大相撲の大関・魁皇の相撲には、ここ数年、体力の衰えと怪我により、盛時の力強さが全く見られない。秋場所は、一勝五敗で七日目から休場。九州場所は、不名誉なことに、大関でカド番十一回のワースト記録となった。
左の写真は、秋場所三日目、北勝力のもろ手突きに土俵下に転落した情けない一番。対照的に、右の写真は、九州場所三日目、琴奨菊を寄り切りで下した目一杯の相撲。いくら腰を痛めているとはいえ、初日に激しい寄りで横綱・白鵬を破り、十一日目まで七勝四敗の好成績を残している琴奨菊が、ろくな稽古もできないまま九州場所を迎えた魁皇に、このような負け方をするのは解せない。 同じことが、もろ差しになられ一気の寄りに敗れた、二日目の雅山にもいえる。立ち会いから気合いが入っていないことが歴然とした、どうもこうも論評できない勝負だった。
たとえ勝ち越してカド番を脱しても、大相撲の興隆に貢献するどころか、逆に、不人気の元凶になるだけだろう。九州場所の観客の入りは、テレビで見る限り、惨憺たる状況を呈している。幕内通算勝利歴代四位であろうと、大相撲の危機を救えはしない。
<写真は、左上が、雑誌『相撲』第56巻・第10号(ベースボール・マガジン社) から、他の二枚は、『北海道新聞』からの転載>
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