警視庁は、十月二十五日に、新たな「自転車総合対策」を公表し、全国の警察に通達したが、歩道の暴走排除=自転車走行マナーの向上という主旨が国民に伝わらず、自転車利用者や自動車運転者の間で大きな戸惑いが生じている。
軽車両である自転車の車道走行は、昭和三十五年に制定された道路交通法の大原則だが、十年後の昭和四十五年に、車道の交通量が多い一部の歩道に限って自転車走行を可能とする法改正があって以後、歩道走行が当たり前のように浸透(歩行者の間を縫うように走行する自転車=写真上段は、10月28日付『讀賣新聞』第35面から転写)した結果、自転車運転中の死者が減る一方で、歩行者との衝突事故が増加し、死亡事故も起きる事態となった。
警視庁の石井隆之・交通局長が応じた読売新聞社のインタビューによると、「自転車は『車』との意識を持ってもらうことが目的で、スピードを出す人以外は従来通り歩道走行で構わない」(11月21日付・同新聞・第3面)ということだから、交通規則を順守したマナーで走行すれば、取締の対象(新たな自転車対策=写真下段<右>は、11月5日付・同新聞・第35面から、及び自転車規制の主な流れ=写真下段<左>は、前掲新聞から転写)とはならない。
しかし、車道に出るとなると、自転車にとって路上駐車の自動車が障害となる。車道走行を徹底するなら、同時に違法駐停車の取り締まりを強化する必要がある。走行する自動車の運転者にもこれまで以上の注意が求められる。
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