二月二十五日、心待ちにしていた北海道教育大学釧路校書道研究室の卒業書作展開催(3月4日~6日)の案内ハガキが配達された。ここ数年、毎回、会場の釧路市生涯学習センター「まなぼっと」に出向いているので、今年も、三月五日に女房と出かけた。
私は読むときも書くときも文字の書体にこだわる質(たち)で、パソコンに、ダイナコムウェア(株)の特殊フォント、新宋体・楷書体・魏碑体・龍門石碑体・隷書体・顔真卿体などをインストールし、文字の変化を楽しんでいる。最も好きな書体は宋朝体だが、残念ながら典型的な宋朝体のフォントはなく、新宋体で我慢せざるをえない。
さて、卒業書作展だが、平成二十二年度卒業生四名の作品は、それぞれ最後に掲げられた「漢字創作」=大関さん「逢」、菊池さん「諦」、白石さん「探」、菅原さん「糧」と関連づけ、四年間の充実した成果として興味深く鑑賞できた。 どの作品もそれぞれ特徴があり、今回、最も印象に残ったものを選ぶのに悩んだが、個人的好みという観点のみで、大関さんの『矛盾』『牛橛造像記』と菅原さんの『乙瑛碑』となった。
隷書は私の好きな書体で、卒業書作展に出品される『乙瑛碑』をいつも楽しみにしている。全体として悠揚迫らぬ大らかさの中で、一文字一文字に妥協を許さぬ厳しさがあるのがよい。
楷書の『九成宮禮泉銘』は、ここに写真を載せなかったが、大関さんが最も精力を注ぎ込んだ力作だろう。まったく趣の異なる『矛盾』『牛橛造像記』『元永本古今集』を並べるアイディアもよかった。「矛」の最終画に「盾」を貫かせるのは商売の妨害、いや、正義の行為か。
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