6月27日付『北海道新聞』25面〈道東〉は、シリーズ記事<森・紙・しんぶん>の第3回で、白糠町の山野に、一人で黙々と、60年かけて二千本の植樹を行った丹幸三郎氏を紹介し、さらに、釧路市阿寒町の前田一歩園財団の造林事業や漁協の植樹活動にも言及している。丹氏の個人的な語りにも、「造林は『木によって食べさせてもらっている』という感謝の気持ちが根底にある」と説明する、前田一歩園財団の西田力博山林課長の言にも、聞く人の心を揺する説得力が満ちている。
近藤憲治記者は、最後に、「民間企業も植樹を社会貢献活動として位置づけ始めている」と記し、日本生命と全日空の国内での植樹運動、日本製紙と王子製紙の海外での植樹に言及する。製紙会社の国外植樹は、国内植樹運動とは目的が別だと思わないか?
記事の内容は、誠に結構である。しかし、<森・紙・しんぶん>と題するシリーズ記事としては、他人事ばかりで、空々しい感じを受けるのは私だけだろうか。「日本生命は、業務で大量の紙を消費するため、資源の保全と再生を目指し、云々」と「ニッセイ百万本の植樹運動」を得々と紹介しているが、業務で大量の紙を消費するのは、新聞社が一番ではないだろうか。まず、新聞社がどのように植樹運動と関わっているのかを開陳するのが筋だろう。自分たちが何をやっているかを示してもらいたい。
上の写真は、わが家で購読している新聞(『北海道新聞』朝刊・夕刊、『讀賣新聞』2部)の一週間分である。四つ折りにして積み重ねると、六寸の高さになる。一か月分にするとどれほどになるか、推して知るべし。すべて、町内会の古紙回収に出す。7月1日付『北海道新聞』朝刊は、36面〈テレビ〉まである。全面広告が9面、部分広告を入れると、三分の一が広告ではないか。広告も情報提供、といえば聞こえはよいが、屁理屈である。私は、「新聞はタブロイド判で8面まで」を強く主張する者である。これこそ、森林資源保全の最良の方策だろう。
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