タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪ロシアの干魃で小麦先物取引価格上昇≫

P1110810 八月三日に田舎家までラズベリー摘みに出かけたとき、道路沿いの畑のあちこちで秋まき小麦の収穫が終わり、見慣れた牧草ロールならぬ藁ロール(家畜の敷き藁用)が転がっていた。釧路・根室管内の酪農地帯では見られない風景である。網走管内の畑作の主要作物は、バレイショ・テンサイ・タマネギ・コムギなどで、十勝管内と違って豆類の作付け面積は極めて少ない。秋まきコムギの収穫は七月下旬から八月上旬で、この間に雨が続くとコムギの品質が落ちるので、日照り願いの作業となる。
Photo 作業はすべて機械化され、ハーベスター(写真中段<左>は『ウィキペディア』から転載)で刈り取りと脱穀が行われ、主として米穀用に設置されたカントリーエレベーターで乾燥・調整・貯蔵される。しかし、日本のコムギ生産量は八十六万㌧余(そのうち北海道が65%)しかなく、約五百二十万㌧が輸入されている。
P1110847P1110845 三日にコムギの刈り取り跡を見て、今年は天候に恵まれ昨年の不作を挽回できるのではと思っていたところ、翌日の新聞は、「小麦価格急上昇」「露の干ばつで米先物42%高」(8月4日付『讀賣新聞』第9面)という見出しで、「米シカゴ商品取引所で2日、小麦の先物取引価格が約1年10か月ぶりの高値の水準になった」(先物価格及び小麦生産国グラフ=写真下段は、同新聞から転写)と報じた。
 高騰の原因は、ロシアの「輸出規制」予測だが、予測どおり、ロシア政府は五日、「今月15日から今年末まで小麦を含む穀物の輸出を一事禁止する」(8月6日付『北海道新聞』第1面)ことを決定し、さらに禁輸期間延長の可能性に言及している。日本の輸入は米・加・豪三国からが大半を占めるが、ロシアの輸出禁止による国際価格の上昇は避けられないことから、国内業界が困難な事態に直面することは必至だろう。

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