中華人民共和国の習近平・国家副主席と天皇陛下(執務中の陛下のお写真は、11月12日付『讀賣新聞』第32面から転写)の特例会見決定は、たまたま起きた偶発的問題ではない。米軍普天間飛行場移設問題や予算編成等で方向が定まらない日本政府の政権運営能力及び対中姿勢を見定める手段として、胡錦濤政権が周到に計算して仕組んだ策略を策略と認識することなく、日本政府が政治的思惑をもって荷担した結果だろう。
中共政府が、天皇陛下の外国要人との会見に関する宮内庁の方針を知らない訳がない。そのうえ、日中間のハイレベル交流の一環として政府要人<国家指導者>の訪日を年初から打診し、十月に政府要人が習近平・国家副主席であり、天皇陛下との会見希望を通知(12月12日付『朝日新聞』第1面参照)していることを考慮すると、宮内庁が設定した一か月ルールの無視(会見申請は11月26日)は意図的と思わざるを得ない。 胡錦濤の最有力候補と目される習近平(写真下段<右>は、<MSN産経ニュース 08.3.15.12:44>から転載)には、鄧小平や胡錦濤の過去の例にならって、天皇陛下との会見により自己の権威を高める政治的目論見があった。
一方、外務省からの会見打診に「応じかねる」と答えた宮内庁に対する日本政府の対応(<会見に関連する動き>は、12月13日付『讀賣新聞』第4面から転写)は、鳩山首相と小沢幹事長による政治的圧力そのものであり、「二度とあって欲しくない」(前掲『朝日新聞』第2面」と激しく批判する、羽毛田信吾・宮内庁長官の「象徴天皇政治利用」への懸念は当然というべきだ。
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