃいけない」
という葛藤を抱いたまま、私はヨンに事情を話した。

そして、別れよう、と言った。
ヨンは優しいから、別れたくてもそんなこと言えないと思ったから。
相手に言われるよりも、自分から言ったほうがつらくないと思ったから。

でもヨンは、
「別れる必要なんてない」
と言った。
「体に悪いところが一つもない人間なんていないでしょ」

ヨンのその言葉を聞いたとき、私の周りの暗闇が、サーッと明るくなっていくのがわかった。

他の不安も全部吹き飛ぶような、そんな気持ちだった。

自分の体にも、違う考え方をするようになった。
ウイルスがいてもいなくても、明日生きてるかどうかなんてことは誰にもわかんない。
肝炎ウイルスを持っていても、ほかの病気になるかもしれないし、持っていなくて肝臓病になるかもしれない。

そのときそのときで、どうにかするしかない。

そして今も、私の隣にはヨンがいる。

ただ、実は、今のところヨンに抗体ができているかわからない。
ワクチンを打っていないのだ。
あの後、すぐにヨンは血液検査をして、その時は抗体がなかった。
その時のお医者さんに相談したところ、
「ワクチンを打って、抗体ができるまでに半年ほどかかります。多分それより前に、あなたから感染してしまうと思う」
とのこと。
今思えば楽観的というか適当な答えだなーと思うけど、当時はそんなもんか、と思って、ヨンも注射嫌いなので、放置してしまったのだ。

現在、肝炎を発症してあらためて、発症したらほんとにツラい!し、万が一劇症化したら取り返しつかないし、ヨンに血液検査と、もし抗体なかったらワクチンを打ってもらうつもりでいる。
ヨンも私の様子をみて、そのつもりになってるみたい。

定期検査を受けるまで。

2009-07-28 14:43:00 | 発症するまで
キャリアだということは、いつ知ったか詳しく覚えていないけど、母親から聞いて、大学生の時にはもう知っていた気がする。

でも、だからどうする、とかよくわからなかったし、「フーン」て感じ。

2年前くらいに、別の件で婦人科にかかったとき、問診票に「肝炎キャリアか」みたいな項目があって、丸をつけたら、そこのお医者さんが血液検査をして、
「抗体ができていなくて、ウイルスが活発な状態」
なので、ちゃんとした病院にかかったほうがいい、と教えてくれた。

紹介状を書いてもらって、大学病院へ。
ここでの検査は血液検査(採血)とエコー。
「症状もないし、エコーでも問題ないように見えるので、しばらく様子を見ましょう」
とのこと。
3~4ヶ月おきに検査することになる。

まったく体調は悪くないし、若いし(当時27歳)、同じくキャリアの母親は60歳近くでもピンピンしてるし、今すぐどうにかなるような気は全くなかった。
ただ性感染するので、付き合い始めたばかりの彼氏のことでいろいろな不安があった。
(次の日記で書きます)

私もここで初めて知ったんだけど、肝臓は状態がかなり悪くなるまで自覚症状がでにくいので、キャリアの人はちゃんとした肝臓の専門医がいるところで定期的にチェックするのが必要。

どうしたらいいかわかんない人は、近くの内科とかで事情を話して、血液検査したいんですけど、っていえばウイルスや抗体の血液検査をしてくれると思う。かかりつけ医がいるなら、内科じゃなくてもいいと思うし。
で、肝臓の専門のお医者さんにかかりたいから紹介状書いてほしいって言えばいいと思う。

定期検査はたぶん、採血とエコーっていうのがほとんどじゃないかな?

年齢や体の状態によって、経過観察するか治療するか、治療するならどんな治療するかが違ってくるみたいです。

はじめに

2009-07-28 14:11:23 | はじめに
こんにちは。
私は2009年現在29歳の女性で、
B型肝炎ウイルス(HBV)の母子感染キャリアです。

キャリアとは、ずっとウイルスを体内に持っている状態(持続感染)のこと。

B型肝炎ウイルスは、成人してから感染すると、多くの場合は一過性の肝炎を発症して(発症しない場合もあるらしい)、抗体ができあがり、ウイルスの活動は抑えられます。

でも、赤ちゃんの時にウイルスに感染すると、免疫力が弱いので、ウイルスを異物と認識せず、抗体ができないまま、体内にウイルスが住み着いたままになります。
これがキャリアという状態です。
私の場合は母もキャリアだったので、出産のときに感染した母子感染ということになります。
現在は、キャリアの女性が出産する場合には、赤ちゃんに打つワクチンがあって、赤ちゃんをキャリアにしないことが可能です。
私には4歳下の妹がいますが、妹の出産の時にはこのワクチンがあって、妹はキャリアではありません。

上に書いたのは、ネットやお医者さんから聞いた話を私なりにかみ砕いて大ざっぱに書いているので、詳しいことや正しい知識は医療系の公式サイトなどを参考にしてください。(肝炎.netなど)
自分の体に不安がある人は、ネットよりも肝臓の専門医に相談すべきです。

で、私はそのキャリアというやつです。
ずっと、症状のないまま過ごしてきましたが、先日肝炎を発症し、治療に入ることになりました。

家族、恋人、友人はやさしく支えてくれていますが、おそらくこれから、不安や、泣き言を言いたくなることがあると思います。

そんなときに、気持ちを吐き出す場所がほしいと思い、このブログを立ち上げることにしました。